よろず戯言

テーマのない冗長ブログです。

長崎ペンギン水族館

2015-08-07 20:25:22 | 旅行・まち歩き

 
5月下旬、長崎に行くことがあって、

その際、息子と一緒に長崎ペンギン水族館に立ち寄った。

ここは6・7年前くらいにも、まだ小さい子どもを連れてきたことがあった。

今回来るのは二度目。

 
 

駐車場に設置されていた看板に居るペンギン達。

なんかパロディウスとかに登場しそうなデザインだ。

 
ペンギンの展示に特化した小規模な水族館。

世界に18種棲息するペンギンのうち、その半数の9種が飼育されている。

ペンギンの飼育技術や繁殖ノウハウは世界でもトップクラスらしく、

キングペンギンの世界最長飼育記録を持ち、三代繁殖も日本初成功したという。

一応他の魚や生き物も展示されてはいるが、他の水族館と比べると実にささやかな規模。

ラッコもオットセイもイルカもシャチもジンベエザメも居ない。

まあ、ここへ来るのに、お魚を観たくて来るひとは居ないと思うが。

 
 

オモダカの群生とシオカラトンボ

 

駐車場から水族館までの数百メートルの距離はビオトープが設置されている。

長崎の里山をイメージしているらしく、雑木林と小川と池が遊歩道の脇に続く。

ここで自然の動植物を観察することができる。

スイレンやオモダカの群生が美しかった。

アメンボやトンボもたくさん居て、アカテガニかな?カニもうろちょろしていた。

あと、でかいカメがひなたぼっこしていた。

子どもはこれだけでも興奮する。

 

おいしそう・・・。

ペンギンだけでなく、ヒトもイワシさんを食させてもらっています。

 

ビオトープゾーンを過ぎると、海の見える海岸沿いに出る。

そこに大きな建物、長崎ペンギン水族館だ。

さっそく入場券を購入して入る。

大人510円,子ども300円!

JAF会員優待で、さらに安くなり、450円,270円に!

水族館て大体、大人で1,500円くらいするだろ?

「安っ!!」窓口で思わず叫ぶ。

「ありがとうございます・・。」

窓口のおネエちゃん、笑顔で反応してくれる。

 
 

 

入っていきなり目に入って来るのが、円筒形の巨大水槽。

そこにカタクチワシの群泳。

自然界において、ペンギンたちの主食の小魚。

海の食物連鎖を支える貴重な存在として、

ペンギンよりも何よりも先に、このイワシの群れが展示されているようだ。

 

 

そしてその先には、巨大な水槽・・というかプール。

殺風景なベアタンク※1の水槽、ペンギン達が気泡をまきちらしながら猛スピードに泳ぐ。

水面に近い部分では、ゆったりと漂うように泳ぐ姿も観察できる。

地上ではよちよち歩きで、コミカルなペンギンも、

海中では空を飛ぶ鳥のごとく、素早く精悍に見える。

それを間近で観察できるよう、二階建てのペンギンのプールの一階部分を水槽のように仕立てて、

そのまま入場してすぐの場所で鑑賞できるような構造になっている。

 
 

やけに人懐っこいペンギンたち。

まだまだ怖いもの知らずのヒナかしら?

 

ペンギンのこのプールがメイン。

二階へ上がると、水槽と一体となっているプールは一部分のみで、

全体はけっこう広く、いろんなペンギンがのんびりと鑑賞できる。

なかにはガラス越しではなく、柵だけで、すぐそばで鑑賞できるようになっているものもあり、

間近でペンギン達の鳴き声が聞け、毛づくろいや散歩など、愛らしい姿を鑑賞できる。

 

抱卵中だろうか?イワトビペンギンのつがいが居た。

 

換羽中のフンボルトペンギンのヒナ。

 

もしかして交尾?

公衆の面前で!?

 

 

じっと眺めていて飽きない。

無数のペンギン達が、それぞれ個性豊かに気ままに動く。

まだ会館して間もなかったので、飼育員が作業したりしていたのだが、

その後ろをヨチヨチ着いて歩くさまなんか、たまらなくかわいい。

 
自分は生き物が好きで、子どもの頃からアリの行列をずっと眺めていたり、

飼っていたカブトムシやクワガタをずっと眺めていたりしたし、

大人になってからも、部屋の鑑賞魚の水槽をじっと眺めていたり、

動物園で猿山を何時間も眺めていたこともあった。

このペンギンたちも、何時間見ていても飽きないかもしれない。

 


 

 

 

 

このメインのペンギンプールだけで、じゅうぶんなのだが、

周りには、きちんと他の魚なんかも展示されている。

長崎近海の魚が泳ぐ、巨大水槽では、

地元の漁師たちから譲り受けた、魚が悠々と泳ぐ。

タイやスズキにウツボにイヌザメ。

デカいウツボが二匹、寄り添っているのが面白かった。

あと高級魚のクエ!

長崎というか九州じゃ、“アラ”って呼ぶんだっけな。

 

ムツゴロウさん。

ライオンにチューする人じゃないぞ。

 

長崎ということで、日本最大級の干潟、有明海を有している。

そのため、干潟の生物も展示。

トビハゼやカニ,ヤドカリが居たが、やはり主役はムツゴロウ!

愛嬌のある顔がたまらない。

子どもの頃、じいちゃんに連れられて、有明海によくアゲマキ※1取りに行った。

そのとき、貝取りそっちのけで、このムツゴロウと戯れていた。

たまに凶暴なワラスボ※2が現れて、噛みつかれたりして泣いていたっけ。

そんな有明海のガタ浜も、政府の干拓事業によって、今は田畑になってしまったけどな・・・。 

 

愛らしい顔のメコンオオナマズ。

 

ペンギン以外の展示生体で、目玉となるのが、この巨大な魚。

メコン河にだけ生息するという世界最大級の淡水魚、メコンオオナマズ。

日本では長崎ペンギン水族館を含め、二か所でしか飼育されていない珍しい魚。

生態は不明な点が多く、絶滅危惧種にも指定されている。

現地では神聖な魚としてあがめられているにも関わらず、食用として乱獲されているという。

生態とともに、ここら辺も謎な魚。

このメコンオオナマズが、ペンギンプール脇の巨大水槽で、ゆったりと泳いでいる。

その図体とは裏腹に、なんとも愛らしい顔をしている。

 

左側は世界最長飼育記録の、キングペンギンのぎん吉の剥製。

右側は日本初の飼育ペンギンでの三代目誕生となったキングペンギンのぺぺの剥製。

ぺぺって・・・。

 

ペンギンの骨格標本。

退化した翼も骨格だと確認できる。

クジラも骨格だと指の骨があるんだよな。

 

またペンギンに関する、資料や展示物がびっしりとある。

骨格標本から、剥製、各種の大きさを比較したパネル。

また野生のペンギンの死骸の胃袋から出てきた異物なども。

人の手の及ばないと思われる極圏でも、自然環境の悪化が深刻なのが判る。

面白いのが、骨の重さ。

通常の鳥の骨の重さを示すサンプルと、ペンギンのそれとを比較体験できる。

軽い通常の鳥に比べ、ペンギンのはずしりと重い。

空を飛ぶために軽量化がはかられ、通常の鳥の骨が軽いのに対し、

ペンギンのそれは密度も高くて重いらしい。

 

 

 

しばらくするとアナウンスが流れる。

“ふれあいペンギンビーチ”なる催しものがスタートするとのこと。

館内のプールから、十数羽のフンボルトペンギンたちが、

飼育員に誘導されながら、隣接する砂浜まで、ヨチヨチ行進するのだ。

柵も水槽のガラスもなく、本当に間近でペンギンを見ることができる。

 

砂浜にたどり着くと、そこでおとなしく整列(してるわけじゃないんだろうが・・・)する、おりこうさんなペンギン達。

この間、触ることはNGらしいが、そばに来て写真撮影が可能。

子ども連れの方や若いカップルが、ここぞとばかりにカメラを持って集まる。

人がそばに来ても、ビビることなく愛嬌をふりまいてくれるフンボルトペンギン。

 
 

 

撮影がひととおり終わると、今度は海に向かって、誘導されるペンギンたち。

そのまま、タタタタッッ・・と、一羽残らず、海へと泳ぎ出す。

自然の海で、のびのびと過ごすペンギンを観察できるのだ。

隣接する砂浜と海は、きちんとネットで覆われていて外海とは遮断されているが、

人工のプールや水槽でない、天然の海と砂浜でペンギンを間近で観察できるので、

ありのままの姿を観察できるといっても過言ではないのかもしれない。

 
ちなみに、冬季はキングペンギンでのパレードが行われるらしい。

だがキングペンギンは暑さが苦手なため冬季のみの開催で、

夏場はこのフンボルトペンギンでの、ふれあいビーチになるようだ。

ただ赤潮の発生とかで中止になる日もあるようだ。

長崎市の湾部だから仕方ないよな。

 

本物の海で気持ち良さそうに泳ぐ、フンボルトペンギン。

 
最後にショップで、グッズを買って水族館を後にする。

ふれあいビーチは広くて、休憩するような場所もたくさんあるので、

売店で飲み物やアイスクリームを買って、ここでのんびり過ごすのもありかも。

ペンギンメインで、小規模な水族館だけど、これはこれで じゅうぶんだ。

なによりペンギン好きには、たまらないだろう。

カヤック体験だとか、いろんなイベントもやっているようなので、また息子を連れて行ってみたい。

 

 

 

 

 

 

 

入場券はランダムでペンギンの写真入り。

 

前に来たときに買った、質感のリアルなキングペンギンの模型。

今回もこれのシリーズの他の種を買おうと思っていたら、廃版になっているようで、見つけられなかった・・・。

 

代わりにメインで販売されていた、ちょいリアルなぬいぐるみシリーズ。

仕方がないので、このシリーズのなかから、フンボルトペンギンをチョイス。

 
 

※1 ベアタンク:底に砂や石を敷いていない、アクセサリーが施されていない水槽のこと。

※2 アゲマキ:有明海の干潟で採れる長方形の平たい二枚貝。超美味。

※3 ワラスボ:有明海に生息しているハゼ科の魚。

   長崎では“ドウキン”と呼ばれる。佐賀県ではワラスボを使った郷土料理がある。

   その醜悪な姿から、“海のエイリアン”と呼ばれる。

 


 



コメントを投稿