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唐十郎の劇世界
扇田 昭彦【著】3080円
右文書院(2007/01発売)
唐十郎という稀有な才能の活動と疾走を、共感をもって目撃し、伴走してきた演劇ジャーナリスト・劇評家による、40年間にわたる劇評・作家論の、初の集大成。
目次
状況劇場南下す
腕づくりの砦・乞食城
「すてたパンツ」の波紋―唐十郎の岸田戯曲賞受賞
ああ“満州”よ!―戯曲『吸血姫』を読む
紅テントと黒テント―『吸血姫』劇評
“ジョン・シルバー”の変貌―『あれからのジョン・シルバー』劇評
紅と黒の鞘当て興行―『吸血姫・台東区思想大系念押し版』
「状況劇場」を去った麿赤児
しがなさへの共感―『二都物語』新聞劇評
“紅テント”健在―『二都物語』劇評〔ほか〕
腕づくりの砦・乞食城
「すてたパンツ」の波紋―唐十郎の岸田戯曲賞受賞
ああ“満州”よ!―戯曲『吸血姫』を読む
紅テントと黒テント―『吸血姫』劇評
“ジョン・シルバー”の変貌―『あれからのジョン・シルバー』劇評
紅と黒の鞘当て興行―『吸血姫・台東区思想大系念押し版』
「状況劇場」を去った麿赤児
しがなさへの共感―『二都物語』新聞劇評
“紅テント”健在―『二都物語』劇評〔ほか〕
著者等紹介
扇田昭彦[センダアキヒコ]
1940年、東京都生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒。朝日新聞学芸部記者・編集委員を経て、演劇評論家、静岡文化芸術大学特任教授。国際演劇評論家協会(IATC)日本センター会員。著書に、『現代演劇の航海』(リブロポート、88年、芸術選奨新人賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1940年、東京都生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒。朝日新聞学芸部記者・編集委員を経て、演劇評論家、静岡文化芸術大学特任教授。国際演劇評論家協会(IATC)日本センター会員。著書に、『現代演劇の航海』(リブロポート、88年、芸術選奨新人賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
唐 十郎(から じゅうろう、1940年〈昭和15年〉2月11日 - )
東邦大学付属東邦高校 明治大学文学部演劇学科卒業
1963年 青年芸術劇場を退団、シチュエーションの会を旗揚げ
1964年 シチュエーションの会を状況劇場に改名
1967年 紅テントによる公演を始める
1970年 『少女仮面』で岸田國士戯曲賞受賞
1974年 初監督映画『仁侠外伝・玄界灘』撮影中に本物の拳銃を使い、安藤昇とともに小田原署に逮捕される。
- 『24時53分「塔の下」行きは竹早町の駄菓子屋の前で待っている』(1964年、処女戯曲)
- 『渦巻きは壁の中を征く』(1964年)
- 『煉夢術』(1965年)
- 『月笛奏法・腰巻お仙と共に征く「イルキスト」の群れ』(1965年)
- 『ジョン・シルバー』(1965年)
- 『腰巻お仙・百個の恥丘』(1966年)
- 『アリババ』(1966年)
- 『腰巻お仙・忘却篇』(1966年)
- 『腰巻お仙 -義理人情いろはにほへと篇』(1967年) 初のテント公演
- 『由比正雪』(1968年)
- 『続ジョン・シルバー』(1968年)
- 『腰巻お仙・振袖火事の巻』(1969年)
- 『少女仮面』(1969年)早稲田小劇場(鈴木忠志)のための書き下ろし、岸田國士戯曲賞
- 『少女都市』(1969年)
- 『愛の乞食』(1970年)
- 『吸血姫』(1971年)
- 『あれからのジョン・シルバー』(1971年)
- 『二都物語』(1972年)
- 『鐵假面』(1972年)
- 『ベンガルの虎』(1973年)
- 『海の牙』(1973年)
- 『盲導犬』(1973年)櫻社(蜷川幸雄)のための書き下ろし
- 『唐版・風の又三郎』(1974年)
- 『夜叉綺想』(1974年)
- 『唐版・滝の白糸』(1975年)
- 『腰巻おぼろ 妖鯨篇』(1975年)
- 『糸姫』(1975年)
- 『下町ホフマン』(1976年)
- 『蛇姫様-我が心の奈蛇』(1977年)
- 『ユニコン物語 台東区篇』(1978年)
- 『河童』(1978年)
- 『唐版・犬狼都市』(1979年)
- 『青頭巾』(1979年)
- 『女シラノ』(1980年)
- 『鉛の心臓』(1980年)
- 『下谷万年町物語』(1981年)
- 『お化け煙突物語』(1981年)
- 『黄金バット』(1981年)
- 『新・二都物語』(1982年)
- 『秘密の花園』(1982年)本多劇場こけら落とし上演
- 『住み込みの女』(1983年)
- 『黒いチューリップ』(1983年)
- 『あるタップダンサーの物語』(1984年)
- 『ジャガーの眼』(1985年)
- 『少女都市からの呼び声』(1985年)
- 『ねじの回転』(1986年)
- 『さすらいのジェニー』(1988年)
- 『電子城-背中だけの騎士-』(1989年)
- 『セルロイドの乳首』(1990年)
- 『透明人間』(1990年)
- 『電子城II』(1991年)
- 『ビンローの封印』(1992年)
- 『桃太郎の母』(1993年)
- 『動物園が消える日』(1993年)
- 『匂ひガラス』(1994年)
- 『孤島』(1994年)
- 『裏切りの街』(1995年)
- 『模造石榴』(1996年)
- 『赤い靴』(1996年)
- 『海の口笛』(1997年)
- 『汚れつちまつた悲しみに…』(1998年)
- 『眠り草』(1999年)
- 『夜壷』(2000年)
- 『鯨リチャード』(2000年)
- 『闇の左手』(2001年)
- 『水中花』(2001年)
- 『糸女郎』(2002年)
- 『花屋敷』(2002年)
- 『泥人魚』(2003年)鶴屋南北戯曲賞、紀伊国屋演劇賞、読売文学賞
- 『河童』(2003年)
- 『津波』(2004年)
- 『眠りオルゴール』(2004年)
- 『鉛の兵隊』(2005年)
- 『カーテン』(2005年)
- 『紙芝居の絵の街で』(2006年)
- 『行商人ネモ』(2007年)
- 『夕坂童子』(2008年)
- 『黒手帳に頬紅を』(2009年)
- 『百人町』(2010年)
- 『姉とおとうと』(2010年)
- 『ひやりん児』(2011年)
- 『西陽荘』(2011年)
演劇評論家の扇田昭彦さん死去 西東京市芝久保町在住
現代日本演劇の評論分野に強い影響を与えてきた西東京市芝久保町在住の演劇評論家、扇田昭彦さんが5月22日午後9時すぎ、悪性リンパ腫のため東京都小平市の病院で死去した。74歳だった。今年4月ごろ不調を訴え、5月半ばに入院して1週間あまりで急逝した。近親者のみで葬儀を行った。喪主は俳優、演出家の長男拓也さん。お別れの会は7月6日(月)午後6時30分から豊島区池袋の東京芸術劇場中ホールで開く。
扇田さんは1940年東京都生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒。朝日新聞入社後は、学芸部記者、編集委員として演劇を担当した。長年の内外取材に裏付けられた評論、劇評が多い。特に70年前後に生まれたアングラ演劇、小劇場に着目し、いちはやくその意義を指摘。鈴木忠志と早稲田小劇場、寺山修司と天井桟敷、唐十郎と状況劇場、佐藤信らと黒テント、蜷川幸雄、別役実らの活動を精力的に紹介した。その後も、つかこうへい、野田秀樹、井上ひさしら、最近では藤田貴大とマームとジプシーまで、緻密な取材と綿密な分析を基に現代演劇の流れと方向、その特質や変貌を明らかにした。
静岡文化芸術大学教授を務めたほか、早稲田大学、武蔵野美術大学などで教壇に立ち、国際演劇評論家協会日本センター会長、NHKテレビの演劇番組の司会も。東京芸術劇場で開いた「劇評を書くセミナー」(ワンダーランド主催)の講師、高校生劇評グランプリの審査委員長を務め、若い世代に演劇の魅力と劇評の重要性を伝え続けた。
演劇関係の著作も多い。「日本の現代演劇」(岩波新書)は現代演劇の見方を決定づけたと言われる労作。芸術選奨文部大臣新人賞を受賞した「現代演劇の航海」( リブロポート)は70年代、80年代公演の貴重な劇評集。「劇的ルネッサンス」( リブロポート)「劇談―現代演劇の潮流」(小学館)「才能の森―現代演劇の創り手たち (朝日選書)などは劇作家、演出家らのインタビューを通じて現代演劇の軌跡を浮き彫りにした。ほかに「唐十郎の劇世界」(右文書院)「蜷川幸雄の劇世界」( 朝日新聞出版)「井上ひさしの劇世界」(国書刊行会)など。「ミュージカルの時代 魅惑の舞台を解き明かす」(キネマ旬報社)「舞台は語る ―現代演劇とミュージカルの見方」(集英社新書) で内外のミュージカルを取り上げた。
(北嶋孝)
(北嶋孝)
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