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高住神社

2015-08-15 01:01:39 | 旅行・まち歩き

先日の休みに、福岡県添田町(そえだまち)にある高住神社へ行ってきた。

日本三大修験山、霊山 英彦山(ひこさん)の中腹にある神社。

その歴史は1,500年以上と古く、藤原恒雄という人物が建立したとある。

藤原といえば、藤原鎌足とか藤原道長とか、あの辺の一族のひとりかと思ったが、

藤原恒雄という人物、どうやら単なる猟師のようだ。

神話のような逸話で神社の建立エピソードが生まれたているようだ。

そのぶん、歴史が古いってことだろう。

 

石の階段を200mほど進むと神社の建物がある。

 
この高住神社、実は祀神として、天狗が祀られている。

天狗のなかでも かなり格上の九州の天狗の総元締、

豊前坊(ぶぜんぼう)と呼ばれる大天狗を祀っている。

人々にいたずらする下っ端天狗や粗暴なカラス天狗とは異なり、

私腹を肥やす者や欲深い者には災いをもたらすが、

山で迷ったひとを助けたり、信仰の厚い人々には幸福をもたらしたりしたという、

神格化されている偉大な天狗さまだ。

 

苔むした石段。

雨の日は滑りそうだ。

 

県道52号線を通り、大任町から添田町へと入る。

途中で国道500号線に移り、英彦山方面へと車を走らせる。

スロープカー乗り場を過ぎ、英彦山神宮を過ぎ、どんどん山を登っていく。

道幅の狭い連続カーブの続く、うっそうとした峠道だ。

以前ススキの群生を見に行ったキャンプ場近くの丘や、

県営の大規模な研修施設、"英彦山青年の家"を過ぎて間もなく、

ちょっと道路が広くなって開けた場所に駐車場とプレハブ小屋、自販機が見えた。

ハイキング客だか、シニア中心の人もちらほら。

ここが目的地、豊前坊・高住神社だ。

 

手水舎。

山奥の天然の湧水というか小川の水がとめどなく注がれていた。

 

この日、平野部はうだる暑さで、熱中症への警戒も呼びかけられていた。

だが、標高が高い山のなか、さらに高い木々で直射日光も遮られ、ここは ひんやり涼しくて心地いい。

シニアの団体があちこちで、イーゼルを立てて写生していた。

道路のすぐ横に立てられていた、一の鳥居をくぐり、苔むした古びた石段を登っていく。

 

山の斜面は、ゴツゴツした天然岩が無造作に積み重なって形成されている。

この山の険しさが修験場として根付いた所以か?

 
150~200mほど登ったろうか、神社の建物が見えてくる。

ふと山肌をみると、ゴツゴツとした天然岩が無造作に積み重なっているのが判る。

こんな地形じゃ、登山にもハイキングにも向かない。

この険しさが、修験場ならではなのかもしれない。

昔の修験者(山伏)は、今のように登山道や鎖場が整備されていないこの山で、

過酷な修行を積んでいたのだろう。

 
 

 

天狗杉の表面。

苔むしていて素敵だ。

 
神社の手前、その脇にドでかい杉の木がたたずんでいた。

この木は樹齢900年ほどの"天狗杉"と呼ばれている巨大な御神木だ。

しめ縄がかけられ、荘厳な雰囲気を醸し出していた。

周囲にあるどの木よりも、ひときわ大きくて目立つ。

英彦山周辺は、このように樹齢の高い大木がたくさんある。

東峰村の行者杉なんかも、とてつもない巨木で圧倒される。

 

 
 

年季の入った狛犬。

アズランとかにありそう。

 

 
ようやっと神社へ辿り着いた。

豊前坊 高住神社。

豊前坊と呼ばれる、大天狗を祀った歴史の古い神社だ。

社殿自体はそれほど古さが感じられない。

ここ近年(といっても昭和半ばとかそれくらい)に建て替えられたか?

狛犬はえらく年季が入っていた。

 
 

内部は四方八方、天狗のお面だらけ。

 

手水舎で清めて参拝を済ませ、神社のなかを散策する。

内部は古い木造で、うす暗いせいもあって、なんだかおどろおどろしい雰囲気。

壁や鴨居や柱などに、たくさんの大小の天狗のお面。

あちこちから寄贈されたのか、天狗の顔など、その作りに統一感がない。

ただ、こんだけ四方八方から睨みきかされたら、なんだかよこしまな考えは抱けなくなる。

・・・そう思いつつも、あそこにある鼻が立派な奴、吉沢明歩のに出てたのに似てるなあ・・・

・・とか、しょうもないことを考えてしまう。

ばち当たりだ。

 
 

 

それから天狗とは別に、なぜか牛がたくさん祀られていた。

自身の体の具合の悪い部分と同一箇所を撫でれば、それが良くなるとか。

具合の悪い部分か・・・撫でたいけれど、この牛さま股間は触れないですよ。

牛もまた、この高住神社に限らず、いろんな所で祀られている動物だ。

 

上の二体の牛さまがリアルなのに対し、こっちはなんとなくコミカル。

しかもやけに近代っぽいホルスタイン牛。

 

本殿に居た見たことのない昆虫。

鮮やかなメタリックグリーンに、これまた鮮やかなオレンジの縁取りがなされていた。

タマムシやカナブンの仲間?

 

神社にお参りし天狗様を拝見し、牛さまを拝見し神社を後にする。

山岳信仰の対象となっている英彦山。

そのなかにある、大天狗を祀る高住神社。

大自然のなかで、歴史あるものを訪ね歩くのもまた楽しい。

うだる暑さのなか、いい避暑にもなった。

 

英彦山は古くから天狗の伝承がある。

修験場として栄え、最盛期には山伏と呼ばれる修験者が数千人もいたとか。

天狗はなぜか山伏の格好をして描かれることが多い。

山への畏怖の念から生まれた空想上の生き物、天狗。

いたずらエピソードなどで、妖怪としても認識されている。

日本のメジャーな妖怪として、鬼や河童と共に日本各地のいろんな物語で登場する。

そんな天狗の言い伝えや伝説が残っている英彦山。

添田町のマスコットキャラクター(ゆるキャラ)も、山伏の格好だ。

人々の山伏への尊敬の念と、山への畏怖、天狗への信仰など、

いろんなものがダブって今の天狗の姿が形成されたのだろう。

 

英彦山はまだまだ見所がたくさんある。

添田は隣町なんだし、また機会を見つけて、色々と見て回ろう。

 

 
町の産品や看板など、あちこちでも天狗を見ることができる。

 
 

 

道の駅ひこさん観遊舎のでかい看板のてっぺんには、いかつい天狗が。

 

その道の駅で売られていたせんべい。

ありきたりな玉子せんべいの表面に天狗が描かれていた。

 

添田産というかJA田川の花卉の箱絵にも天狗が。

このトルコキキョウの生産者は新種開発もなさっている添田の有名な生産者のもの。

 

英彦山の民芸品、"英彦山がらがら”。

乳幼児の玩具、ガラガラみたく素朴な音の鳴る土鈴。

魔除けとして一家にひとつ。

鈴が天狗の顔をしたものも売られている。

 

2ちゃんねるなどでよく使われるAA。

原因不明の事象(神隠しや自然現象の音など)に対して、

昔のひとはなんでも天狗のせいにしたのをネタにしたもの。

なんで油すましなのかは解らない。

 

そのAAへの返しというか、それが貼られる前に現れる天狗のAA。

実況板でミステリードラマなんかで登場することが多かった。

 

Famicom ? 暴れん坊 天狗 Zombie Nation Japanese.Ver ? STAGE 1, 2

昔あったシューティングゲーム、"暴れん坊天狗"。

自機が天狗の頭という、意味不明な設定と世界観、そして理不尽な難易度。

実際プレイしたことなかったけれど、当時からクレイジーなシューティングとしてネタになっていた。

まあ超兄貴には負けるけどね。

 

さて、この時期恒例(でもないけれど)の、こういう幽霊・妖怪スポットの旅。

あれの予告です。

ただ・・・去年は予告だけしといて結局開催しなかった・・・。

今月末くらいに開催できたらいいなあと思っているけれど、来月にずれ込む可能性もあり。

実現すれば、8では初開催になるな。

近いうちに詳細を発表します。

というか参加者あるのかな・・・?

 



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