大同心北西稜
ルート:大同心北西稜
日時 :2月7日
メンバー:Mar、U山
大同心北西稜に行ってきました。
緊張感が続く登り応えのあるルートでした。
この計画、もともとは1月最後の週末に予定していたが雨で延期になり、この週も第一候補の土曜の天気がいまいちということで一日待ったところ、
当日は穏やかな天気に恵まれて大正解でした。
この日は美濃戸を5時半前に出発し、大同心稜を経て9時半をまわったところで北西稜に取り付きました。
<北西稜は左のスカイライン付近>
<取り付きに向けて大同心基部を下降>
この日の北西稜は、姿は見えないけど先行しているはずのガイドパーティー、我々、
そして後続は大同心大滝から継続の気合の入った男女ペアの計3パーティーでした。
1P目 ピナクル目指しフェース~凹角 25m
遠目にはどおってことないのだが、いざ取り付いてみると体感傾斜が強く、早々に2枚はめていた手袋の外側を外して登ることに。
遠目にはどおってことないのだが、いざ取り付いてみると体感傾斜が強く、早々に2枚はめていた手袋の外側を外して登ることに。
このピッチ、どこかのブログにⅢ級とか書いてあったよな? この先どーなる?
1.5P目
ピナクルを超えてルンゼ(裏同心ルンゼ)に下り100mぐらい歩いて右側のリッジへ。
ピナクルを超えてルンゼ(裏同心ルンゼ)に下り100mぐらい歩いて右側のリッジへ。
リッジを見上げると先行するガイドパーティー(5人)が核心部の3P目を登っているのが目に入った。
<核心部を登る先行パーティー>
2P目 傾斜の緩い草付き 20m
3P目 傾斜の強い凹角~草付き 30m
核心のピッチ。遠目に見るとどおってことない凹角なのだが、いざ取り付いてみると1P目同様、体感傾斜が強く、途中が少しかぶっている。
そのかぶりを超えるまで残置ピンが無く小さな岩角に気休めランナーをかけての緊張の登りを強いられる。
下の凹角をぬけるといったん傾斜が緩むが、その先の草付きも登るにつれて傾斜が強くなり気が抜けない。
ビレイ点手前の残置ボルトにプロテクションをとって、最後の登りにかかったところでバイルの紐が絡んでしまったので、
それを直そうとあれこれやっていたらスタンスの雪が崩れて不覚のフォール。
ロープの弛み分含め5mほど落ちてロープにぶら下がり後続パーティーに醜態をさらしたが怪我なくてよかった。
登り上がったビレイ点は、風の吹き曝しで、おまけに陽が当たらないので寒くて仕方がない。
この日の帰りがけにおつたさんのところに寄ったら”今日は暖かくてよかったら”と言われたがそんな日でもこの寒さなのだから、
この時期は天気が良くない限り取り付かないほうがいいだろう。昨日無理して来ないで大正解だった。
4P目 リッジ~草付き~ルンゼ~草付き 50m
このピッチもプロテクション無し+かぶった出だしが核心。さらにビレイ点の空間への露出度が高いので下のピッチ以上に緊張する。
後で聞いたら右に回り込むラインもあるらしいが、そちらは雪と氷に覆われていて却下。
緊張の中、やや込み入った手順でかぶりを超えると傾斜は落ちて一安心。岩場をぬけて草付き帯にロープを目いっぱい伸ばす。
4.5P目
樹林帯を経てドーム取り付きまでほぼ歩き。50m
樹林帯を経てドーム取り付きまでほぼ歩き。50m
ドーム取り付き付近はルート中で唯一日が当たる場所。
暖かいので、昼食をゆっくりとりながら先行パーティーの見学。
5P目 ハングしたクラック~凹角 40m
先行パーティーを見ていると、フォローの皆さん下部のハングしたクラックでお助けシュリンゲ付きにもかかわらず苦闘しており、
そこがこのピッチの核心部であることは一目瞭然。
我々も、この部分は躊躇することなくA0で登ったが、長身のMarさんでさえぎりぎりでA0ヌンチャクをかけていたのでU山がリードだったら結構苦労しただろう。
このピッチ、フォローしながら何度もロープにぶら下がって休みたくなったが、
そこはフォローなんだからと頑張ってテンションなしで大同心の頭にたどり着いたら
そこにはMarさんが立ったまま肩絡みでビレイをしている姿があって、頑張って正解でした。
無事ルートを抜け、緊張感から解き放たれて大同心の頭から見る八ヶ岳の峰々は、この時期にしては珍しいほどに純白できれいでした。
これって、その前の週に降った雨氷と何か関係あるんでしょうか?
しばしの休憩後、まぶしくて目を開けていられないほどの陽光と雪の反射光が満ち溢れる中、大同心稜を下降。
<大同心稜に向けて下降>
鉱泉から下の登山道はところどころスケートリンク状になっていて、油断をしているといきなり足をもっていかれ危うく転倒ということがしばしばでした。
美濃戸に明るいうちにたどり着き、おつたさんに帰りの挨拶をして本日は終了。
前々から登りたいと思っていたルートを完登でき、
予想もしなかった緊張の連続や不覚のフォールというハプニングもあって
思い出に残る山行になりました。
美濃戸 5:20 ~ 赤岳鉱泉 6:15 ~ 取り付き 9:30 ~ ドーム肩 12:45 ~ 大同心の頭 14:00 ~ 赤岳鉱泉 15:15 ~ 美濃戸 16:45
追記: ルート全般を通じて、残置類は厳選された上でよく整備されているという印象でした。
追記: ルート全般を通じて、残置類は厳選された上でよく整備されているという印象でした。
数は少ないが、しっかりとしていて、場所も適切だと思います。
欲を言えばピッチの出だしに欲しいところだが、そんなこと言うようでは登る資格がないということなのかもしれません。
いずれにしても、残置ピンに関しては、八ヶ岳の他の人気ルートとは一線を画すルートと考えてよいと思います。
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