諏訪山岳会公式ブログ

諏訪地域の山好き、クライミング好きが集まって、ウラヤマからヒマラヤまで四季を通じてオールラウンドに活動しています。

穂高縦走

2018年09月28日 | 縦走・ピークハント
槍平~南岳小屋~北穂~奥穂~西穂~焼岳
日時:9月17~20日
U山

好天を見計らって紅葉一歩手前の穂高を歩いてきました。


<キレットを振り返る>
17日 晴れのち一時雨 新穂高~槍平小屋 

歩き始めて間もなく、かつては無料温泉があったバスターミナルが無くなっていることに気が付いた。新穂高をを最後に訪れたのは2011年の年末のことで、7年の時の移ろいを感じる。

穂高平小屋には、前回(7年前)には無くなっていた西穂西尾根の標識が再び掲げられていて、夏道を再整備したのだろうか?と思ったのだが、二日後に西穂頂上から見た限りではその気配はなかった。
小屋前の広場には携帯の中継局を設置中で10月半ばぐらいには開局するらしい。
かつては、冬は西穂から北では携帯は通じなかったが、現在もこれと状況は同じだとすると、これは積雪期の穂高登山にとって朗報である。

 
<西穂西尾根の道標と設置中の携帯中継局>

穂高平から右俣谷沿いに単調な水平道をひたすら辿り滝谷出合いを経て槍平小屋に3時前に到着。河原沿いのテン場にテントを張って一息ついたら雨が降り始め、フライをたたく雨音を聴きながら夕餉の支度をする。
雨はしばらく続いたが、夕方には止んで、雲間に浮かんだ半月がテント4張りの静かなテン場を照らした。


18日 晴れ 槍平小屋~南岳小屋~キレット~北穂~穂高岳山荘

この日は、天気が回復し素晴らしい展望に恵まれた。


<朝の笠ヶ岳>

槍平から南岳小屋に上がりそこからキレットへ下る。キレットへの下りは以前に比べると整備が進み(ザレ場のステップ等)随分と歩きやすくなったような気がした。

この日は平日だというのキレットを超える登山者は引きも切らない。こんな調子だと、三連休とか紅葉の週末はどれほどの混雑になるのだろう?


<長谷川ピークを行き交う登山者>

<北穂>

北穂、ドームと超えて奥壁バンドの手前まで来たらM上ガイドにばったり遭遇。
なんでもお客さん二人を連れて西穂~奥穂の縦走に来たのだが、混雑を避けて西穂山荘を早めに出たら穂高岳山荘に早く着きすぎてしまったので北穂小屋まで足を延ばしているところとのこと。互いの無事を祈って先に進む。

この頃になると、久々の重荷と長時間歩行で足元の抑えがだんだん効かなくなってきたので、ペースダウンして安全優先で進む。ちなみに今回は、冬への体慣らしの目的で、豊富な(余計な)食糧、アルコール、水、使いもしないロープ、登攀具等を担いでいたので、結構大きなザックになってしまった。トレラン風のセミが止まったようなザックを担いでいる人達が大勢いた中で、その大きさは異彩を放っていたかもしれない。

  <涸沢岳から奥穂を仰ぐ> 

穂高岳山荘着は16:00前。ずいぶん遅くなってしまったのでテン場は8割方埋まっていたが無事テントを張り終え、このテン場ならではのゴージャスな風景を眺めながらビールを片手に夕食を取る。

 
<テントからの山並み>

久々の長時間行動で疲れていたので、あたりが夕闇に包まれ始めたところで即就寝。
とっぷり暗くなってから一度目が覚めた時、仲間のテントに向けて”遅くなってゴメン”と言いながら二人の登山者が到着。これは極端な例なのかもしれないが、全体的に登山者の行動終了時間が遅くなっているような感じがして気になった。


19日 晴れ 穂高岳山荘~奥穂~西穂~西穂山荘

この日も天気に恵まれ、大展望の中を適度な緊張感とともに奥穂、ジャンダルムと気持ちよく進む。
 
  
 
 <奥穂からの眺め>

天狗のコルで休んでいたら、天狗沢を上がってくる人がいて、聞けば岳沢から明瞭なトレースが続いているそうだ。

その先、天狗岳、間ノ岳を超える。
 

<間ノ岳>

個人的にはここいらが冬の西穂~奥穂の核心部だと思うが、7年前は気を張り詰めて通過したせいだろうか、尾根の細かいところまでよく記憶に残っていて意外な感じがした。

間の岳の先のコルで休んでいたら”ラク”のコールとともに、かなり規模の大きな落石の大音響。これだから、このルートでのヘルメットは欠かせない。

西穂に11時過ぎに到着。

<西穂 笠ヶ岳をバックに>

西穂からの下りは昨日同様、少しバテ気味。日ごろからの登山不足(?)とトシを思い知らされる。

独標では、十数名の中高年パーティーによる下り渋滞が発生。ピークからわずかな距離の岩場の通過に30分以上かかるという有様で、堪忍してほしいというのが本音である。


<丸山付近から西穂を仰ぐ>

西穂山荘のテン場は毎度の過密状態で辟易させられる。おまけに飲料水は全て有料(穂高岳山荘はテント宿泊者は無料)とあっては、次回以降はなるべくここを使わずに済むように計画を立てようと思うのだった。


20日 曇りのち雨 西穂山荘~中尾峠~焼岳ピストン~中尾温泉

二日続いた好天も終わりを告げこの日は高曇りで始まった。

中尾峠までの登山道は至る所に水たまりや水たまり跡が続き、夏は結構ぬかるに悩まされるのではないだろうか?時折樹林が開けたところにでると尾根の続きに穂高が遠くに見えたり、大正池が真下に見えたりと、これまでに見たことが無い山岳風景を楽しめた。




<霞沢岳と大正池 初めて見るアングル>

中尾峠から焼岳へは、短い樹林帯を抜けると一気に視界が開け、常に頂上を見上げながらの登りになる。登山道わきには、水蒸気を吹き上げる岩穴が見られたりして、反対側の中ノ湯からの登山道に比べて変化に富んでいるように思われた。
この登山道は外国人も多く、上高地観光のアクティビティーの一つとして焼岳登山は人気があるのかもしれない。
 

<焼岳への登り>

今回の山行の最後のピークの焼岳に11時前に登頂。
曇り空ながら、これまでに歩いてきた穂高の峰々が一望でき、フィナーレにふさわしい眺望が得られた。
 

<焼岳ピークから来し方を振り返る>

中尾峠からの下りはじめにポツポツ来た雨は途中から本降りになって昨日までの好天と引き換えの雨の締めくくりとなった。

中尾温泉まで下ってからはバスで新穂高まで戻ったが、今回は事前調査が不十分だったので、中尾高原口(錫杖に行くときに車を停める広場のバス停)まで延々と歩き下ってしまった。が、中尾温泉を抜けたところの足湯までバスは上がって来てくれるので30分ばかり余計に歩いてしまったことを後で知った。
また、バスに乗ってからも、深山荘前というバス停で降りれば車は目と鼻の先だったのだが、それを見逃して昔のバスターミナル(新穂高温泉)まで乗ってしまったので、これまた15分ぐらい歩き戻るハメとなった。


 <中尾温泉からは錫杖がよく見える>

帰りは、平湯温泉バスターミナルの大浴場で汗を流すつもりだったが、この日は平日で、すでに営業は終了。代わりに坂巻温泉に寄った。ここは、こじんまりとしているものの湯量は豊富、入浴代も¥600と安いのでお勧めです。

以上



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