シドニーの風

シドニー駐在サラリーマンの生活日記です。
心に映るよしなしごとをそこはかとなく書き綴ります…祖国への思いを風に載せて。

日本の政治風景

2009-06-02 21:02:56 | あれこれ
 今日は久しぶりに、日本の政治風景(所謂政局)をめぐる無責任な四方山話です。
 民主党代表になった鳩山さんを見ていると、ようやく小沢前代表のくびきを離れて晴れ晴れとして見えるところは如何にも素直で可愛くもあり憎めませんが、さすがに野党根性が抜けて、政権党を目指す党首としての自覚が芽生えて来たのは良いとして、少々、高飛車に見えるのは如何なものかと思います。恐らく世論調査の結果、麻生首相より高い支持率を背景にして強気になっているものと思われますが、国民のマジョリティは、麻生さんだろうが鳩山さんだろうが政治に対して不信任を表明していることを忘れないで欲しいと思います。麻生さんと鳩山さんの対決は所詮はコップの中の争いでしかなく、まるで鳩山さんが多くの国民の支持を得ているかのような物の言いは笑止千万、控えて欲しい(それはその他の弱小野党にも当てはまります)。そもそも民主党が代弁する国民とは誰のことを言っているのか? 多様な国民をひと括りにするいい加減さ、まるで様々な利害をもつ国民の立場を全て慮るかのような非現実性は、30年前ならいざ知らず、今の時代において無責任以外の何ものでもありません。「友愛」というキャッチフレーズも、内向き志向が如実に表れていて、寂しくなります。
 先日の党首討論でも、麻生さんが極めて伝統的な日本の政治家よろしく本音で国民に語りかけない不遜な態度をとり続ける以上、鳩山さんにはいろいろ攻め方があったと思いますが、十年一日の如く、お互いの揚げ足取りに終始したのを見ると情けなくなりました。そもそも日本に二大政党制が必要なのかどうか、胡坐をかいている自民党には刺激になって良いと思いますが、民主党には、何の検証もなく、既定の事実として対立を先鋭化するのは、我田引水と思われても仕方ありません。
 先日、佐伯啓思さんが、産経新聞に、二大政党制について素朴な疑義を表明されていました。そもそも二大政党制を擁するのは、階級対立や明確な理念の対立を抱える国だけで、イギリスにおける資本家と労働者階級の対立が然り、アメリカの建国の理念を追求する保守党と多様な民族を抱えて新たな国家像を目指す民主党の対立もまた然り、と言うわけです。それに引き換え日本にそういったレベルの明確な対立軸があるのかどうか、また、ソ連が崩壊した今、自民党と民主党という、既にそれぞれに右から左まで党内各種派閥を抱えてヌエのような存在で、政策面で明確な対立を演出出来るのかどうかは、極めて疑問だと言わざるを得ません。
 日本の社会には、これまでは自民党のような存在が座りが良かったと思いますが、さすがに都市と地方に関する現実とのギャップ、成熟した多様な社会における官僚主導の限界、自民党の中のリーダーシップの欠如(短命総裁続きで人材枯渇)、派閥間競争の柔軟性欠如と、いずれもこれからの日本の舵取りを担うには不安が一杯ですが、自民党ではダメだから、たまには政権交替して、民主党にやらせて見せたらどうか・・・などと呑気なことを言っていても良いのでしょうか。国際社会における日本という国家の危機意識が足りなさすぎるように思います。


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