強い憤りをおぼえます。
なんとも悲しい、残念なことになってしまった。
私のような旅をしていた人間は、現地で人々に世話になり、家族のように親しくしてもらった経験より、自分に何かできることがあればほんの少しのことでもしてお返しがしたい。と考えるのはとうぜんのことで、たとえ世話になったその人たちにではなくとも、例えば、大阪駅で何か困っている外国人をみたなら、何か手助けをしてあげようと思う。もちろんその人が日本人であっても、国籍に関係なくですが。
それは、かつて自分が知らない地で知らない人にとても親切にして頂いたそんな好意を私もしたいからです。
伊藤和也さんは、そんな経験もなしに純粋にアフガニスタンの人たちのために大きな決心をし、大いなる志と共に現地で農業支援の活動をし、その人柄ゆえに現地の人たちと溶け込み、愛され、親しまれ、信頼され、家族のようにされたのでしょう。
彼の誘拐後、現地の人たちが700~800人も捜索に加わった。ということからも彼の人望が計り知れます。
ただ私のおもうのに、彼は与えるだけでなく、彼もまた多くのことを現地の人々から与えられたことでしょう。
大変だったのでしょうが、その活動の日々は彼にとって幸せであったことでしょう。
私は行ったことはないのですが、アフガニスタンの人々はとても人がいい。と聞きます。
私の友人で世界206カ国をバックパッカーでまわった、松本和人さん(現在彼は奥さんと共に、また世界一周の旅をしています。http://tabisite.com/)が、
「最も心ひかれた国のひとつ。あの難民キャンプを見て、アフガンの為に何かしたい。」と言っていた。
また、今年2月にアフガニスタンを舞台にした、カーレド・ホッセイニ 著の「 君のためなら千回でも(上・下巻)」 (ハヤカワepi文庫)を読み、その映画も見て、以前より行きたいと考えていたアフガンへの思いが増し、そして、知人がこの7月にアフガニスタンの日本大使館に赴任したので、彼とアフガニスタンのことについていろいろとメールでのやりとりをしていた。
こんなことより、なおさらアフガニスタンへの感心があったところへこのニュース。
なんとも残念です。
彼の尊い志を、我々もまねしようではありませんか。
ただただ毎日の忙しさに流されて歳をとってゆくのではなく、自分がこの世に生きた証を何かの形で、人の役にたてるような活動を、ほんの少しでも。
世界の人々が共に生きていくために。
伊藤和也さんのご冥福を心より祈ります。
合掌。