fool君ご一行は、長旅のすえデルポイに到着しました。
デルポイ神殿の左右には神託所があり、右隣の神託所は絢爛豪華な建物で、大金や豪華な貢物を抱えた民衆が列をなし、巫女が神託を伝えに来るのを今か今かと待っております。
サクソンが右の神託所前の列を指さし、
サムソン「fool、神託を受けるにはあの列に並ぶみたいよ」
fool「皇帝様は僕が直接神殿でアポロン様から神託を聴くように言ってたよ」
fool君は神殿の前までスタスタと歩いて行き、跪き手を合わせます
fool「アポロン様！遥々イタリアからプーケ姫への神託を承りにまいりました、どうか神託をお授けくださいお願いします・・・・」
・・・・3時間後
fool君は同じ姿勢で目を瞑りお願いを続けております。
そこに、二人の衛兵が近づき
衛兵A「こんなところで何してる！」
fool君は同じ姿勢のまま
fool「見ればわかるだろ、アポロン様の神託を待っているのさ」
衛兵B「ここは立ち入り禁止だ！神託なら神託所に並べ」
fool君は同じ姿勢のまま
fool「僕はアポロン様から直接神託を受け取ってくるように、お妃様と皇帝様から言われたんだ」
衛兵A「ダメだダメだ！神託は神託所で巫女から受けるきまりだ！」
衛兵B「さては？おまえさん貢物を持ってないな！」
衛兵A「貢物がないならアッチの神託所へ行け！」
衛兵Aが左側の神託所を指さす、左側の神託所は遺跡のように朽ち果てた建物で、誰もいない。
サムソンとジュリエットが近づいてきて
サムソン「決まりみたいだから、神託所に並びましょ」
fool「わかったよ、アポロン様は太陽に拝めば答えてくれるからね」
ジュリエット「アポロン様なんている訳ないでしょ！巫女に払うお金なら私がだすわよ」
fool「お金なんて必要ないよ」
fool君は左側の神託所にスタスタと歩いていき、また同じ姿勢で拝みます。
・・・・数時間後
fool君は同じ姿勢で拝み続けています。
いつのまにかfool君の隣に老婆が座っておりfool君に話しかけます
老婆「おまえさんはあちらの神託所に並ばないのかい？」
fool「乙女じゃない巫女が神託なんて伝えられる訳ないじゃん」
老婆「イヒヒヒ・・・・確かに！」
fool君が目を開けて横を見ると老婆の姿は消えている
・・・・翌日
fool君はまだ同じ姿勢で拝み続けています、その横では子犬のハチが伏せのポーズで動かず寄り添っています。
サムソンとジュリエットが近づいてきて話かけます。
ジュリエット「foolさん疲れたでしょ、休憩したら？」
fool「疲れてないよ大丈夫さ」
サムソン「foolあんたお腹すいたんじゃない？」
fool君のお腹がグ～と鳴る！
fool「ハチ！おまえお腹がすいたのかい？」
ハチ「クン？」
ハチが首を傾げる
サムソンがfool君の腕をとり引き上げて立たせながら
サムソン「さあfool何か食べに行きましょ」
神殿前広場は神託を受けようとする沢山の群衆でごった返しています。
その群衆あいてに食べ物屋や物売り、大道芸人など大変な賑わいです。
fool「あ！ペテン師じゃなくて大道芸人のおじさん」
大道芸人「やあ！またあいましてね、失礼しました副将軍閣下」
大道芸人が笑顔から真顔に変わり挨拶する
大道芸人「副将軍閣下はよしてよfoolでいいよ、それにサムソンも同じ副将軍なんだ」
大道芸人「それはそれは、こんなにお美しいご婦人が副将軍とは！」
fool「サムソンは・・・・」
サムソンが慌ててfoolの口を手でふさぎ！耳打ちする
サムソン「私がオカマなのはナイショといつも言ってるでしょ、もうおバカ！」
大道芸人がジュリエットを見て
大道芸人「こちらのお美しいご婦人は？」
fool「マダムは伝説の女盗賊さ」
ジュリエットはfool君の手の甲を抓り
ジュリエット「冗談ですよ！オホホホホ・・・・」
大道芸人「はあ？」
大道芸人は顔が少し引きつり苦笑いする
次週へつづく・・・・
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