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The Brews について誰よりも深い地点

2008-03-16 | more NOFX
Nofxの曲のクオリティの高さは我々の間では周知の事実ですが、彼らはメッセージを強く伝えたいときは絶対に凝ったことはせず、シンプルな曲に歌詞をのせている。だからこそ誰でも歌える曲になるわけですが、そのなかでも「The Brews」の歌詞が秀逸。ただし日本盤オフィシャルの歌詞和訳や一部の和訳サイトの歌詞では本来のニュアンスがうまくわからないと思うので、今日はBrewsについて誰よりも深みに入ることを目指す。ただし多分に推測が混じってますのでご了承を。

Fat Mikeはユダヤ系の血を引いているらしいとのことなので、ナチに対してはやはり快く思っていないはずだ。当時の西海岸のナチパンクブームにビアフラよろしくファックオフと言いたいところをナチパンクス風の、つまりoiパンク風で最高のパンクを拵えたことが爽快、これぞパンク精神。そういうことなので歌詞中にはナチとユダヤに纏わる固有名詞が頻出してきます。これらの言葉はイディッシュ語という言語でドイツやヨーロッパ~ロシアなどで話されていたユダヤ人の言語をつかっていますが、ご存知のホロコーストによって話せる人口が激減、いまでは半ば崩壊している言語(ウィキペディア参照)。この言葉をわざわざ使っているFat Mikeの心情を考えるとやはりただならぬ感情のこもった歌詞であることはまちがいありません。
The Brewsが曲のタイトルですが最初の「T」を抜いた言葉「Hebrew」ってヘブライ語、つまりヘブライ語を話す者=ユダヤ人ってこと。このあたりの言葉遊び(彼ら風にいうならPun)もさすが。ユダヤ人ゲットーでもナチ・パンクス・ブームの波が来て、ユダヤ人は肩身の狭い思いをしたとは思うが、この歌はゲットーのユダヤ人のその少年達に捧げた歌らしいのだ。NoFX特有のおちょくり方満載の歌だけど、ユダヤ人の少年達を昂ぶらせる歌であろうと思う。たいていの日本語の訳詩は解説を入れていかないとその辺がうまく伝わらない。「We've got the might~」からのラインが最高です。

Friday night we'll be drinkin' Manashevitz
Friday night(金曜の夜)とはユダヤ教でsabbath(安息日)の始まりで金曜深夜に始まり土曜まで続く。Manashevitzhaはユダヤ人がsabbathに飲む典型的なワイン。
goyemとはユダヤ人じゃない人のことで、こと言い方はかなり蔑んだ言い方。
Stompin' shagitz, screwin' shicksas
shagitzはユダヤ人ではない男、shicksasはユダヤ人ではない女
anti swastika tattoos=反カギ十字、つまりナチスのマーク
Orthodox, hesidicはどちらもユダヤ教の要注意なセクト
The fairfaxはカルフォルニアでも多くのユダヤ人が集まっている地区
mashuganasは頭のネジがぶっ飛んでしまっている人のこと
the chosen ones=「選らばれし者達」ユダヤ教は選民思想です。
Chutspahは英語にしても難しい表現みたい。「成功の見込がある」とかそんな感じの意味が近いらしい。
separate our milkplates from our meat
ユダヤ人はミルクと肉を一緒に食べたりしない、らしい。
oiはoiパンクのオイだけど、これもPunらしい。ユダヤ人の「oy」とかけていて、これは「jejus」「geez」とかそういう感じ。


The Brews
Friday night we'll be drinkin' Manischewitz, goin' out to terrorize goyim
Stompin' shegetz, screwin' shiksas, as long as we're home by Saturday mornin'
'Cause hey, we're the Brews, sportin' anti-Swastika tattoos ― Oi! Oi!
We're the boys, the Orthodox, Hasidic, O.G. Ois
Orthopedic Dr. Martens good for waffle-makin', kickin' through the shin
Reputation gained through intimidation, pacifism no longer tradition
'Cause hey, we're the Brews, sportin' anti-Swastika tattoos ― Oi! Oi!
We're the Brews, the Fairfax ghetto boys, skinhead Hebrews
We've got the might, we're psycho meshuggahnas
We can't lose a fight as we are the chosen ones
Chutzpah-driven, we battle then we feast
We celebrate, we separate our milk plates from our meat
We're the Brews, sportin' anti-Swastika tattoos (Oi! Oi!)
We're the boys, the Orthodox, Hasidic, O.G. Ois
Dai Dayenu...

金曜の夜はワインを飲んでユダヤ人じゃない奴らを脅しに行こう
土曜の朝まで俺達が家にいる間、踊ってる男やヤってる女どもを

俺達はユダヤ人だ
ナチマークタトューの奴らをからかってる(Oi!Oi!ってな)
the Orthodox, Hasidic, O.G. Oisのガキなのさ

ドクターマーチンは脛骨を蹴り上げるのに最適だ
脅迫で得た名声、平和主義は流行らないからな

俺達はユダヤ人だ
ナチマークタトューの奴らをからかってる(Oi!Oi!ってな)
俺達はユダヤ人ゲットーのガキ、スキンヘッドのヘブライ人だ

俺達は強い
俺達はぶっ飛んでる
俺達は誰にも負けない、なんせ「選ばれし者」だからな
全て上手く行ってる
俺達は祝祭の時に戦うんだ

祝福しよう!
ミルクプレートと肉を分けよう

俺達はユダヤ人だ
ナチマークタトューの奴らをからかってる(Oi!Oi!ってな)
the Orthodox, Hasidic, O.G. Oisのガキなのさ


※多くの対訳のようにspotin' を「誇示する」とか訳すのが普通で、「おちょくる」という意味にするなら sport with とか sport at という形にしないといけない。しかしナチタトューを誇示する、の歌詞だとユダヤ人のための歌としてはおかしくなるような気がする。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ひらた)
2008-03-18 16:14:54
ほぉ~~~~~~~~~!!!!!!!!!

感嘆!!!

素晴らしい、エントリだ!!!
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oh! (mizutani)
2008-03-19 02:59:06
コメントが!

このエントリをアウトプットするために何倍もの情報をインプットしましたぞ。結果brewsの名曲度が高まりました。
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