高塚人志~明日も笑顔でいるために~

「人と関わる教育の継続的実践で日本の子どもは救われる」
をテーマとした、高塚人志の日々の活動の記録をお伝えします。

授業の様子と畑の手伝い

2007-04-29 | Weblog
 鳥取大学医学部医学科に学ぶ1年次生は、
県庁所在地の鳥取市の湖山キャンパスで学んでいる。
ヒューマン・コミュニケーション授業も3回目。
90分1コマで2コマ授業が前期後期と30週続きます。
今回の授業の柱は、「思いやりを学ぶ」気づきの体験学習と
保育園に出かける準備のため、パートナーや保護者に向けて手紙を書いた。

授業後の感想を紹介する。
 ○今回の授業で、自分は次のことに欠けていることに気づいた。まず、言葉によるコミュニケーションに頼りすぎていて、相手の表情を読みとっていないということ。次に、相手を観察してその表情の変化に気づくこと。そして、自分さえよければというやましい感情があることだ。とても自分のことではあるものの、自分の自己中心的なところにはショックだった(男子学生)。

 ○いよいよ保育園児との交流準備が始まった。自分には弟や妹もいないので小さな子どもと関わるのは自分も小さかったころ以来だ。絵を描けといわれても小さな女の子が何が好きかなんかわからいのでどうしたらいいのかわからなかったが、自分の精一杯の気持ちを込めて書いたので、きって伝わるのではないかと思う。これから実際に会うまでの間に、もっと子どものことをわかりたいので、図書館の本を読むなどして理解してから会いたいと思う。本当にこの授業は、今まで経験したことがないことばかりで、戸惑うことがとても多い。この授業によって得ているものは、比べものにならないほど、多いと感じているので、一回一回の授業を大切に楽しみにして取り組んでいきたい(女子学生)

 ○久しぶりに小学校の時の担任の先生と電話で話していたら、最後に「人間味のある医師になってね」と言われた。今までの私なら何気なく通り過ぎてしまう言葉だったかもしれない。でも、ヒューマン・コミュニケーションの授業を受けている私にはすごく重みのある言葉に聞こえた(女子学生)。

 さて、今日は(29日の日曜)、
久しぶりに老いた両親とともに畑に出て
ナスやピーマンなどの野菜の苗を植えてきました。
水をやるためにバケツをもって
少し歩いて小川まで歩きます。
小川のそばには
弟の墓があります。
「兄ちゃん!がんばっているね」
「いつも兄ちゃん見ているよ」
と語りかけてくれているように思いました。

そうです。
弟が私のそばからいなくなって何年もなりますが、
いつも私の心の中には弟が生き続けています。

今日も、老いた両親と私が
畑で野菜の苗を植えるのを
じっと見守っていてくれたのだと思いました。

帰り道
ひっそりと道端に咲く
アザミの花を摘んできました。
これから絵手紙描きます。

明日は、今秋に発刊予定の
絵手紙の原稿書きです。

2007.4.29 pm17:00

聴くことの大切さ・死生観

2007-04-21 | Weblog
 医学科のヒューマン・コミュニケーション授業も
第2週目が終わりました。
 先週の医学科1年次生は、「聴くことの大切さ」を柱にした授業。
二人組になったり、四人組で「気づきの体験学習を」体験しました。


ある男子学生は、感想を下記のように綴っています。

 「今日の授業は、『聴く』ということに焦点をあてたおもしろい授業でした。オウム返しで繰り返すことがあれほど難しいとは思わなかったし、自分が相手に質問をして話を促すと言うことも、すべてはまず人の話を聴くことから始まるのだなと感じました。よく相手に質問をしてしまう僕には相手が困ったときだけ助け船を出すという聴き方はとても参考になりました。
 また、相手が気持ちよく話せるときというのは、どんな状況かを考えたとき、相手の話を聴く位置や、うなずき・相づちをうつことで同意などの表現をしたり、「もっとあなたの話を聴きたい」「あなたをもっと理解したい」という気持ちが身を乗り出すことで表されたり、相手の目をみることでいろんなことが伝わることがわかりました、さらに、言葉の裏にある相手の気持ちを感じることの大切さ、難しさを3人の母親の聴き方から感じました。相手の表情・しぐさなどを見て、相手に関心をもって、その相手の話を傾聴する。このサイクルが簡単なようで難しく当たり前のようで意識して行っていない、とても大切なことだと思いました。
 最後に患者さんの話を聴くということは、患者さんの病気を診させて頂くのではなく、「患者さんその人」を診させて頂くのだと思いました。その人の発する言葉を聴くのではなく、その人の発する言葉にある気持ち(その人の全身が訴えている気持ち)を感じ取ることが、人とのコミュニケーションで大切ではないかと思いました。
 今日学んだことを園児との交流や私生活にも生かしていきたい。この授業で学んだことを生かすも殺すも自分次第。せっかく授業を受講したので、得たものを生かさないと宝の持ち腐れです。毎回の驚き溢れる授業をできたらいろんな人に話してみたい(男子学生)。

次回は、相手を思いやるという「気づきの体験学習」を体験します。

医学科1年次生「ヒューマン・コミュニケーション1」授業スタート

2007-04-14 | Weblog
 桜が散り始めたと思っていたら
筍がニョキニョキ竹やぶから顔をのぞかせています。

近くの方から
旬の筍をいただき
我が家は筍ご飯を頂きました。

さて、
鳥取大学医学部医学科1年次生の
ヒューマン・コミュニケーション授業が
4月10日火曜よりスタートしました。

入学したばかりの医が塚1年次生75名が
授業が行われる大集会質に集まりました。
彼らは大学に入って初めての授業ということもあって
緊張の様子。
そんな私も彼らと同じで緊張で胸一杯。

挨拶に始まり、
シラバス説明、アンケートを終えて
一方通行のコミュニケーションから
「気づきの体験学習」をスタート。
この日のプログラムは、
究極の選択で二人組になって、
アイスビルド、私を知る、私のインタビュー、
思いこみ・先入観などの「気づきの体験学習」を行う。

受講者の学習記録から
感想の一部を少しご紹介します。

○初めてのヒューマン・コミュニケーション授業は、自分と向き合い自分を理解し相手とのコミュニケーションを図るという内容で、今まで自分自身とあまり向き合わず、自分について深く考えることがなかった僕にとって、とても新鮮で興味深く楽しい授業になった。正直に言うと大学で人とのコミュニケーションを学ぶとは思いませんでした。しかし、今日の授業を受けてその考えは変わりました。一から人とのコミュニケーションの取り方や相手を理解することについて学んでいこうと思いました(男子学生)。

○一番感じたことは、私は今まであまりにも自分をきちんと見つめたことがないことです。そして、先入観にとらわれたものの見方をすることが多々あることに気づいた。また、今までは、自ら他人を勝手に怖がり心を閉ざしてしまっていることが多々あったと気づき反省した。顔は私の想像以上に遙かにものをいうと気づいた。また、自分を大切にするということは、相手を理解し大切にすることだと気づいた。患者さんは、「心が串刺し」になったような気持ちで、病院にやってこられる。この話の時、私は、何もおかしくはないのに、周りにつられて笑った。先生から注意を受けたが、このような場合、医師としては、悪気があるわけでもない。ただの体裁で笑ったことが患者さんをひどく傷つける可能性が高いと反省した。本当にショックでこのままでは医師になれない。「本当に変わりたい」と感じた。自分が変わらないと何も変わらない。医療は患者さんが主体。医師は、患者さんに診させて頂くのだ。
今日の授業は本当に私にとって価値のある時間になりました(男子学生)。

○今日の授業では、はじめて話す人が多く、医学科のみんなとの距離が少し縮まったような気がしてうれしかった。今日の授業を通して、先入観というものは、わからないように潜んでいるものなのだということを実感した。何百回とみてきた一円玉の大きさを一番小さな単位、軽いというイメージから私たちの多くが一円玉を実物より小さく描いてしまう。医師と患者間のコミュニケーションは医療において非常に重要である。今日の授業で、私が相手に言葉以外の表情、しぐさなどで、多くを相手に伝えているのと同様に相手も言葉以外で、多くの情報を私に送っていることに気づいた。そんな情報をうまくキャッチすることから、コミュニケーションは始まっていくことに気づけてよかった(女子学生)。

○医学部に入学が決まったとき、友人から「カルテばかり診ている医者にならないでくれ。患者の目を見て対話できる医者になれ」と言われ、シャイな私は、とても大切な助言だと思い、友人の願いに応えるためにも、この授業ははじめから非常に有効であったし、これからも真剣に取り組んでいきたいと思った(男子学生)

○ヒューマン・コミュニケーションという授業が何をするのかいまいちわかっていなかったが、始まってみるとこれほど大学の授業一番目にふさわしい授業はないのではないかと感じた。自分は話すことが好きだということを改めて理解した。しかし、自分がしゃべる一方で相手のことをあまり気にかけない自分がいることにも気づかされた授業だった(男子学生)。

また、
先日は
徳島大学医学部
医学科と保健学科の1年次生の授業をしてきました。

「聴くことの大切さ」のコミュニケーション授業を受講した
徳島大学医学部医学科のある1年次生の
メッセージです。

○高校2年までは「人間関係」といったものに
あまり関心がなく、人付き合いも下手でした。
高校3年になり、医師を志すようになり、まず人間関係という
おおきな壁にぶち当たりました。
 
 浪人時、予備校で医学部を目指す人のコースに入って、自分の
無知さ・幼稚さに驚かされました。医師たるもの人間と向き合
わずには仕事などできない。むしろ医師でなくても生きていく
うえで人間関係というものは大きな役割を担っているのだとや
っと気づいたのは恥ずかしながら結構最近のことです。
 
 今までおろそかにしてきた人間関係というものをこれまで以上
に考え、大事にしていきたいと思った矢先、高塚先生に出会い
ました。今日授業を聞いていて、先生の論の一貫性・説得力、
そして何より心に響いてくる先生の講義には感動しました。
 
 こんなにも生徒を一瞬で変えることができるのか。
先生の魅力にはまっていく自分がそこにはいました。
今日の授業は教科書なんかじゃ学ぶことのできない、本当の意
味での『生きた授業』だと感じました。

 高校なんかじゃこんなことは学ばなかったし、こんな授業もありませんでした。自分と合わないだろうと第一印象できめていた自分がいかに浅はかだったかを改めて痛感しました。

 先生は「コミュニケーション能力はちゃんと身についていると
言う医学生がいる」と言っていましたが、僕はその真逆です。
医学科に入りただ漠然と人間関係を大事にしようと思っても
そのやり方や大事なこと、まったく思い浮かんできませんでした。

 今日の授業を聞いて態度や視線、位置。たったこれだけでも話
し手の気分が違うと実感できてよかったと思いました。もし今
日の高塚先生の授業を聞いてなかったらどこかで無意識のうち
に人を傷つけてしまっていたかもしれません。

 まだ1回しか講義をうけてはいないんですが、高塚先生に出会
えて本当によかったと思ってます。

4月14日土曜

春です。医療現場の新採用職員研修

2007-04-07 | Weblog
一昨日は、
横浜市立大学医学部付属病院の新採用職員研修の講師として
朝から飛行機や電車を乗り継いで横浜に。
午後から
研修医と看護師さん150名ほどと向き合い
夕方まで「聴くことの大切さ」を中心に
2時間半関わりをもたせて頂きました。

手応えはというと・・・あります。

やり遂げた充実感をもって
鳥取に向けて帰ろうと
電車に乗ろうと17:30頃
市大前で切符を購入したところ
先ほどの研修に参加していた研修医のお二人とお会いして意気投合。
彼らの「研修ありがとうございました」
「医学生の時にこんな授業受講したかったなあー」
「私たちの大学ではこんな授業なかったです」
「とても、心の中が爽やかというか、弾んでいるんです」
などの声についつい話し込み
彼らと同じ電車に。

ところが・・・
ここからハプニング・・・
彼らが途中で下車し、さよならして
列車が着いたところは
私の行きたい方向とは反対方向なんです。
さーて困りました。
最終便の飛行機の時間に間に合うかどうか。
すぐさま、元に戻るために列車に乗ろうとしますが
快速などはなく普通電車。
さすがにあわてました。
でも、久しぶりに
重い荷物抱えて走って走って!
羽田に滑り込みセーフ。

ということで、「確認」を怠ったらいけません。
なんだかんだ言って
まだまだ
ミスだらけの私です。

さて、
昨日から今日の2日間は
宿泊込みで
鳥取大学医学部付属病院
新人職員ホスピタリティ向上研修
研修医と看護師、コメディカルスタッフのみなさんたち
120名の講師を務めて先ほど帰りました。

「聴くことの大切さ」「自分にとってのホスピタリティ」
「死生観・生きる」「自分を知るなどのテーマ」で
生き方や普段の人間関係を見直す一助になる
「気づきの体験学習」を行いました。

そのことについては
今後詳しくお教えしたいと思います。

参加者の生き生きとした表情と
「ありがとうございました」の研修後の
参加者同士やスタッフや講師への言葉かけは
研修の手応えを感じさせました。
病院長から修了証をいただいて
無事、新企画の研修が終わりました。

高塚
4月7日土曜

いのちを慈しむヒューマン・コミュニケーション授業

2007-04-01 | Weblog
みなさん!はじめまして。
鳥取大学に勤務します高塚人志です。
今朝の新聞でも紹介されていますが
私の立場は、助教授という名称から准教授という名称に変わります。

ということで、
私のポジションは
鳥取大学医学部総合医学教育センター
学部教育支援室 準教授
高塚人志と、この4月からすべて変わります。

つまり、名刺も変更しないといけませんね。
また、私への直接電話も可能になります。
つまり、電話がつくんです。

さて、
タイトルにもありますように
私としては11冊目の新刊が今年の2月発売されました。
「いのちを慈しむヒューマン・コミュニケーション授業(大修館)」
ご覧になった方の感想が届いていますが
喜んで頂いているようです。
是非ご覧ください。

さらに、耳よりのニュース
エイプリルフールではありません。

秋には
私の絵手紙や写真、エッセーなどを
集約した本を出版予定です。

絵手紙などが
好評で出版社とお話しして
このような方向になりました。
楽しみにお待ちください。

ここまで
歩きながら走りながら
道を造ってきた私。

大学勤務も今春で3年目になります。
一歩一歩
また夢を叶えるために歩き続けます。

可能な限り、
私が担当する授業をはじめ
地域貢献、セミナー、講演会などの様子を
ブログ手紹介していきます。

よろしくお願いします。

4月1日(日)