昨日の未明からの豪雨は
昼過ぎには上がっている
でも、きっと
どんより、闇夜だな
また、少し降る予報もある
今は、未明
確かめて、みたくなる
雨戸を開ける
視界を切り裂く
ＬＥＤの街灯
でも、真夜中の従宅地には
ぽつんぽつんっ
ＬＥＤの街灯だけ
その背後には
深い闇の海に
ひっそり浮かぶ家並み
視線を、ふり仰ぐ
なんとなく、探している
確か、下弦の月か
慣れない目を凝らす
家々の影の上
やっぱり、何にもない
ただ、漆黒
そうだよね
厚い曇り空なんだよ
そう思って、窓を閉めて
やっぱり、気になる
寝室を抜け出して
階下へ降りて
玄関から飛び出してみる
真夜中の住宅街
ＬＥＤの街路灯は
真上から降り注ぐ
透明なナイフの光
でも、切り裂かれた目を
もう一度凝らす
きっと、東の空だ
降り仰いだ
ただ、のしかかって来る
灯りも漏れない、家影
その上を見ても
ただ，闇がどんより
そうだ、調整池沿いだ
あの真っ直ぐな道は
東を臨んでいる
門扉を開け、道路に出る
ただ、思いは
探すことだけ
意味はない
調整池で、Ｔ字路
誰もが、寝静まったまま
歩き出て、広がった
東の空
真っ直ぐに振り仰ぐ
辿って行くと
やっぱり、闇だ
ただ、闇だ…
違う時もあったのに
雲を透き通って来る
ぼんやりとした光
あの辺りだったな
あそこに、お月様が
…そんな事を求めていた
何故だか、分からない
そうか、当たり前だな
下弦でも、日が経った
まだ、月の出前かも
がっかりだな
何と言う事はない
お月様は出ていても
この漆黒の曇り空
きっと見えなかったよ
そうだね
そんな風に慰めた
おまえは、いつも
夜空にお月様を探す
理由は分からない
今は、ただがっかり…
