平成20年6月21日(土) 天候 雨のち曇り
“歩いて巡拝(まいる)知多四国”第6回目のコースは,東海市にある五つの寺院を巡る。スタート地点の新日鉄前駅を9時30分に出発し,86番~82番札所へと南下する。前日の予報では,“所により激しい雨”と予想されており参加を躊躇していたが,明け方,インターネットのピンポイント予報で雨雲が東へ進み,日中は曇りがちとの最新情報を見て参加を決意した。無論,雨具の用意は怠らない・・・。
<本日のコース>
新日鉄前駅~0.6km~観音寺~2.4km~清水寺~1.5km~玄猷寺~1.9km~弥勒寺~1.0km~観福寺~0.6km~高横須賀駅(全行程 約8.0km)
第八十六番 大悲山観音寺(ご本尊 聖観世音菩薩,宗派 真言宗智山派)
新日鉄前駅からわずか600mほどの距離にある「大悲山観音寺」,スタートする頃から小雨が降り出し,過去5回に比べて人出は少ないものの,傘をさした熱心な巡礼者の列が続く。納経所でご朱印をいただく際,朱印帳が濡れないようビニールの袋に入れ細心の注意を払う。
観音寺弘法堂
観音寺は,書道上達,学業成就の筆弘法として知られ,また,家内安全,厄除けごま祈祷が修められる。毎年8月10日には,青竹の先に下がった提灯をもぎ取る「提灯祭」が行われることで有名である。
第八十五番 慈悲山清水寺(ご本尊 聖観世音菩薩,宗派 浄土宗)
86番札所から2.4kmほどの距離にある「慈悲山清水寺」,途中から激しい雨に見舞われて,雨具のポンチョをいつ着ようかと迷いつつ,これも修行の内と腹をくくり足を運ぶ。寺から少し離れた公民館前に設けられた臨時の納経所には,テントが設営されているものの,あまりにも激しい雨に皆必死の様相である。
寺では,ろうそくや線香をあげる余裕もなく,写真も撮ることもできない。ここは,“火防せの観音様”として信仰され,ご本尊の「聖観世音菩薩」は伝教大師作の秘仏で市の指定文化財となっている。激しい雨の中,お参りもそこそこに清水寺を後にする・・・。
第八十四番 瑞雲山玄猷寺(ご本尊 十一面観世音菩薩,宗派 曹洞宗)
85番札所から1.5kmほどの距離にある「瑞雲山玄猷寺」,激しい雨は一向に衰えを見せないため,民家の軒先を借りて雨具の用意を始めたものの,被服はすでに雨が滲み込み・・・,結局そのまま先を急ぐこととした。玄猷寺の建物が見え始めたものの,車の往来を避けて寺を大きく迂回する形で広い境内へ入る。
玄猷寺弘法堂
本堂の左手に弘法堂が,右手には新しく建立したばかりの立派な建物が人目を引く。さらにその右手の建物は普請が進行中のようだ。寺宝の「聖徳太子像」は,比叡山延暦寺・鶏足院の寺宝だった像で,比叡山焼き討ちの際,この地(姫島)出身の羽柴秀吉の足軽が救い出し,持ち帰ったものだと言う。本堂中央付近ではお茶の接待が施されており,乾いた口を潤し,一息つく・・・。
第八十三番 待暁山弥勒寺(ご本尊 弥勒菩薩,宗派 真言宗智山派)
84番札所から1.9kmほどの距離にある「待暁山弥勒寺」,途中から,雨も小降りになり,弥勒寺に着いた頃には雨も上がっていた。境内入口付近に本堂が,中央に八角形のご宝塔,その奥に弘法堂がある。この寺は,願い事の叶う寺・現世利益の寺として,多くの参詣者が訪れる。
弥勒寺弘法堂(奥)とご宝塔(右手)
八角形のご宝塔(お塔さま)の内部は,絢爛たる色彩が施され,現世利益祈願の供養塔「宝篋印塔(ほうきょういんとう)」が祀られている。この「宝篋印塔」の周りをぐるぐる回ると願いが成就するという。毎月,1日と8日が縁日で,多くの人で賑わう。境内には露店が並び,みたらしだんごを口にする人,昼食を取る人の姿が目に映る。
第八十二番 雨尾山観福寺(ご本尊 十一面観世音菩薩,宗派 天台宗)
83番札所から1.4kmほどの距離にある「雨尾山観福寺」,薄日が漏れ始め,濡れた傘を差しながら今日最後の札所観福寺へと向かう。立派な山門の両脇にはカッと目を開いた“あ”“うん”の仁王像が迎えてくれる。この仁王門には,新旧2対の仁王像が安置されている。先日,テレビで放映していたが,旧の仁王像は運慶作と言われることから,そのまま残すことになったという。
観福寺弘法堂
ご本尊を安置する宮殿は,鎌倉時代の建築様式を伝えるもので国の重要文化財に指定されている。また,この寺は,南知多の岩屋寺,常滑の高讃寺と並ぶ知多三山の一つで,いずれも行基菩薩が開創した名刹である。参拝の後,接待のお茶と美味しいお漬物をいただく。境内には露店が並び,鳥の串焼きなどが売られていた・・・。第6回巡拝の印として,“本来無東西(ほんらいむとうざい)”の“本”の字を記した散華をいただき,寺を後にする。
82番札所から600mほどで高横須賀駅へ,12時20分無事にゴール。今日は,新日鉄前駅をスタートして2時間50分,昼食を取らずに一気に巡拝したこともあって比較的早い行程となった。次回は7月19日,内海駅からスタートし,日間賀島と篠島を巡るコースである。