
■「SAYURI」・・・原題:「Memoirs of a Geisha」■
世界的ベストセラーとなったアーサー・ゴールデン原作の同名小説を映画化したものです。
製作はスティーブン・スピルバーグ、監督は映画『シカゴ』のロブ・マーシャル。
スピルバーグが作る、日本を題材にした映画。
渡辺謙・役所公司など、日本を代表するの俳優陣の出演。
中国の女優・チャン・ツィイによる芸者。
・・・なんだか、これだけでも興味がそそられます。
と、いうことで、お正月にさっそく観に行ってきました。
★★ ストーリー ★★
貧しさゆえに置屋に売られたひとりの少女。
辛く厳しい日々の中で全ての希望を見失ったとき、運命の出会いが訪れる。
それは“会長”と呼ばれるひとりの紳士(渡辺謙)…。
「もう一度、あの人に会いたい」
儚い願いを胸に少女は美しい変貌を遂げ、
やがて花街一の芸者“さゆり”(チャン・ツィイー)となり、
会長と再会を遂げるが、その先には過酷な運命と激動の時代が待ちうけていた…。
*** (「 SAYURI 」 HPより) ***
最初、「ハリウッドがつくる日本」と聞いて、
「欧米人がイメージしそうな(好きそう)日本」
「日本やら、中国がごちゃ混ぜになったような、インテリヤ・ファッション・町並み」
・・・な感じの映画を思い浮かべました。
実際は、日本の時代劇に見慣れた私たちにはまだ少し違和感が残るものの、
うまく、そして、美しく、「日本の情緒」のようなものを表現されていたように思います。
さすが、2002年『シカゴ』で初監督ながら、独自の映像美でアカデミー賞最優秀作品賞を受賞しているロブ・マーシャル監督だけあります。
主役の日本人芸者を演じた中国人・チャン・ツィイを始め、
重要な役どころを演じた日本人でないアジアの女優さんたち。
そして、日本人のお話なのにセリフがすべて英語であるところ。
これらについても、思ったより違和感なく観ることができました。
この映画にリアリティーを求めると、
*芸者は中国人!
*セリフは全部英語!
・・・それって、へーん!! ってな話になってしまいますが、
「日本のお話」というよりも、「日本の情緒を残す日本的な国のお話」として観ると、ぐっと観やすくなると思います。
そう、「千と千尋の神隠し」のような。
「日本的」だが、「日本ではない、架空の国のお話」として割り切れば、
「ハリウッドがつくる日本」に対する偏見がすっと消えて、
純粋に作品を楽しめるのではないかと思います。
監督自身、
「『シカゴ』の時も20年代から40年代を雰囲気でみせたように、20年代を描いた『SAYURI』でも、あえて「京都」は「都」に、「白川」は「曽根川」に変更して厳密なリアリティよりも、雰囲気で美しさを追求したのです。」
・・・と、雰囲気を大切に描いたと語っています。
実際、芸者の稽古場は、「千と千尋の神隠し」で出てくる「おゆば」のような建物でした。(余談ですが
ただ、ストーリーは、あまり斬新さがなかったというか、
今までにあった映画やミュージカルにも似たような展開があったなぁ、
と思うような内容だったように思います。
最後も、途中で「こうなるかも」と予測できましたし。
(原作がある話なので、仕方がないのですが。)
それに、欧米人には「SAYURI」のような「2番目の女で甘んじる」という生き方は理解できたのだろうか。
・・・という疑問もありました。
まぁ、小説・オペラ「椿姫」や「マノン・レスコー」が受け入れられているなら、
これもありなのかもしれませんが。
ただ、それでも、映像美・アジアスターの活躍・日本人俳優人の活躍など、
見所は色々ありました。
あと、チャン・ツィイの「舞い」は見物です。
中国の舞踊を習っていただけあって、映画で披露されている「舞い」はとても美しいものでした。
時にはしっとりと「日本的情緒」を味わいたいなら、
一度ご覧になってみるのもいいかもしれません。
監督:ロブ・マーシャル
◆ キャスト[俳優・女優の出身] ◆
さゆり…チャン・ツィイー[中国]
会長…渡辺謙[日本]
豆葉…ミシェル・ヨー[マレーシア]
延…役所広司[日本]
おカボ…工藤夕貴[日本]
初桃…コン・リー[中国]
おかあさん…桃井かおり[日本]
さゆり(少女時代)…大後寿々花[日本]
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
劇場情報:12月10日より日米同時公開
公式ホームページ:「 SAYURI 」
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世界的ベストセラーとなったアーサー・ゴールデン原作の同名小説を映画化したものです。
製作はスティーブン・スピルバーグ、監督は映画『シカゴ』のロブ・マーシャル。
スピルバーグが作る、日本を題材にした映画。
渡辺謙・役所公司など、日本を代表するの俳優陣の出演。
中国の女優・チャン・ツィイによる芸者。
・・・なんだか、これだけでも興味がそそられます。
と、いうことで、お正月にさっそく観に行ってきました。
★★ ストーリー ★★
貧しさゆえに置屋に売られたひとりの少女。
辛く厳しい日々の中で全ての希望を見失ったとき、運命の出会いが訪れる。
それは“会長”と呼ばれるひとりの紳士(渡辺謙)…。
「もう一度、あの人に会いたい」
儚い願いを胸に少女は美しい変貌を遂げ、
やがて花街一の芸者“さゆり”(チャン・ツィイー)となり、
会長と再会を遂げるが、その先には過酷な運命と激動の時代が待ちうけていた…。
*** (「 SAYURI 」 HPより) ***
最初、「ハリウッドがつくる日本」と聞いて、
「欧米人がイメージしそうな(好きそう)日本」
「日本やら、中国がごちゃ混ぜになったような、インテリヤ・ファッション・町並み」
・・・な感じの映画を思い浮かべました。
実際は、日本の時代劇に見慣れた私たちにはまだ少し違和感が残るものの、
うまく、そして、美しく、「日本の情緒」のようなものを表現されていたように思います。
さすが、2002年『シカゴ』で初監督ながら、独自の映像美でアカデミー賞最優秀作品賞を受賞しているロブ・マーシャル監督だけあります。
主役の日本人芸者を演じた中国人・チャン・ツィイを始め、
重要な役どころを演じた日本人でないアジアの女優さんたち。
そして、日本人のお話なのにセリフがすべて英語であるところ。
これらについても、思ったより違和感なく観ることができました。
この映画にリアリティーを求めると、
*芸者は中国人!
*セリフは全部英語!
・・・それって、へーん!! ってな話になってしまいますが、
「日本のお話」というよりも、「日本の情緒を残す日本的な国のお話」として観ると、ぐっと観やすくなると思います。
そう、「千と千尋の神隠し」のような。
「日本的」だが、「日本ではない、架空の国のお話」として割り切れば、
「ハリウッドがつくる日本」に対する偏見がすっと消えて、
純粋に作品を楽しめるのではないかと思います。
監督自身、
「『シカゴ』の時も20年代から40年代を雰囲気でみせたように、20年代を描いた『SAYURI』でも、あえて「京都」は「都」に、「白川」は「曽根川」に変更して厳密なリアリティよりも、雰囲気で美しさを追求したのです。」
・・・と、雰囲気を大切に描いたと語っています。
実際、芸者の稽古場は、「千と千尋の神隠し」で出てくる「おゆば」のような建物でした。(余談ですが
ただ、ストーリーは、あまり斬新さがなかったというか、
今までにあった映画やミュージカルにも似たような展開があったなぁ、
と思うような内容だったように思います。
最後も、途中で「こうなるかも」と予測できましたし。
(原作がある話なので、仕方がないのですが。)
それに、欧米人には「SAYURI」のような「2番目の女で甘んじる」という生き方は理解できたのだろうか。
・・・という疑問もありました。
まぁ、小説・オペラ「椿姫」や「マノン・レスコー」が受け入れられているなら、
これもありなのかもしれませんが。
ただ、それでも、映像美・アジアスターの活躍・日本人俳優人の活躍など、
見所は色々ありました。
あと、チャン・ツィイの「舞い」は見物です。
中国の舞踊を習っていただけあって、映画で披露されている「舞い」はとても美しいものでした。
時にはしっとりと「日本的情緒」を味わいたいなら、
一度ご覧になってみるのもいいかもしれません。
監督:ロブ・マーシャル
◆ キャスト[俳優・女優の出身] ◆
さゆり…チャン・ツィイー[中国]
会長…渡辺謙[日本]
豆葉…ミシェル・ヨー[マレーシア]
延…役所広司[日本]
おカボ…工藤夕貴[日本]
初桃…コン・リー[中国]
おかあさん…桃井かおり[日本]
さゆり(少女時代)…大後寿々花[日本]
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
劇場情報:12月10日より日米同時公開
公式ホームページ:「 SAYURI 」

「おっ!」と思ってくださったら、1クリックいただけると嬉しいです。(^^)/
監督が良ければ、じゅうぶん楽しめますもんね。
それに、日本の女優を主役にしたら、
かえってその人の今までのイメージと重ねちゃうだろうから、
よく知らない中国人の女優(あ、有名なのかな?)にしたことで新鮮で良かったかもですね。
仰るように、上手に、丁寧に製作されているのがよくわかりましたね。好感が持てます。
二番目の女=夜の妻(変な言い方ですよね?)(笑)
で欧米の女性が満足するはずないでしょうけど、日本の女性なら…と思っちゃう外国の方がいて、日本にきたら「あの映画は、嘘じゃない!」と思うかな? 違うかな…。
>よく知らない中国人の女優(あ、有名なのかな?)にしたことで新鮮で良かったかもですね
そうですね。
中国人とはいえ、アジア人ですから、
外見上はさほど違和感ありませんでしたし、
日本そのものが、日本的で日本でないような、オブラートに包んで表現したような感じでしたので、かえって、日本人女優よりも幻想的でよかったのかもしれません。
>あかん隊 さん
ご訪問ありがとうございました。
>日本の女性なら…と思っちゃう外国の方がいて、日本にきたら「あの映画は、嘘じゃない!」と思うかな? 違うかな…。
どうでしょうねぇー。(笑
微妙・・・な気がしますね。
今は、女性も自己主張をするようになって、強くなってますからねぇー。。。
>仰るように、上手に、丁寧に製作されているのがよくわかりましたね。好感が持てます。
ほんとに、きれいでしたね。
画家・モネの作品を思わせるような庭園・芸者の立ち姿。
リアリティーは別にして、あの映像はあれで、見とれてしまいました。
だからこそ、「ハリウッドが描いた日本」という偏見を取り除いて、素直に見ることができたのかもしれません。