晩秋の野山、紅葉の木々の下を見ると、
鮮やかな黄色い花の群生を見かけることがある。
日本庭園にもよく使われる、ツワブキ“Farfugium Japonicum” だ。
ツワブキ
福岡県直方市ふくち山麓はな公園にて
フキ(蕗)のような形状の光沢のある葉っぱが茂り、
その中央からひょろっと茎が伸び、10月頃から鮮やかな黄色の花を咲かせる。
花は菊の花そのもので、花びらが細長いものや丸みを帯びたものなど、若干の個体差がある。
園芸用の改良品種には、八重咲きのものもある。
花が終わるとタンポポのように綿毛の付いたタネができる。
木の根元に植えられているのをよく見かける。
土手や崖などでよく見られる群生。
黄色の花と鮮やかな緑の葉のコントラストも美しい。
葉は丈が伸びず、常緑でよく茂る。
よく岩のすき間や木の根元に群生し、ツワブキの漢字表記(石蕗)は、
石のすき間に生える蕗(ふき)ということで当て字されている。
ツワブキの呼び名は、「(葉に)ツヤのある蕗」ということで名付けられている。
葉はその名のとおり、光沢を帯びて鮮やかな緑色をしているが、
園芸品種には、斑入りのものもあり、愛好家に人気がある。
ツワブキの花。
菊の花そのもの。
ツワブキの葉。
光沢があって美しい。
形状はフキそのもの。
若い葉や葉柄(葉っぱの茎)は、食用となり、
フキの葉柄を甘辛く煮た佃煮のような郷土料理で、“きゃらぶき”というのがあるが、
本来は、フキではなく、このツワブキで作られた佃煮のことを指すのだとか。
個人的にフキの煮物は好きだけど、きゃらぶきは苦手だな。
岩の間から生えるツワブキ
ふくち山麓はな公園にて
この時期、野山や自然公園などを散策すれば、たいてい目にすることができる。
上を見れば鮮やかなな紅葉が広がり、その落ち葉が舞い散る下には、
これまた鮮やかな黄色い花を付けた、ツワブキの群生が見られることも。
遠くからこの光景を見ると、このコントラストがとても美しく、
寒々とした真冬の訪れの直前の刹那に、野山の今季最後の盛りを感じる。
ツワブキの花が終わる頃、霜が降りはじめ冬もいよいよ本格化する。
花はマーガレットに似ているか。
夕陽で照らされていて見にくいが、ツワブキの群生。
大分県中津市耶馬渓古羅漢探勝道にて。
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