シドニーの風

シドニー駐在サラリーマンの生活日記です。
心に映るよしなしごとをそこはかとなく書き綴ります…祖国への思いを風に載せて。

ワイドショー化

2009-05-08 08:41:49 | あれこれ
 こちらのSBS World Newsで朝・昼・夕方・夜と一日4回、NHKニュースが30分流れますが、最近の報道を見ていると、随分、NHKもワイドショー化してきたのを感じます。ワイドショー化というのが言い過ぎであれば、何事にも、それが日本に関するものである限りは、敏感に(時に過敏に、時に扇情的に、時に潔癖症と思われるほど過剰に)反応している気がします。ワイドショーと言えば、朝夕の報道番組の合間(特に午後2時とか3時)に、主婦層を主な視聴ターゲットとして、様々な事件の顛末を物語風に再構成しながら視聴者の「隣は何をする人ぞ」的な覗き趣味と言って悪ければ知的好奇心を満足させる、いわば報道半分の娯楽です。おそらく昨今の民放の報道番組が、かつての報道番組と比較して、軸がワイドショー寄りになっているのを、NHKも遅まきながら追いかけている構図ではないかと察します。
 例えば、草なぎ剛さんの公然わいせつ罪とは何事かと思えば、ちょっと酔っ払って騒いだのは近所迷惑だとしても、草木も眠る丑三つ時に公園で服を脱いだくらいではそれほど公序良俗に反するとも思えませんが、繰り返し報道され、お詫びの会見まで(しかも天下のNHKで!)追いかけられていたのを見ると、有名税とは言えちょっと過剰反応で、却って気の毒なほどでした(もっとも家宅捜索されたところを見ると、薬物疑惑など別件を連想させますが、裏づけもなしにそこまで踏み込むことは出来ません)。西松建設の違法献金にからむ小沢一郎さんの公設秘書逮捕と進退問題にしても、情報リークされ、逮捕・起訴前から追及されていたのも行き過ぎでしたし、責任問題論議があちらこちらに飛び火して、揚げ足をとるような騒ぎになったのも、やはりちょっと過剰な反応だったように思います。北朝鮮のミサイル発射問題にしても新型インフルエンザにしても、重要性は認めますが、ちょっと過熱気味で、報道自体はもう少し冷静であって欲しいと思います。
 日本のテレビ番組は、ここオーストラリアと対比するとなおのこと、バラエティー番組にしてもドラマにしてもワイドショーにしても、日夜接する娯楽性という点で非常によく出来ていて楽しめます。世界に冠たる日本のアニメ文化の裾野を形成していると言っても過言ではありません。昨日の続きではありませんが、今後は日本ももっと多様性を認める社会になるべきだし自然にそうなって行く(現にそうなっている)と思いますが、報道も含めてテレビ界の全体が(あるいは社会の全体が)児戯的な娯楽性に傾いているとすれば問題です(児戯的な、という意味は、社会科の教科書を思い出せば分かる通り、小学校低・中~高学年にかけて、身近な町から説き起こし、それが都道府県レベルになり、やがて日本全土や更には世界に広がるといった具合いに、子供は成長とともに世界観を広げていくわけですが、それと逆行するかのような日本国内だけの引きこもり、独善性を指しています)・・・なんて日本のテレビ番組を見られない僻みですね。


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