Crossover~社会科教育とディベート~

ライフワークである社会科教育とディベートや日常の出来事について発信します。

春の大会終了

2006-04-30 19:09:00 | ディベート活動 動物園論題
 今日は待ちに待った第5回 北海道地区春季中学・高校ディベート大会が本校で開催された。開会式1時間前に集合して会場準備や接待を考えていたが、北嶺中・高の先生と生徒が待っていた。(すみませんでした)さすが全国大会の常連校。早めの会場入りはやる気の証だ。見習っていきたい。

 本校はA・B2チームの登録をし、悲願の初優勝とA・Bチームでの決勝戦を目標に戦った。第1試合は付属中とAチームの対戦。多少不安が残る肯定側からのスタートだった。こちらの出した追加プランがあまり理解されず、議論がかみ合わないところはあったが、準備してきたことがだいたいできていたし、チームとして伝えたいことはジャッジにも伝わったようだ。まず肯定側で1勝。さい先のよいスタートを切った。

 第2試合はBチームと聖心女子、Aチームと北嶺の試合。今日はすべての試合を録画しているので、今年も優勝候補筆頭の北嶺戦を見学。さすがに伝統校だけあって、こちらがおそれていたプランを出してきてデメリットとぶつかった。あとはプランの実効性をどれだけ評価してくれるか、メリットへの反駁がどれだけ通っているかが勝負の分かれ目となった。結果はこちらのスピーチに若干の分があったと見なされて辛勝。2勝0敗の予選1位で決勝戦進出を決めた。Bチームも肯定側で勝利を収め、これで3連勝。みんなのテンションも上がってきた。

 第3試合はBチームと付属中の対戦。この論題で否定側を担当する時の注意点は、肯定側がどの範囲まで動物園とみなしているかの見極めと、プランを確認して実施後の動物園がどうなるかを瞬間的にイメージすることだと思うが、付属中のプランも北嶺とほぼ同様なものでやっかいな試合展開となった。プランへのアタック方法と立論を引っ張って勝つ方法は伝授しているのだが、まだ自分の頭で消化しつつある段階なので、今ひとつ個々の反駁がパンチ不足なのが残念な点だった。結果は惜敗。1勝1敗で3チーム並んだが、コミュニケーション点の差でBチームは3位。北嶺が決勝戦の相手となった。

 昨年の北海道地区大会の決勝と同カード。今日2回叩いておけば、今シーズンの戦いも有利になる大切な試合。肯定側を担当し、初優勝を狙った。相手の議論は完全に想定の範囲で、反駁もこちらがして欲しい(ということは返す証拠資料を持っている)内容だったので、正直第1反駁までは「もらった」と思ってしまった。しかし、これが落とし穴で反駁があっちこっちに飛んで、非常にわかりにくい。言い切れることも言い切れない痛いスピーチになってしまった。第2反駁も連鎖反応なのか、前の2試合とは明らかに違う自信のなさそうなスピーチとなり、決定打を出せなかった。ほぼイーブンの議論とジャッジに見なされ、否定側の勝利となって初優勝は惜しくも逃した。

 例えはよくないかもしれないが、昨年までの巨人打線のように個々の連携がうまくとれず、線のようなつながりができなかった。あくまでも各パートが頑張るだけの点のようなディベートをしてしまった。課題は見えたので、修正して次の大会に臨みたい。

 ちなみに大会結果は1位 北嶺中 2位 北野台中A 3位 北野台中B 4位 付属中 5位 聖心女子中。 

 期待が大きいだけに辛口のコメントになったが、オール2年生の新チーム初の公式戦で2,3位に入ったことと、負けた悔しさを感じて次への意欲が出てきたことが収穫だったし、何よりも会場設営・後かたづけをみんなで協力しておこない、閉会式で感謝の言葉や拍手をもらったことを忘れないで欲しい。大会を支える裏方の立場を知って、これからは感謝の気持ちをもって試合に臨めるはずだ。きびきび行動できたし、すがすがしい生徒だとのお褒めの言葉もいただいた。チームとしての成長をいろいろな点で実感できた実り多き大会だった。

 決して慢心せず、連休中に反省点をピックアップして修正していきたい。

第12回学習会

2006-04-29 21:31:10 | ディベート活動 動物園論題

 明日はいよいよ第5回 北海道地区春季中学・高校ディベート大会が開催される。自分の勤務校が会場になるので、今日は学習会+会場設営。使用する4教室や玄関に置く案内板に表示をしたり、黒板に論題を掲示したり、机を並べたり、清掃したりと生徒も大忙しだった。こういう作業をみんなで協力して行うことがとても大切なことなので、これだけでも会場校を引き受けてよかったと思う。

 そうはいっても勝負事なので、当然結果にもこだわっている。午前中は反駁シート作成や質疑内容を考える時間に当て、データの整備に努める。立論を一生懸命読んでいる生徒もいた。各自思い思いに試合の準備を進めていく。

 午後は8名の生徒による練習試合。肯定側・否定側ともに経験させるために2試合おこなうが、多くの課題と反省点が見つかった。今日一日しかないが、寝る前までに少しでもこの試合を振り返って、改善すべき点は修正して明日の試合に臨んで欲しい。

 今日は嬉しい話題が一つ。現高2の卒業生が合唱部の後輩指導のために学校に来ていたが、ディベート経験者2名が自分の所属する高校の合唱部で部長や学年指揮者に就任したとのこと。ディベート経験が全国大会出場校の部員を束ねる仕事に生かされていることを知り、とても勇気づけられた。

 OB・OGから激励の言葉をもらった現役生諸君。明日の健闘を祈る!


準備再開

2006-04-26 21:34:27 | ディベート活動 動物園論題
 春の大会の準備が月、火と2日間できなかったので、今日から再開。部活生徒も時間を見て少し顔を出したりしてくれた。立論を少し削ったり、肯定側のプランをどうガードしたり、反対に否定側にたったときにどう相手のプランを崩していくかといった戦略的な部分を確認するシートを作成した。

 大会までの日数を考えるとやや準備不足で臨むことになると思うが、ここまで学習会などを通じて学んできたことを糧にして、現状で出せる力を出し切って欲しい。自分もようやくディベートにかける時間が確保できつつあるので、頑張っている生徒の後押しをできるようにフォローしていきたい。

第11回学習会

2006-04-23 20:10:38 | ディベート活動 動物園論題

 今日は9時から16時まで、1日日程での学習会。久しぶりに9名のフルメンバーがそろった。来週日曜日に開催される春の大会に向けて、大事な準備時間となった。

 今後の日程を確認したあとは、恐怖の理科問題集(現在2年生が学習している動物に関する単元)を配布。ゴールデンウィーク明けまでに提出させることにした。次にオンラインディベートの第2試合を使ってシナリオディベートをおこなう。久しぶりの試合形式なので、スピーチの練習とフローシートをとる練習を兼ねる。まだ判定が出ていないので、各自判定をしてその理由も発表する。その後は春の大会用の立論を検討。昨日の晩から立論作成に取り組み、今日の朝方にようやく完成したので(きちんと5時間くらいは睡眠時間を確保してます)、立論の構造を説明したり、質問に答えたり、勝ち方を確認したりした。今のところ私を含めて10人でチェックして論理的な破綻は見つかっていないが、何せ4分間で読み終わる分量にまとまっていない…。特に肯定側立論に至っては2分くらいオーバーしてしまっている。余計な表現をそぎ落として、何とか形にしていきたい。

 これまで春の大会といえば、ディベート歴2ヶ月くらいの生徒がモデル立論と2、3枚の反駁シートで大会に臨んでいたものだが、今回はオリジナル立論(厳密にいえば違うが)と肯定・否定各20枚程度の反駁シートを目標に準備しているので、気合いの入り方が違う。メンバーの中にはディベート歴がそろそろ1年になる生徒もいるので、ようやくディベートの楽しさ(当然つらさも味わうが)がわかってきたのだろうか、本当に一生懸命作業をしている。そして、こちらがたじろぐくらい鋭い意見を言えるようになってきている。こちらもそれを励みに、仕事の合間を縫って手伝う体制をじょじょに整えていく。明日からの1週間を無駄なく過ごしていきたい。


春の大会は決まったのだが…

2006-04-20 20:18:40 | ディベート活動 動物園論題
 今月30日に北海道でも春の大会が開催される。今のところ本校が会場校になる予定だ。日々準備を進めているのだが、けっして順調とはいえない状況である。まず立論が仕上がらない…。 立論が仕上がらないということは、反駁の方向性も定まらないということだ。自然と作業も停滞気味になる。日曜日には立論を完成させて、一気に準備を進めていこうと思うが、なかなか仕事がはかどらず困っている。

 なぜだろう?明らかに昨年度よりは仕事量が減っているのに、目の前の仕事が片づかない。大きな仕事が2つあるのに、細かい雑務に追われてそこまでたどり着かない。何とか今晩1つの仕事に決着をつけようと思う。そして、明日の3年選択社会のオリエンテーション資料、学級PTAの資料を作成し、授業参観の授業準備…。書いているだけで軽いめまいがしてきた。 何とか間に合わせよう。

第10回学習会

2006-04-16 20:51:06 | ディベート活動 動物園論題
 今日は動物園廃止論題が発表されてから通算10回目の学習会。ようやく二桁の大台に乗った。常連校はもっとハイペースに集まりを持っているはずなので、春の大会も近づいてきたことだし、ペースをあげていきたい。今日は朝から6名が参加し、今後の日程確認の後、否定側第1反駁まで進んだオンラインディベートの議論の解説と今後の反駁の仕方について話し合った。来年度のことを考えると、私の一方的な解説は生徒の自主性をそぐことになるので、リーダーとサブリーダーの生徒を中心に意見を出し合い、息詰まったところで助け船を出すスタイルをとった。多少たどたどしいところはあるものの、だいぶ議論の本質に迫れるようになってきたと思う。来年度には私の元を離れ、自分たちで深い議論ができるように願っている。そのためにはもう少し口うるさく接することになるのだろうが…。

 生徒との話し合いの中で、肯定側立論や反駁などの戦略的な部分で核となりそうなストーリーが浮かんできた。今まで肯定側に関しては自信の持てる議論が作れていなかったので、ようやく明るい兆しが見えてきた。証拠資料を上手に組み合わせて、来週いっぱいで形にしたい。ただ、来週は原稿の締め切りを2本抱えている。1本はディベート関係で、もう1本は社会科の仕事だ。宿泊学習の仕事も本格化してきたので、上手に時間を使っていきたい。(これが一番苦手なことだったりする)

 昼に生徒を帰したあとは、今までため込んだ証拠資料をひたすらコピー。コンピュータ室のラックにすべて入れたので、明日から反駁シートづくりを生徒に頑張ってもらおう。2週間で肯定・否定ともに20枚くらいは作ってもらう予定だ。夕方には北大の大学院生が来校し、オンラインディベートの反駁について打ち合わせ。春の大会や5月上旬にあるだろう講習会のアイディアについても意見交換した。自分の研究で忙しいだろうに、こうして本校の実践に足かけ4年もつきあっていただけているので、本当に感謝している。

 気づいたら6時になっていた。来週も忙しいので、早く帰って寝ることにしよう。

第9回学習会

2006-04-09 20:33:34 | ディベート活動 動物園論題
 今日は連絡が不徹底で2年生5名しか集まらず、、午前中のみの活動。朝から北大の大学院生が来校し、オンラインディベートの打ち合わせを1時間ほどおこなう。昨年は完全学校5日制論題で東北学院中学校ディベート部の生徒さんと試合をさせていただいたが、今回は動物園廃止論題で宮城ディベート“楽しみ隊”のみなさんと対戦することになった。立論作成を含めて試合を引っ張ってくださるのがいつもお世話になっている北大生で、本校のリーダー、サブリーダーが協力させていただく形となった。今日は肯定側の立場でどうやって勝ちにつなげるのかを確認するために、立論を分析して相手の反論を予想し、削られても仕方のないところや残さなければならない所などを確認した。これから1週間ほど忙しくなるが、春の大会も近づいてきたので時間をかけて取り組んでいきたい。

 後半はコンピュータ室と社数準備室の整理。いらない書籍などをリサイクルに回したり、掃除機をかけたりして活動場所をきれいにした。これからも学校の施設を使わせてもらっていることに感謝の気持ちをもって活動ができるようにさせたい。作業の様子を見ていると男女の仲もフレンドリーで、だいぶコミュニケーションがとれるようになってきたように思う。いろいろな活動がここにきて生きてきているようだ。

ロジカルプレゼンテーション講座

2006-04-08 22:32:42 | ディベート活動全般

 今日は日頃お世話になっている先生の講座があったので、朝からちえりあに向かう。講座のタイトルは「ロジカルプレゼンテーション講座」 で、論理的思考に基づいたプレゼンテーション技術の習得を目指したものだった。職業柄、普段は教える立場にあるので、教わる立場に立つのは結構緊張する。この講座では間違いなくプレゼンテーションの演習もあるだろうから、百戦錬磨のビジネスマン相手にどれだけ自分がスピーチできるかと考えただけでも開始前から顔が引きつっていた。

 参加者は14名。同業者はいなくて、多くの方は会社関係の人だった。これから就職活動を控えた大学生もいて、面接対策なのだろうか自分のスキルアップを計って参加した人もいた。皆モチベーションが高そうで、さらに緊張感が増してきた。個人的には現場の実践にフィードバックできる材料を探そうという目的があり、実際に総合的な学習の時間や社会科の時間におこなわれる発表会を控えた生徒に、どうアドバイスするかというコーチングスキルを高めようという目論見があったのだが、他の人に比べると漠然とした目的だったかもしれない…。(これ以降は後日詳しく書きます) 


コンピュータ室整備

2006-04-07 23:11:21 | ディベート活動 動物園論題
 リーダーとサブリーダーの生徒で、コンピュータ室前に掲示するネームプレートを作成。「debate club」のプレートや9人の活動メンバー+私のプレートなどが次々と完成していく。こういう仕事はセンスがいい人たちに任せるに限る。これからの活動に希望が持てる仕上がりになった。 

 コンピュータ室の棚を整理していると、10年近く前の雑誌や300枚以上のフロッピーディスクを発見。最新の設備に隠れて歴史を感じさせるアイテムが出てきたことに驚いた。 譲り受けた棚の中に証拠資料などを保管できるようになったので、この部屋を拠点に強い議論を作っていけたらいいなと思う。少し気が早いが東京のガイドブックも置いてしまった…。

ディベーターへの宿題 part2

2006-04-06 21:16:48 | ディベート活動 動物園論題
 今日は始業式。学校長から担任発表があり、私が所属することになった2年生はクラス替えとなった。旧学級で自分がこれから所属するクラスを発表せずに色つきのカードを渡し、同じ色を持った新学級のクラスメートとともに新しい教室に移動して、初めて学級ナンバーと担任がわかるシステムをとった。予想通りの興奮ぶりで、1年で最大のイベントになったかもしれない。しかし、1年間の成長ぶりが感じられたのはその後。学活が始まるとすぐに静かになり、何事もなかったかのように事務的な連絡がおこなえた。また、学年集会を開いて所属の先生方からの話を聞いているときも、温かい拍手が聞こえた。2年間を見通した学級づくりが今日から新たにスタートしたが、いい船出となった。

 放課後は入学式の準備をし、ディベートのリーダーと軽く打ち合わせ。「ディベート同好会」というネーミングはやめ、「debate club」と呼ぶことに決めた。また、これからの活動に必要な物品や週末の練習日程を確認した。また、今日旅行業者に全国大会の日程を伝え、東京の宿舎を仮予約したことを話すと、とても驚いていた。スポンサーの本気度の高さを再確認したに違いない。そのうち東洋大学(今年の会場校)のパンフレットを入手し、各自部屋に写真を貼らせ、全国大会出場のイメージトレーニングをさせようと思う。

 よく考えてみたら、2年生の理科は4~5月に生物分野(動物について)を学習する。ディベーターは今、一生懸命に動物園および動物園で飼育されている動物についてリサーチをしているので、このモチベーションで理科の学習を積めばかなりの好結果を残せるのではないかと考えた。しかも、先日は円山動物園に行き、そしてだめ押しで5月31日には旭山動物園を訪問する。定期テスト直後に北海道大会があることだし、ここは新学期スタートから猛スパートをかけてもらおうと、動物の単元をピックアップした問題演習プリントを作成することにした。これからガンガンやってもらって、理科の1学期定期テストのディベーター平均が90点以上になるようにしていきたい。一石何鳥になるかわからないくらい今回の論題は奥が深いと感じた一日であった。