沖野孝頼の、X(旧ツイッター)代わりのブログ

こちらではX(旧Twitter)で投稿してきた時とほぼ同じ形式で記事を書きたいと思います。

オーディオの話:Zobelフィルタについて

2024年02月03日 19時08分00秒 | 自作スピーカ
Zobelフィルタとは、単純に次の回路図で示したものである。
あとは各々ネットで調べてください。

本日の、おテーマは、「Zobelフィルタは音質に影響しないのか???」です。

自室北側に設置しているAltec Lansing "409-8E"-[The Voice of the Theatre]-mini / Takayori Okino Original Version. 2022/10/22。


この周辺では、このシステムのほかに自作した3台程度のスピーカシステムを置いてつなぎ変えて楽しんでいたりする。つなぎ変えには次の写真のようなワニ口プラグを使っている。
これに、いわゆる「発振」を抑制する役割があるとされるZobelフィルタをパラで接続して(Zobelフィルタは本来すでにパワー・アンプに装着のはずなので本来は必要ないと思うが)、下の写真のようにして、
例えばAltec Lansing "409-8E"-[The Voice of the Theatre]-mini / Takayori Okino Original Version. 2022/10/22を鳴らしてみる。

さて音質は。

うん、やっぱり、ちょっと変わりますね〜

ここで改めて回路図を。
これ、パワー・アンプ(正確には出力段のトランジスタ)から出力される音声信号を、まず0.1μFのコンデンサで低域をカットオフして10Ωの負荷(抵抗=ヒータともいう)に通してグラウンド(GND)へ流す、単純にこれをやってるわけなんですが、計算上カットオフ周波数がおおよそ160kHzのようなんですよね......理屈では、こんなにカットオフ周波数が高ければ、せいぜい20kHzも実際は使わないオーディオの音声信号に影響せず音質が変わりそうもないようなイメージがするのですが、いや〜、やっぱり、変わるんですよね、わたしの駄耳でも、何度聞いても、それは明らかな事実でありんす。

具体的にどんな風に変わったかを文字にするのは困難なのですが、上記のように、原理としては周波数の高い音を10Ωのヒータで熱に変えて減衰させているわけですから(一般に「発振」は概ね100kHz以上で発生し、それを抑えている)、可聴帯域における高域には、やっぱりほんのわずかながら影響しそうなイメージもあり、そう、つまり、やはり高域がほんのわずかに小さくなっていっているのです、それがため、音がまろやかになった、ヴォーカル=人の声では「子音」が落ち着いた、そしてこの音質特性がAltec Lansing "409-8E"-[The Voice of the Theatre]-mini / Takayori Okino Original Version. 2022/10/22とはマッチしているようで、このシステム自体が、その健康的で壮麗な音にさらに磨きがかかった感じの音が出るようになったのである。

もちろん、キンキン系の音も落ち着き、弦などの楽器の音もリアリティさを増して、クラシック音楽を聴くには理想的な音質になったと感じる。

Altec Lansing "409-8E"-[The Voice of the Theatre]-mini / Takayori Okino Original Version. 2022/10/22で、Zobelフィルタのありなしそれぞれの設定で400Hz〜20kHzのサインスイープを流してそれを録音。

参考までに、マイクはSONY ECN-717、マイクアンプはaudio-technica AT-PMX5P。音質無調整。

録音した音声のスペクトラムを解析してみた。
GIFアニメで1.5秒程度で交互に表示させています。400Hz以下の低音は無視してご覧ください。Zobelフィルタがある場合とない場合とでは、全体的にはほぼほぼ色彩に差はありません(当然だよ!)が注目すべきは18kHz以上の帯域で、Zobelフィルタがあるほうが、ないほうに比べてわずかではあるが音量が低くなっていることがわかります。

次に同じようにしてピンクノイズを鳴らした場合のスペクトラム解析の結果を掲載する。

これもサインスイープと同じような結果となりました。

これだけ差が出てしまうと、耳のいい人はすぐにわかります、これほどほんのほんのわずかでも、かなり違って聞こえるのです。

ただ、わたしが自作したZobelフィルタはネット上の情報によるもので、10Ωの抵抗器に0.1μFのコンデンサという組み合わせは、発振対策としてかなり安全マージンを考えた設定のようで、或いはパワー・アンプ側にすでに内蔵されているZobelフィルタとの相乗効果でカットオフ周波数が想定より下がって音質に影響が出てしまっているのかもしれず、それを対策するにはコンデンサの容量をもっと小さくすると音質への影響を抑えられるだろう。

けど、実質的には、わたしはこの設定のZobelフィルタをつけてAltec Lansing "409-8E"-[The Voice of the Theatre]-mini / Takayori Okino Original Version. 2022/10/22が、理想的な鳴り方に変わったことを実感すると、いっそのことZobelフィルタをつけてよかったと思っているし、これからもつけたまま楽しみたいと思うし、Zobelフィルタは主としてパワー・アンプの発振を抑える安全対策のためのパーツである一方、設定次第ではこんな風にスピーカシステムの鳴り方をある程度コントロールできるものでもあり、一石二鳥なパーツでもあるのかなと思った。(カットオフ周波数を極端に下げない・数を増やさない、のどちらかあるいはその両方に気をつけるのであれば、このフィルタを追加すること自体に別段問題はない)

今回のわたしの例から、Zobelフィルタは設定次第では音質に影響してしまうことがある、というお話として、きょうはこのおテーマを書いておきました。

オシマイ

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