名古屋商法~名古屋基点からちょっと元気になる話。
------「勝組」か「負組」かの違いは
単に、「やる」「やらないか」の違いである------
カリスマ・タクシードライバーの秘密大公開
京都でタクシーの運転手をしておられる
安宅祐喜さんの話です。
私も最初は単なる一人のお客でした。
たまたま乗車したときに、
名刺を交換したことからお付き合いが始まりました。
ある晩のこと、その安宅さんから自宅に電話がありました。
最初、「京都のタクシーの安宅です」と言われても、
何ヶ月も前に名刺を交換したことなど忘れていて、
なかなか思い出せませんでした。
タクシーの運転手さんが、いったいなぜ電話をしてくるのか。
正直に疑問を投げかけてみました。
「セールスを兼ねて、電話番号を教えていただいたお客様に、
ご機嫌伺いをしているのです」と言う。
そんな運転手さん、聞いたことがありません。
さらに聞けば、会社の命令でもなんでもなく、
自分で考えた営業方法なのだといいます。
「この人は光っている」と直感的に感じ、
安宅さんにもう一度会うために再度京都を訪ね、
以来、人柄に魅かれて親しくお付き合いさせていただくようになったのです。
経営の秘密を教えてもらった
安宅さんは同業者の中でダントツの水揚げを誇っています。
ご多分に漏れずタクシー業界も厳しい。
電話のセールスだけで成功するとも思えません。
しつこくその秘訣を訊ねると「簡単なことですよ」と微笑んでおっしゃいました。
タクシーでは毎日「日報」というものを付けています。
どこからどこまでお客さんを乗せたかを記録するものです。
安宅さんは、運転手になって以来の「日報」のコピーを
すべて手元に保存し、手垢で真っ黒になるほど繰り返し
見ているのだといいます。
1.どの場所から
2.どの場所まで
3.いつ乗せたか
という記録を見ていると・・・
4.どんな人を
5.どんな天気で
6.季節はいつで
7.どんな会話をしたか
まで次々と頭の中で蘇ってくるのだといいます。
ときにお客様の顔まではっきりと。
例えば、空車で走っていて四辻にやって来たとする。
その瞬間、頭の中で1から7のデータが即座に動き出す。
真っ直ぐ走るべきか、それとも左右どちらに曲がったらよいか。
三方のうち、どちらに行けばお客様を拾える確立が高いかが、
わかるようになるというのです。
瞬間にパッと、以前の経験がビジュアルに浮かび、
データとなって引き出される。
安宅さんは言います。
タクシーという仕事は勘ではなく、綿密なデータの商いだと。
そんな大切な方法を他人に公開してもいいのですか、
と訊ねたら「もちろん」と。なぜなら、こんな簡単なことすら、
知っていても誰もやらないからだという。
できないのではない。やらないだけなのだとも。
「勝ち組」「負け組」の差は・・・・
単に「やる」か「やらない」かに過ぎない・・・という話です。
耳が痛い人も多いのではないだろうか。
この話、「儲け話」としてのエピソードには留まりません。
人の生き方すべてに通ずる「いい話」です。