ゴルフ場のカートを大きくしたような車は、僕らと荷物をのせて音もなく動き出した。
車寄せの先はすぐ真っ暗だったが、タイ人のスタッフは慣れたハンドル捌きで車を走らせた。
急な下り坂を下ると、車は停まった。
「着いたよ」
みたいな顔でタイ人スタッフが僕らの方を向いたので、僕らは車を降りた。
そこにはロビーの建物と同じ白い壁の建物があって、薄暗い中に4階建てくらいのマンションのような建物があった。
スーツケースを降ろし、スタッフは階段を登りはじめる。
僕らはついて行き、1フロア上がった所で客室のドアが無数にある通路へと出た。4部屋目の前に止まると、鍵を開けて部屋の中へと通された。
タイ人スタッフはスーツケースを玄関付近に置くと、
「グッナイ」と言って去って行った。
チップをと考えたが、タイに着いてからまだお金を使っていなかったのでチップに値する少額紙幣や硬貨を持ち合わせていなかった。
それに、「地球の歩き方」に、
"チップの習慣は基本的に無い、しかしリゾート地などではチップを渡すとスマート"
みたいなコトが書いてあった事を思い出し、「俺はスマートじゃねぇし」
と思い気持ちを切り換えた。
もとよりこの、「チップ」という文化がイマイチしっくり来ないのは僕だけだろうか。
正当な費用に加えサービス料を支払っている僕らが、何故さらに小銭を"わざわざ"用意して支払わなきゃならんのか。
釣りを受け取らないくらいならまだスマートに思えるが、何故ポーターに渡さにゃならんのだ。
第一、欧米の習慣を押し付けられているカンジが腹立たしい。
小銭を渡す、「恵んでやった感」もどうも気に入らない。
朝ホテルを出る前に、部屋の掃除とベッドメイクをしてくれたお礼に枕元に数ドル置くのはまだ許せる。
直接手渡すのではないし、部屋の掃除には安すぎる代償だとも思うが、やはり掃除するスタッフもちゃんとそれで給料を貰っているワケで、何か掃除に付加価値を付けるでもないのに、チップを支払うのは相手の為にもならないとも思う。
素晴らしい働きをしたその付加価値の対価としてのチップなら喜んで支払うが、ただ部屋へ案内し荷物を運んだだけで、部屋の使い方の説明もしない男に支払う必要性は微塵も感じない。
そう、結論として「チップ」は、儀礼的、欧米文化に前へ習え的でも、サービスの追加を主目的とした駆け引きに用いるのでもなく、
サービスを受ける側が「これは付加価値だな」
と判断し、それに満足した場合のみ支払う、正当なサービスフィーとして扱い、サービスの更なる向上を目的としたものでなくてはならない。
この文化の発端は、ひょっとしたらそこにあったのかもしれない。
でも今は、チップを受ける側主体の文化だと言えるし、モノのやり取りではないので日本人には馴染まない文化なのではないだろうか。
この「ルームクリーニングにしかチップを払いませんスタンス」は、旅を通じて首尾一貫、きっちり守られるはずだ。
話しがズレたが部屋はというと、とてもオシャレで素敵な部屋だった。
大きなソファーに巨大なベッド。
大胆な配色ながら、白(クリームがかった)のクロスに赤(赤茶に近い)の挿し色でエスニックにもスタイリッシュにも見えた。
天蓋付きのベッド(画像)がリゾート感を強く引き出し、
テーブルに置かれた沢山の果物とワインがさらにリゾート感を増長し、長旅の疲れも忘れてテンションが上がってきた。
しかし時計は夜の7時30分を回ったところ。
お腹が空いてこのままじゃ眠れない。
そういえば、さっきのエヴァソンに入る前に通っていたローカルな道にセブンイレブンがあるって話しを聞いたな。
「よっしゃ!散歩がてら行ってみよ!」
ちなみに「地球の歩き方」情報では、タイは決して治安の良い国とは書かれていなかった。
友人からの情報では、むしろ治安は悪いと聞いていた。
でも、未知の国の暮らしにとても興味があったし、オドオドしていなければ平気だと思っていた。
だし、着いていきなりホテルの豪華料理じゃつまらない。
「地球の歩き方」にも、
"まずショッピングセンターやコンビニで物価の感覚を感じよ"
みたいなコトが書いてあった。
「恐い」と言う奥さんを引き連れ、歩いて10分と教わったコンビニへと向かった。
車寄せの先はすぐ真っ暗だったが、タイ人のスタッフは慣れたハンドル捌きで車を走らせた。
急な下り坂を下ると、車は停まった。
「着いたよ」
みたいな顔でタイ人スタッフが僕らの方を向いたので、僕らは車を降りた。
そこにはロビーの建物と同じ白い壁の建物があって、薄暗い中に4階建てくらいのマンションのような建物があった。
スーツケースを降ろし、スタッフは階段を登りはじめる。
僕らはついて行き、1フロア上がった所で客室のドアが無数にある通路へと出た。4部屋目の前に止まると、鍵を開けて部屋の中へと通された。
タイ人スタッフはスーツケースを玄関付近に置くと、
「グッナイ」と言って去って行った。
チップをと考えたが、タイに着いてからまだお金を使っていなかったのでチップに値する少額紙幣や硬貨を持ち合わせていなかった。
それに、「地球の歩き方」に、
"チップの習慣は基本的に無い、しかしリゾート地などではチップを渡すとスマート"
みたいなコトが書いてあった事を思い出し、「俺はスマートじゃねぇし」
と思い気持ちを切り換えた。
もとよりこの、「チップ」という文化がイマイチしっくり来ないのは僕だけだろうか。
正当な費用に加えサービス料を支払っている僕らが、何故さらに小銭を"わざわざ"用意して支払わなきゃならんのか。
釣りを受け取らないくらいならまだスマートに思えるが、何故ポーターに渡さにゃならんのだ。
第一、欧米の習慣を押し付けられているカンジが腹立たしい。
小銭を渡す、「恵んでやった感」もどうも気に入らない。
朝ホテルを出る前に、部屋の掃除とベッドメイクをしてくれたお礼に枕元に数ドル置くのはまだ許せる。
直接手渡すのではないし、部屋の掃除には安すぎる代償だとも思うが、やはり掃除するスタッフもちゃんとそれで給料を貰っているワケで、何か掃除に付加価値を付けるでもないのに、チップを支払うのは相手の為にもならないとも思う。
素晴らしい働きをしたその付加価値の対価としてのチップなら喜んで支払うが、ただ部屋へ案内し荷物を運んだだけで、部屋の使い方の説明もしない男に支払う必要性は微塵も感じない。
そう、結論として「チップ」は、儀礼的、欧米文化に前へ習え的でも、サービスの追加を主目的とした駆け引きに用いるのでもなく、
サービスを受ける側が「これは付加価値だな」
と判断し、それに満足した場合のみ支払う、正当なサービスフィーとして扱い、サービスの更なる向上を目的としたものでなくてはならない。
この文化の発端は、ひょっとしたらそこにあったのかもしれない。
でも今は、チップを受ける側主体の文化だと言えるし、モノのやり取りではないので日本人には馴染まない文化なのではないだろうか。
この「ルームクリーニングにしかチップを払いませんスタンス」は、旅を通じて首尾一貫、きっちり守られるはずだ。
話しがズレたが部屋はというと、とてもオシャレで素敵な部屋だった。
大きなソファーに巨大なベッド。
大胆な配色ながら、白(クリームがかった)のクロスに赤(赤茶に近い)の挿し色でエスニックにもスタイリッシュにも見えた。
天蓋付きのベッド(画像)がリゾート感を強く引き出し、
テーブルに置かれた沢山の果物とワインがさらにリゾート感を増長し、長旅の疲れも忘れてテンションが上がってきた。
しかし時計は夜の7時30分を回ったところ。
お腹が空いてこのままじゃ眠れない。
そういえば、さっきのエヴァソンに入る前に通っていたローカルな道にセブンイレブンがあるって話しを聞いたな。
「よっしゃ!散歩がてら行ってみよ!」
ちなみに「地球の歩き方」情報では、タイは決して治安の良い国とは書かれていなかった。
友人からの情報では、むしろ治安は悪いと聞いていた。
でも、未知の国の暮らしにとても興味があったし、オドオドしていなければ平気だと思っていた。
だし、着いていきなりホテルの豪華料理じゃつまらない。
「地球の歩き方」にも、
"まずショッピングセンターやコンビニで物価の感覚を感じよ"
みたいなコトが書いてあった。
「恐い」と言う奥さんを引き連れ、歩いて10分と教わったコンビニへと向かった。