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ドレイクの野望・ルール①

2005-09-01 23:16:01 | ドレイクの野望
1 はじめに――――――――――――
1.1 このゲームは、TV版「聖戦士ダンバイン」におけるバイストンウェルでの戦いを再現した、戦略級シミュレーションゲームである。
1.2 このゲームは4人用であるが、2人または3人でプレイしてもよい。
1.3 このゲームをプレイするには、6面体ダイス多数と、不透明なカップ1個が必要であるため、あらかじめ用意して頂きたい。

2 定義――――――――――――――
2.1 オーラバトラー・オーラボンバー・オーラファイターを総称して、オーラバトラーと呼び、ABと表記する。
2.2 オーラシップとオーラクルーザーを総称してオーラシップと呼び、ASと表記する。
2.3 オーラバトルシップをABSと表記する。
2.4 ASとABSを総称して艦船と呼ぶ。
2.5 城塞と砦と秘密工場を総称して建物と呼ぶ。尚、建物は上記の3種類しかなく、ユニット名称による違いはない。名称は個人的趣味として使って頂きたい。
2.6 国の運営資金をゴールドポイントと呼び、GPと表記する。
2.7 ユニットの生産に必要な技術を技術レベルと呼び、TLと表記する。
2.8 各国の国境線内のヘックスを領地と呼ぶ。尚、領地の所有権自体は、一切変化することは無い。
2.9 宣戦布告や生産など、プレイの順番が重要になる場合は、以下の順番でプレイする。
  1.ドレイク軍
  2.クの国
  3.ラウの国
  4.ナの国
2.10 各国に用意されている、管理シート上のスタックボックスとスタックマーカーは、マップ上が煩雑になった場合に使用して欲しい。

3 国と陣営――――――――――――
3.1 このゲームでは、ドレイク陣営とシーラ陣営の2つの陣営が存在し、各陣営は複数の国により構成される。
3.2 ドレイク陣営は、ドレイク軍とクの国で構成される。尚、便宜上ドレイク軍を1つの国として扱うものとする。
3.3 シーラ陣営は、ラウの国・ナの国・アの国・ミの国・ゼラーナ隊で構成される。
3.4 各国は、静観・軍備・参戦のいずれかの状態にあるものとする。
3.5 国の状態は、それぞれ条件を満たした場合に移行する。

4 シークエンス――――――――――
4.1 このゲームは、ターンと呼ばれる一連の手順を繰り返してプレイされ、1ターンは以下の手順より構成される。

  1.宣戦布告フェイズ
  2.収入フェイズ
  3.開発フェイズ
  4.生産フェイズ
  5.修理フェイズ
  6.建築フェイズ
  7.キャラクターフェイズ
  8.第1行動フェイズ
     ↓     
  21.第14行動フェイズ
   (チット枚数分のフェイズ数となる)

5 宣戦布告フェイズ――――――――
5.1 各国に設定された条件を満たした場合、宣戦布告を行うことができる。
5.2 宣戦布告は、国に対して行われる。
5.3 宣戦布告を行った国、また宣戦布告を受けた国は、ただちに参戦状態となる。

6 収入フェイズ――――――――――
6.1 本フェイズでは、各国が活動資金を収入する。
6.2 自国が支配している収入ヘックスの収入額を合計して、管理シートの資金トラックに加算する。
6.3 静観状態の国は、収入を行うことができない。
6.4 各収入ヘックスの支配状況については、以下の条件に基づいて判断すること。尚、ナンバーが小さい方を優先させること。
  ① 建物がある場合、そのユニットの所有者が支配する。
  ② 艦船がある場合、そのユニットの所有者が支配する。
  ③ ABが3枚以上ある場合、そのユニットの所有者が支配する。
  ④ ABが2枚以下しかない場合、またはユニットが全く無い場合、
    その領地国が支配する。
6.5 同じ項目を、双方の陣営の国が満たしている場合、そのヘックスからは収入できなくなるものとする。
6.6 存続している味方陣営領内の収入ヘックスから収入することはできない。ただし、敵に滅亡させられた国の収入ヘックスについては、味方陣営の領地であっても収入することができる。
6.7 味方陣営の複数の国が、同じ収入ヘックスを同時に支配した場合、どちらの国が収入してもよい。また、収入額を分割してもよい。
6.8 ゼラーナ隊が支配した収入ヘックスは、ラウの国とナの国が同時に支配したものとする。但し、実際に収入する国は参戦していなければならず、どちらの国も参戦していない場合は、そのGPは失われる。
6.9 収入した資金は、ターンを繰り越して、蓄積・使用することができる。

7 開発フェイズ――――――――――
7.1 本フェイズでは、TLの向上を行うことができる。
7.2 開発の実施は任意であり、強制されない。
7.3 開発は、1ターンに1回だけ行うことができる。
7.4 開発を行う場合、ダイス1個を振り4を加えた数値(5~10)と同数のGPを消費して、TLを1上昇させる。
7.5 サイの目+4に対して、GPが不足している場合、GPの全てが失われ、TLも向上しない。
7.6 TLの向上を急ぎたい場合は、集中開発を選択することができる。
7.7 集中開発を選択した場合、サイの目+4の3倍(15~30)のGPを消費して、TLを2上昇させる。
7.8 集中開発の場合も、GPが不足していれば、資金の全てが失われ、TLも向上しない。

8 生産フェイズ――――――――――
8.1 本フェイズでは、ユニットの生産・増産・換装を行うことができる。
8.2 生産・増産・換装の順序、組み合わせ、回数には、一切制限は無い。
8.3 管理シートの工場ボックス内にあるユニットのみが、生産の対象となる。
8.4 ユニットを生産する場合、そのユニットに設定されているGPを消費すること。
8.5 ユニットを生産する場合、そのユニットに設定されているTLに達していなければならない。
8.6 1ターンに生産できるユニットの数に制限は無い。
8.7 生産されたユニットは、自軍の建物ヘックスにただちに配置すること。
  ① ABは、城塞と砦のどちらにでも配置できる。
  ② 艦船は、城塞にのみ配置できる。
8.8 1つのヘックスに、何枚のユニットを配置してもよい。
8.9 建物ヘックスに敵ユニットがあっても、生産したユニットを配置できる。
8.10 建物ユニットがマップ上に無い場合、生産を行うことはできない。
8.11 生産フェイズ中に、自軍のオーラマシンユニットを、自発的に破壊して工場ボックスに戻してもよい。尚、このユニットはただちに生産や換装に使用することができる。
8.12 自発的に破壊したユニットにキャラクターが乗っている場合、直ちにそのキャラクターを自軍ユニットのある任意のヘックスに移すこと。

8.11 行動チットの生産
8.11.1 行動チットは、各国とも3枚までしか生産できない。
8.11.2 アの国とミの国は、1枚しか生産できない。
8.11.3 ゼラーナ隊の行動チットは、ラウの国とナの国のどちらが生産してもよく、また上記の枚数制限の対象外とする。
8.11.4 ショット隊の行動チットは、スプリガンがマップ上にある場合にドレイク軍のみが生産することができ、また上記の枚数制限の対象外とする。

9 増産――――――――――――――
9.1 工場ボックス内の、ユニットの数を増やすことを増産と呼ぶ。
9.2 工場ボックスにユニットを増やすごとに、設定されたGPを消費すること。
9.3 増産する場合、そのユニットに設定されているTLに達していなければならない。
9.4 増産GPが設定されていないユニットは、増産することができない。
9.5 1ターンに増産できるユニット数に制限は無い。ただし、コンポーネントのユニットを使い果たした場合は、それ以上増産することはできない。

10 換装――――――――――――――
10.1 工場ボックス内のユニットを、より上位の機種に交換することを換装と呼ぶ。
10.2 ABユニットのみ、換装することができる。
10.3 工場ボックス内の対象ユニットを除去し、そのユニットに対応する換装後ユニットを工場ボックスに加えて、設定されたGPを消費する。
10.4 換装を行う場合、換装後ユニットに設定されているTLに達していなければならない。
10.5 1ターンに換装できるユニット数に制限は無い。
10.6 GPとTLの範囲内であれば、1ターン内で1つのユニットを連続して換装して、数段上のユニットにしてもよい。

11 修理フェイズ―――――――――
11.1 本フェイズでは、裏の状態のユニットを修理することができる。
11.2 修理は、味方陣営の建物のあるヘックスで、行うことができる。
11.3 味方陣営の他国の建物で修理する場合でも、修理を行う国がGPを支払うこと。
11.4 城塞では全てのユニットの修理を行うことができるが、砦ではオーラバトルシップの修理を行うことはできない。
11.5 修理を行う場合、そのユニットに設定されているGPを消費して、ユニットを表にする。
11.6 建物ユニット自体の修理は、規定のGPを消費すればよく、その他のユニット等を必要とはしない。
11.7 修理は、そのヘックスに敵ユニットがいても、行うことができる。

12 建築フェイズ――――――――――
12.1 本フェイズでは、建物の建築を行うことができる。
12.2 建築を行う場合、規定の資金を消費すること。尚、建物には城塞と砦の2種類しかなく、ユニット名称による違いは無い。
12.3 平地ヘックスでは、城塞と砦を作ることができる。
12.4 高地ヘックスでは、砦のみを作ることができる。
12.5 山岳ヘックスでは、建築を行うことはできない。
12.6 1つのヘックスには、1つの建物しか建築できない。
12.7 自国の領地では、そのヘックスに自軍ユニットが無くても、建築を行うことができる。
12.8 自国の領地外のヘックスでは、裏になっていない自軍の艦船がある場合に、建築を行うことができる。ただし、ゼラーナ及びスプリガンは、その対象外とする。
12.9 滅亡していない味方陣営の領地では、建築を行うことはできない。
12.10 敵陣営のユニットがいるヘックスでは、建築を行うことはできない。ただし、敵陣営のユニットがAB1枚もしくは2枚の場合は、通常通り建築できるものとする。
12.11 建築フェイズ中に、自軍の建物ユニットを自発的に破壊して工場ボックスに戻し、他のヘックスでの建築に使用することができる。

ドレイクの野望・デザイナーズノート

2005-08-26 21:02:30 | ドレイクの野望
 このゲームのデザインを始めたのは、もう20年も前のことになります。そのころはダンバインのTV放映は終了していましたが、放課後になると毎日のようにツクダホビー社の「ウィングキャリバー」や「グランアタック」をプレイしていました。そんな中で、ぱらだいす氏とよく「TV版のように城攻めをやりたいねぇ」と話しておりました。また、当時放映していた機動戦士Zガンダムの戦略級ゲームのデザインが行き詰っていた時期でもあったので、ダンバインの戦略級ゲームに着手することとなりました。

ダンバインの戦略級ゲームとしては、すでにツクダホビー社の「バイストンウェル」がありますが、あまり意識せずに自分なりに「らしい」と思うダンバイン世界を再現することを心がけました。
基本コンセプトは、最初から現在のものとさほど変わっていないのですが、戦闘時にユニットを1機ずつ突き合わせて解決する方法をとっていたため、非常に煩雑で時間のかかるシロモノでした。また、南方の3つの国もゲームに入れたため、戦略の選択肢は増える反面、政治関係のルールが大量に入っていました。
以前は、リアルに表現するためにはプレイ時間がかかるのは当然だ、と思い込んでいましたので、なかなかスッキリしたゲームに仕上げることができませんでしたが、今回思い切った大改造を施すことで、かなりプレイアブルなゲームとなりました。

システム的にはさして難しいものは入れていませんが、特長的な部分を挙げるなら、俗に言う「6出ろシステム」を逆にして、小さい目でヒットする形式を採りました。ABの機体性能差を表現しつつ、簡単に大軍同士の戦闘を再現するには、このシステムは非常に有効でした。
また生産関係のルールでは、生産・増産・換装という概念を導入しています。これは一見判りにくいシステムかもしれませんが、生産は実際に機体を工場で製造すること、増産は生産工場自体の増設、換装は工場内の生産ラインの変更、といったものを抽象的に表しています。
行動に関してはチット制を採用したため、連携の取りやすいシーラ陣営と連携の取れないドレイク陣営を表現することができました。また、負傷したキャラクターを行動チットと一緒にカップに入れることで、負傷者の帰還をランダムにすることができました。

このゲームは、TV第9話「天と地と」からのスタートとなります。それ以前の部分は、戦闘の規模が小さすぎて、このゲームでは再現しづらかったので、残念ながら外すことにしました。なお、「俺はトカマクが好きなんじゃぁぁぁぁ!!!」という方のためにオマケとしてトカマクユニットを入れてありますので、ご自由にお使いください(笑)。

 本作は、通常の戦略級ゲームとしても楽しめますが、TV版ダンバインを見た人にしか分からない要素がかなりありますので、やはりダンバインファンの方に、ぜひともプレイして頂きたいと思います。

2005年2月 たちばなゆう