北陸3県の2018年の外国人宿泊者数は過去最高を更新しました。まだ結果は出ていませんが1月〜10月の累計で108万人泊と前年同期比15%増えています。この数は、全国の訪日客の伸びを上回る勢いで17年実績の112万人泊の更新は確実です。北陸新幹線やクルーズ船の誘客効果が寄与した格好ですが、地域経済へ波及効果は限定的との声もあり、消費を促す工夫が求められます。

金沢を代表する観光名所の「兼六園」の2018年の外国人入園者数は42万8504人で、前年比13%増えました。特に、欧米からの観光客が増えています。また、富山県でも「立山黒部アルペンルート」の観光客や「トロッコ列車」の利用者数が、過去最高を記録しています 。
背景には クルーズ船誘致などの誘客策成果をあげていることがあります。石川県によれば19年の金沢港へのクルーズ船寄港数は50本を超え、18年より3本以上増える見通しです。4月には英国の豪華客船が初寄港する事も決まっています。また、富山県は観光庁などと開催しているプロモーションを通じて「徐々に知名度が上がった」と分析しています。
北陸の宿泊施設には幅広く恩恵が及ぶ。金沢彩の庭ホテルは18年のインバウンド宿泊者数が3.8%増えました。山代温泉の「葉渡莉」は個人旅行の訪日客増加を見込み1人専用の8部屋の和室を和洋室に改装しました。
課題となるのが消費の押し上げです。観光客で賑わう近江町市場の関係者は「訪日客は増えたが商品の購買につながっていない」とつぶやきます。消費喚起を図ろうと、金沢市内の百貨店は外国人向けの新たな割引制度を導入しました。
一方、訪日客の増加に伴うトラブルを増加しています。「バスの車中で大声で話す人」「購入した商品を精算前に食べ始める人」がいるとの報告があり、受け入れ体制の整備も 急務となっています。