タイトルが何ともインパクトがある。何せ、一緒に見ようと妻を誘ったが「おっぱい・・・」と苦笑いされて無かった事にされてしまった。それで仕方なく一人で行ってきたが、これが正解!これは男子がこそこそ一人で観に行く映画なのである!(というのは大袈裟だけど・・・)
育夫(木村遼希)達、戸畑三中の男子バレー部5人は、バレーの練習もせずに、毎日考える事は女性の裸の事ばかり。特に”おっぱい”には異常な執念を燃やしている。そんな彼らの中学に新任の国語教師美香子(綾瀬はるか)が赴任してくる。いきなり挨拶で”どうてい”(童貞ではなく道程)などと育夫達思春期の男子中学生のスケベ心を刺激しまくる美香子。そんな彼女はふとしたきっかけから男子バレー部の顧問に就任してしまう。スケベ心丸出しの男子バレー部員達が待ちかまえているとも知らずに、意気揚々と部室に乗り込む美香子。しかし、彼らの”バカ”ぶりに巻き込まれてしまった美香子は何故か、「バレーの試合で勝ったら先生のおっぱいを見せてください!」という約束をさせられてしまう。
教師として、何とか彼らにやる気を出してもらいたいが、”おっぱい”は見せたくない・・・そんな複雑な美香子の気持ちを知って知らずか(いや知らない・・・)男子バレー部は唯一バレー経験のある新入生城(橘義尋)を交えて何とか6人揃えて美香子の”おっぱい”への執念だけ?!で練習に励む。
いよいよバレー大会が行われる。ところが第1試合は何と相手チームが棄権の為不戦勝。勝ちには違いないと早速美香子に”おっぱい”の約束を迫るが、何とかそこはなだめすかして、本当の勝利を得るために頑張る事を誓う。ところがその第2回戦の相手は強豪チーム。果たして彼らは試合に勝つことが出来るのか?いや美香子の”おっぱい”を見る事は出来るのか?そんな時に学校にこの”禁断”の約束の事がばれてしまい・・・
実は最近、自分だけの事だが
「綾瀬はるかの映画にハズレ無し」
というジンクス?が存在する。昨年から「ザ・マジックアワー」、「ICHI」、「ハッピーフライト」など彼女の魅力満載の映画が自分の中でヒットしているからだ。そもそも彼女とのスクリーンでの出会いは「Jam Films」の中の1編で妻夫木聡のコミカルな演技が光った「JUSTICE」の中で結構色っぽい女子高生役で出ていて、その時から色っぽさとコミカルさの混じり合った何とも言えない雰囲気が印象的だった。そんな彼女の魅力をもうこれでもか!ってくらいに満載なのがこの映画だ。
そしてもう一つの魅力がこの映画の時代設定と映画の中で流れる懐かしい曲達。時代設定が1979年。この時私は中学1年生。映画の男子バレー部の連中とほぼ同じ年代だ。その時代を代表するようなニューミュージックやポップの名曲がこれまたいい場面で目白押しだから、もうそれ聴くだけで涙ものだ。
ユーミンというか荒井由美の時の「ルージュの伝言」や「卒業写真」なんか聴くとそれだけで郷愁にそそられて泣きが入ってしまうし、ツイストの「燃えろいい女」なんか妙にいいシーンにかかって盛り上がってしまうし(あの恐い先輩が「おっぱいかあ・・・」は爆笑もの)、甲斐バンドの「HERO」なんて正に「ヒーローになる時、ア~ハ~ン、それはいま~」なんて歌詞はそのまんまこの映画の主題だし(ヒーローになる動機が不純でも・・・)シーンにぴったりのしかも懐かしい曲がガンガンかかってそれだけでウキウキだ。
それに何と言っても感動したのが、あのクライマックスでかかった永井龍雲「道標ない旅」だ!
必死に強豪チームに(”おっぱい”のため)立ち向かうバレー部員達の姿をスローで流しながら、この曲の歌詞が流れる・・・もうこれは卑怯とかし言いようがないくらいにはまる!この曲を初めて聴いた時に正にこんなシーンで流したかったと思った事を思い出した。それと思わずこれ見て「金八先生」を思い出した人はきっと僕と同じ青春を過ごした人に違いない!
青春を旅する若者よ 君があるけば そこに必ず 道はできる
最初に美香子が高村光太郎の「道程」が好きだと話して(男子生徒は変な方向に反応したけど・・・)、この詩の言葉がこの映画のモチーフになっていた。そしてクライマックスでこの「道標ない旅」の歌詞。
僕らの青春時代も、もちろん今の若い連中もそうだと思うが、いつも茫漠として掴めない未来があって、それに向かってあがく事しか出来なかった。多分大人からみればバカみたいな事でも、一生懸命に何かをしようとしてきた。でもそうして自分の足跡を残していって、ある時ふと振り返ってみればそこには何物にも代え難い素晴らしい想い出がある。それが人生を生きていく糧になっていく。それが青春を生きる若者が残す”道”なのだ。
この映画、タイトルもふざけていれば、ストーリーもコメディで何より男子バレー部の連中のバカっぷりには呆れるばかり。でもでも、実は一本筋の通った見事な青春映画になっていた。不覚にもクライマックスの「道標ない旅」を聞きながら涙がほおを伝う自分がいた。完全にツボってしまった自分に思わず苦笑いだ。でもいいなあこの映画・・・
最後にもう一つの魅力は北九州の風景だ。北九州のフィルム・コミッションは実に素晴らしい活動をしていると思う。北九州を舞台にした映画が最近多い。福岡市と共に政令指定都市であり、大きな製鉄所がある事で有名だが、一方で自然が豊かで炭坑の街の風景や古い街並みも残す風情たっぷりの街なのだ。『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』、『ザ・マジックアワー』などの有名作品に登場しているが、いずれもレトロな雰囲気のシーンが多い映画だが、そのニーズに応えるだけの街の魅力があるという事だろう。この「おっぱいバレー」でも、かつて西鉄の市電が走っていた時代を再現していたがこれは今も市内を走る「筑豊電鉄」を使っているが、福岡市でもかつては市電が走っていたので、懐かしかった。こんな風景を撮影出来るのが北九州の魅力。それを積極的に利用し映画やドラマに協力している北九州フィルムコミッションの活動の素晴らしさもこの映画で知る事が出来る。
それにしてもふと思った。昔の先生と生徒の関係というのは今よりオープンだったかなあと。この映画ではさりげなくそんなシーンが出ていた。”おっぱい”なんて言葉を乱発しながらも先生と生徒の関係がいやらしくなる事も無く、普通に抱き合って(まあ生徒たちはそれも”想定内”みたいだったけど)喜びを分かち合う。僕たちの時代はそんなおおらかな時代だったかなあとふと思った。
意外にも熱くなってしまう映画だ。
育夫(木村遼希)達、戸畑三中の男子バレー部5人は、バレーの練習もせずに、毎日考える事は女性の裸の事ばかり。特に”おっぱい”には異常な執念を燃やしている。そんな彼らの中学に新任の国語教師美香子(綾瀬はるか)が赴任してくる。いきなり挨拶で”どうてい”(童貞ではなく道程)などと育夫達思春期の男子中学生のスケベ心を刺激しまくる美香子。そんな彼女はふとしたきっかけから男子バレー部の顧問に就任してしまう。スケベ心丸出しの男子バレー部員達が待ちかまえているとも知らずに、意気揚々と部室に乗り込む美香子。しかし、彼らの”バカ”ぶりに巻き込まれてしまった美香子は何故か、「バレーの試合で勝ったら先生のおっぱいを見せてください!」という約束をさせられてしまう。
教師として、何とか彼らにやる気を出してもらいたいが、”おっぱい”は見せたくない・・・そんな複雑な美香子の気持ちを知って知らずか(いや知らない・・・)男子バレー部は唯一バレー経験のある新入生城(橘義尋)を交えて何とか6人揃えて美香子の”おっぱい”への執念だけ?!で練習に励む。
いよいよバレー大会が行われる。ところが第1試合は何と相手チームが棄権の為不戦勝。勝ちには違いないと早速美香子に”おっぱい”の約束を迫るが、何とかそこはなだめすかして、本当の勝利を得るために頑張る事を誓う。ところがその第2回戦の相手は強豪チーム。果たして彼らは試合に勝つことが出来るのか?いや美香子の”おっぱい”を見る事は出来るのか?そんな時に学校にこの”禁断”の約束の事がばれてしまい・・・
実は最近、自分だけの事だが
「綾瀬はるかの映画にハズレ無し」
というジンクス?が存在する。昨年から「ザ・マジックアワー」、「ICHI」、「ハッピーフライト」など彼女の魅力満載の映画が自分の中でヒットしているからだ。そもそも彼女とのスクリーンでの出会いは「Jam Films」の中の1編で妻夫木聡のコミカルな演技が光った「JUSTICE」の中で結構色っぽい女子高生役で出ていて、その時から色っぽさとコミカルさの混じり合った何とも言えない雰囲気が印象的だった。そんな彼女の魅力をもうこれでもか!ってくらいに満載なのがこの映画だ。
そしてもう一つの魅力がこの映画の時代設定と映画の中で流れる懐かしい曲達。時代設定が1979年。この時私は中学1年生。映画の男子バレー部の連中とほぼ同じ年代だ。その時代を代表するようなニューミュージックやポップの名曲がこれまたいい場面で目白押しだから、もうそれ聴くだけで涙ものだ。
ユーミンというか荒井由美の時の「ルージュの伝言」や「卒業写真」なんか聴くとそれだけで郷愁にそそられて泣きが入ってしまうし、ツイストの「燃えろいい女」なんか妙にいいシーンにかかって盛り上がってしまうし(あの恐い先輩が「おっぱいかあ・・・」は爆笑もの)、甲斐バンドの「HERO」なんて正に「ヒーローになる時、ア~ハ~ン、それはいま~」なんて歌詞はそのまんまこの映画の主題だし(ヒーローになる動機が不純でも・・・)シーンにぴったりのしかも懐かしい曲がガンガンかかってそれだけでウキウキだ。
それに何と言っても感動したのが、あのクライマックスでかかった永井龍雲「道標ない旅」だ!
必死に強豪チームに(”おっぱい”のため)立ち向かうバレー部員達の姿をスローで流しながら、この曲の歌詞が流れる・・・もうこれは卑怯とかし言いようがないくらいにはまる!この曲を初めて聴いた時に正にこんなシーンで流したかったと思った事を思い出した。それと思わずこれ見て「金八先生」を思い出した人はきっと僕と同じ青春を過ごした人に違いない!
青春を旅する若者よ 君があるけば そこに必ず 道はできる
最初に美香子が高村光太郎の「道程」が好きだと話して(男子生徒は変な方向に反応したけど・・・)、この詩の言葉がこの映画のモチーフになっていた。そしてクライマックスでこの「道標ない旅」の歌詞。
僕らの青春時代も、もちろん今の若い連中もそうだと思うが、いつも茫漠として掴めない未来があって、それに向かってあがく事しか出来なかった。多分大人からみればバカみたいな事でも、一生懸命に何かをしようとしてきた。でもそうして自分の足跡を残していって、ある時ふと振り返ってみればそこには何物にも代え難い素晴らしい想い出がある。それが人生を生きていく糧になっていく。それが青春を生きる若者が残す”道”なのだ。
この映画、タイトルもふざけていれば、ストーリーもコメディで何より男子バレー部の連中のバカっぷりには呆れるばかり。でもでも、実は一本筋の通った見事な青春映画になっていた。不覚にもクライマックスの「道標ない旅」を聞きながら涙がほおを伝う自分がいた。完全にツボってしまった自分に思わず苦笑いだ。でもいいなあこの映画・・・
最後にもう一つの魅力は北九州の風景だ。北九州のフィルム・コミッションは実に素晴らしい活動をしていると思う。北九州を舞台にした映画が最近多い。福岡市と共に政令指定都市であり、大きな製鉄所がある事で有名だが、一方で自然が豊かで炭坑の街の風景や古い街並みも残す風情たっぷりの街なのだ。『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』、『ザ・マジックアワー』などの有名作品に登場しているが、いずれもレトロな雰囲気のシーンが多い映画だが、そのニーズに応えるだけの街の魅力があるという事だろう。この「おっぱいバレー」でも、かつて西鉄の市電が走っていた時代を再現していたがこれは今も市内を走る「筑豊電鉄」を使っているが、福岡市でもかつては市電が走っていたので、懐かしかった。こんな風景を撮影出来るのが北九州の魅力。それを積極的に利用し映画やドラマに協力している北九州フィルムコミッションの活動の素晴らしさもこの映画で知る事が出来る。
それにしてもふと思った。昔の先生と生徒の関係というのは今よりオープンだったかなあと。この映画ではさりげなくそんなシーンが出ていた。”おっぱい”なんて言葉を乱発しながらも先生と生徒の関係がいやらしくなる事も無く、普通に抱き合って(まあ生徒たちはそれも”想定内”みたいだったけど)喜びを分かち合う。僕たちの時代はそんなおおらかな時代だったかなあとふと思った。
意外にも熱くなってしまう映画だ。
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