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きっと芽がでるせんべい

2011-10-03 01:04:16 | 桃鉄グルメ

桃鉄の物件紹介、その16。

今回は釜石の『赤字せんべい』

 

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リアス式海岸沿いにある物件駅、釜石。

周辺がループしまくっているので、行きやすい場所にある。

上のカード売り場が宮古、下のカード売り場は大船渡と陸前高田。

 

Photo_2

500万円という安さが妥当なんだろうが、ちょっと悲しい。

 

岩手県釜石市。

県南部に位置し、古くから製鉄で栄えた都市で、

日本における近代製鉄業の発祥の地。

またリアス式海岸の三陸漁場のひとつでもある。

 

その釜石市を含んで、岩手県の三陸沖沿岸を縦に走る鉄道がある。

三陸鉄道(通称:三鉄)という、第三セクター運営のローカル線。

宮古~久慈間を結ぶ北リアス線と、盛~釜石間を結ぶ南リアス線とに別れ、

二つの路線を運営し、沿線住民(特に学生)の大切な足となっている。

 

だが、自動車の普及と沿線の過疎化によって、近年は赤字経営が続いている。

そこで、なんとか黒字経営に転向させようと、あの手この手と考えているようで、

オリジナルの萌えキャラ を生みだし、そのキャラクターグッズの売上などで、

いくらかの増収はあったようだが、それでも焼け石に水状態。

 

物品販売にも力を入れ、そのなかで売り出された商品のひとつが、

この“赤字せんべい”である。

 

Photo

画像拝借。

せんべいとクッキーの詰め合わせだったらしい。

 

「赤字を食べてなくす!」そんな思いを込めて、商品をアピール。

賛同した鉄道ファンや、おもしろさに惹かれたひとが買い求め、

また、意外にもけっこう美味しいとのことで、たちまち人気商品に。

地元メディアや岩手の観光ガイドブックなどにも紹介され、

全国から通販で取り寄せされるほどになっていた。

そして桃鉄にも物件として取り上げられた。

 

そんな赤字せんべい、自分も興味を持って食べてみたいと思った。

釜石駅や盛駅で購入できるようだが、そこまで行くことはできない。

そこで取り寄せることにした。

三陸鉄道のサイトにオンラインショップが設けられ、

そこで購入できるとのことで、さっそくアクセスしてみた。

 

 

赤字せんべいは見当たらなかった・・・・。

理由はすぐに解った。

 

今年の3月11日に、東日本を襲った大地震。

そしてこの三陸沿岸は、津波により甚大な被害を被った。

三陸鉄道も、電車車輌や駅舎・路線そのものが流出・倒壊し、壊滅的な打撃を受けた。

 

現在、一部区間で運行を再開しているものの、全線復旧はまったくメドが立っていない。

それどころか、慢性的な赤字経営にも関わらず、全線復旧にかかる費用が200億円ともいわれ、

津波被害による沿線住民の大幅減少によって、利用者激減も明確、

三陸鉄道単独で自力復旧できる見込みは到底ない。

地元の経済識者からは、「廃線にすべき」とのシビアな声も挙がっているほど・・・。

 

震災以前も、おそらくそういった意見を浴びながら経営してきたのだろうが、

こんな状況下に置かれても、へこたれることなく、「必ず復活してみせる!」

そんな強い意志のもと、赤字せんべいに代わる、新しい商品が発売された。

 

その名も、“きっと芽がでるせんべい”

 

 

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6種×2袋ずつで、計12袋入り。

そこそこの量あって、そんなに割高には感じられない。

 

“芽がでる”にちなんで、発芽玄米を原料としたぽんせんの詰め合わせ。

三陸産の昆布も入っている。

箱を開けると、三陸鉄道 社長写真入りの挨拶文の紙切れ。

「三陸鉄道は必ず復活します。ご協力ありがとうございます。」

このせんべいの売上が、三鉄復活の足しになるのだろう。

 

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手前から時計回りに、黒糖味,おむすび,えび味,きっと芽がでる(小辛)。 

 

2,000円したが、土産菓子だと考えれば、それほど高い商品だと感じられない。

被災地の特定団体へ寄付としたと考えれば、どうということのない価格。

なにより、意外にも美味しかった。

 

甘い黒糖味ぽんせんが、一番美味しかった。

おむすびぽんせん(マスダヤのじゃない)もなかなかだったし、

メインのきっと芽がでるせんべいも、食べ出したら止まらない。

ただ、中辛でもヒーヒーいうくらいのレベルで、大辛になると汗だくになる辛さ。

えび味ぽんせんは、フツーだった。

“えび”といいながら、なぜか魚(鯛かな?)の形をしていたのも謎だが。

(ひょっとしてエビでタイを釣るってことか!?)

 

製品の性質上、湿気に極端に弱そうなので、短期間で食べきった。

また食べたくなって、サイトをのぞいてみると・・・。

注文殺到により生産が追いつかなくなり、一時的に販売を休止しているようだ。

 

全面復旧には まだまだ時間がかかるだろうが、がんばって欲しい。

 

 

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きっと芽がでるせんべいに描かれている、リスのキャラクター。

なんか無機質な顔がすごく怖いんですけど・・・。

 

 

 

 

 

 

※  三鉄のキャラクターは、“久慈ありす”,“釜石まな” という、

   それぞれ運転士と駅員のキャラクター二人。

   この萌えキャラ、どうやら全国のローカル鉄道で展開されているようで、

   いろんな鉄道会社のキャラクターが居る。

   広島電鉄(広島市内を走る路面電車)のキャラが、“鷹野みゆき”っていう、

   その名前の由来が判って思わずニヤリとしてしまった。 

   “猿侯いなり”とかならなくて良かった。(広島のひとにしか解らないネタ)

 

 

 


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