カオスの世紀

カオスとは「混沌」、そしてこの21世紀に生きる自分の混沌とした日常を気ままに書き綴っていきます。

スポーツを取り巻く厳しい環境

2008-12-26 | スポーツ
オンワード・オークスと言えば、社会人アメリカンフットボールでは昔から活動している強豪として今期もXリーグで所属して、イーストリーグで1位となり、ファイナル6に出場しました。ファイナル6では優勝したパナソニック電工インパルスに負けましたが、未だに強豪として活躍しているチームです。

そのオンワード・オークスが支援企業であるオンワード・ホールディングスの支援打ち切りの発表を受けて活動を停止すると発表されました。オンワード・オークスは元々は実業団チームでしたが、一時期同じく支援企業となったすかいらーくのチームと合併して「オンワード・スカイラークス」としてクラブチームとして活動をしてきました。その頃には元横綱の花田勝氏も所属した事があります。
クラブチームですから、他に支援企業があれば存続も可能だとは思いますが、実業団時代から支援してきたオンワードの支援が途切れる事でやはり活動停止という厳しい決断になったと思います。

Xリーグには今年優勝したパナソニック電工インパルスのような原則として選手が企業の社員である実業団チームと企業から支援を受ける形で集まっているクラブチームが混在しています。特にアサヒビール・シルバースターは昔からクラブチームとして活動してきた強豪として有名な選手を多く輩出しているチームです。ここもアサヒビールがある時期から支援するようになりました。

こうした社会人チームは支援する企業の存在がやはり大きいです。アメリカンフットボールというスポーツはかなりお金のかかるスポーツです。防具やボール、いろんな練習機器そして競技場も比較的大きな競技場が必要ですが、専用のグラウンドはまだ少ないのが現状です。私はちょうどバブルの頃にアメフットのブームがあった時に東京にいました。その頃に確かオンワード・オークスはライスボウルで優勝したと思います。アメリカのメジャースポーツで防具を着て、派手な演出やチアリーダーの存在など、ある意味エンターテイメント性のあるスポーツですから、その頃は企業イメージの向上という観点からも積極的に参入する企業がありました。NFLではジョー・モンタナ、日本では京大の活躍とQB東海選手というアメフトファン以外からも注目された時期でもありました。

その後のバブル崩壊後にやはり休部や企業支援を受けられない状況が出てきたチームがありました。銀行は軒並み撤退して、オンワードと同じ強豪だったレナウンも解散しました。経営再建中の日産もです。それでも今Xリーグに在籍しているチームはクラブチームになって支援を受けるいろんな努力をしながら存続しているチームが多いのも事実です。

最近ではアメフトに限らずスポーツ全体で厳しい経済状況の波を受けて厳しい状況に追い込まれるチームが増えてきています。オンワードと共に大きく報道されていたアイスホッケーの名門、西武も廃部が決定しました。今年も上位の成績を残しているので、実績を残しているチームでも容赦なく廃部に追い込まれるという厳しい現実を突きつけられた感じがします。

来年はもっと世界的同時不況の波が企業を覆い尽くすと考えられています。このためにこのように企業のサポートを受けるスポーツの環境の厳しさも増してくるでしょう。でもスポーツを楽しめる環境があるというのは国にとってもとても大事な事だと思います。厳しい環境の中でスポーツや芸術などで活動停止が続けば、その国の文化が大きく後退する事になると思います。

先日、バスケットボールbjリーグのライジング福岡の試合を見に行った時に、チーム運営について後輩にいろいろ聞く事が出来ました。他のプロスポーツに比べれば資金的な参入のハードルは比較的低いのですが、それでもプロのチームを維持するには協賛する企業や個人の存在は欠かせません。ライジング福岡は球団代表の山本華世さんがメディアで紹介する機会もあり、また草の根的に試合開催される地域で地元情報誌で紹介してもらったり、先日久留米で開催された時もいろんなところで宣伝されていた効果もあって、連日満員の観客でした。こうした活動を目にすると、そうした厳しい環境でもチームを支える力を生み出すヒントがあるように思います。

学生スポーツにも同じ事が言えます。先日、うちのアメフトOB会の幹部をやっている同期に聞いたんですが、現在は連盟に支払うお金もとんでもない額になっています。私は学生時代は連盟をやっていましたが、基本的には学生が会費を負担する程度で運営していたと思いますが、それでも結構きついものがありましたが、現在の学生はその比ではありません。試合会場も我々の頃は大学のグランドなどでやっていましたが、今は芝の公営の競技場で行う為に使用料も高いと思います。それにリーグでも優勝争いをするにはいろんな装備品などを揃えないといけません。恐らくコーチ陣は手弁当で指導していると思います。
現在、OB会費を納入してそれを学生に寄付する形を取るようになって来ました。それなりに九州では歴史のある常に1部に居るうちのチームのOBでもそう言った現状です。私も最近になってそう言う現状を聞いて会費を納入するようにしていますが、OBとしてもっと直接的に現役を支えるいろんな仕組みは必要だなと感じています。気づいてみたら自分の大学が2部に落ちていたとか、チームそのものが無くなったなどという事はOBとしてこんなに悲劇的な事はありませんし、実際にそうなってしまった学生スポーツのチームの事例は多いと思います。OBとして現役の試合結果を現役だけの問題にせずに悪い結果が出ればOB全体も反省し、いい結果が出ればOBとして一層の援助を惜しまない、そう言う姿勢を持ったプライドあるOB組織を持ったチームこそが強いと思います。学生アメフトで言えば関西の強豪校などはそんなプライドをひしひし感じます。

たかがスポーツ、されどスポーツです。自分の心のよりどころを無くすほど寂しい事は無いんではないでしょうか?そのためにも支える存在は大きいという事を思う今日この頃です。

最新の画像もっと見る