野山徘徊者の日々

野原、山、湖での自然観察に興味があります。遭遇した動物、植物たちについて書いていきます。

大人の理科続き

2015-06-19 15:00:52 | 日記
 大人の理科の続きです。

 硝酸性窒素がなぜ問題なのか?
 それはどこに存在しているのか。土壌、水、植物中とあらゆることろに存在し、水に溶けやすく、土壌に保持されやすい。そして、地下水や河川水に溶け出しやすい。
 多量に流入すると富栄養化を起こし、生態系を乱してしまう。
 困ったことに硝酸性窒素は、無味無臭で無色透明である。水道水に含まれていたとしても気づかずに飲んでしまう。
熊本の水道水の濃度が近年高くなっており、危惧されている。
 乳児や胃の全摘手術をした人が飲むと、その一部は還元されて、亜硝酸窒素となる。
 これは血液中のヘモグロビンを酸化してメトヘモグロビンと性質をかえるのだが、メトヘモグロビン血症になると血液中の酸素が少なくなり酸素欠乏症を起こしてしまう。
 その症状は、頭痛、倦怠感、嗜眠、頻脈、めまいだ。
 PaO2(動脈血酸素分圧)が正常なのに全身性のチアノーゼ(メトヘモグロビンが15%以上)があり、酸素投与に反応しないときメトヘモグロビン血症が疑われる。
 血中濃度が50%以上だと重症。70%以上は死亡する。また、
白い紙に重症者の血液を落とすとチョコレート色に見える。

 熊本市の地下水の流れを見てみると、大きく分けて阿蘇外輪山と菊池大地で涵養されたものがある。
 それは熊本平野部を経て有明海に向かう。この時汚染がなければいいのだが、どうやって地下水は汚染されるのだろう。

 生活排水の不適切な処理、家畜排泄物の不適切な処理、窒素肥料の溶脱により地下水は汚染されるのだ。
 二番目の家畜排泄物の不適切な処理と窒素肥料は阿蘇地方、植木など北部地方での対策が喫急の課題となっている。