おまえは、迷走状態
就業時間は
結構、ランダムになった
それ迄は、就業中だった
夕方に、時間が空く
おばさんの夕方の学習塾
子どもたちも遅い
だから、ちびとふたり
夕方にまったり散歩
それが日課になった
一面の田んぼ道を
Ｔ根川方向に
散歩して行く
最初は、少し走る
ちびも、走りたいらしい
ただ、しろみたいには
スタミナはない
やがて、田んぼの真ん中
あっちをくんくん
こっちをくんくん
のんびりとした散歩
まあ、時々
田んぼに突っ込んで
呼び戻すと
がまの干物を
咥えていたりするから
怒って、多少揉める
田んぼ道の突き当たりに
古い社があって
そこで折り返す
もちろん、秋から冬は
最初から真っ暗
ただ、春から夏は
その辺りから
やっと、暗くなり始める
田んぼの真ん中で
また、ちびがくんくん
他犬の匂いを探して
そんなに楽しいかな
おんなのこは
縄張り意識は、弱いと言うけど
子どもの頃に避妊したせいか
どうも、しろの真似ばかり
脚を上げるとか😅👉😽
そして、くんくんは
帰り道には、とことん
振り返りすらしない
仕方がないな
そのままにして待つ
そんな時だ
ふと、見上げる
ジェット旅客機の爆音
どんどん大きくなる
真上だ
飛行灯の点滅
何処の国の
飛行機だろうか
真夏でも
すっかり暗くなっている
マークは、よく見えない
飛行灯の点滅
頭上を通過して
ゆっくり、旋回
戻って着陸コース
どんな国の
どんな人たちが
乗っているのか
思う間もなく
背後には
爆音が沸いていて
どんどんと近づいて来る
この時間帯は
本当に数分おき
遠い旋回コースには
降りて行く飛行灯が
数珠繋ぎみたいだ
だいたい、そんな時に
リードを引かれる
我に返ると
真っ暗な田んぼ道に
見上げて光るちびの目
そうだな
もう、帰ろうね…
