昨日に続き、スピッツの「春の歌」の歌詞分析です。
昨日は1番のサビまで書いたので、今日は2番からです。
草野マサムネさんの春の照れ隠しが炸裂した1番のサビから続く2番のAメロは、
1番と同じく、ちょっとB'z的なノリで始まります。
平気な顔でかなり無理してたこと
叫びたいのに懸命に微笑んだこと
朝の光にさらされていく
・・・誰しも、涼しい顔で無理したり、辛い時に大丈夫なフリをしたことがあると思います。
このストイックな世界観自体はB'zそのものです。
しかし「朝の光にさらされていく」という表現は草野さん独特だと思います。
同じことを表現している稲葉さん的な歌詞だと「世界はあなたの色になる」の
最後のフレーズにある
「絞り出す勇気を誰かが見ている」
が近いと思います。
要は、辛い時にも懸命に頑張っているあなたの姿を誰かが見ている、
あなたの努力はいつか報われる、そういう意味なのですが
それを「朝の光にさらされていく」と表現するのは、いかにも照れ屋の草野さんらしいです。
あなたの努力は朝の光が照らしている、お天道様が見ている。
そういう表現をすることで、かなり遠回りに主人公を励ましています。
忘れかけた 本当は忘れたくない
君の名をなぞる
・・・もー。
草野さん、照れ屋すぎです。
君の名、絶対忘れてないですよね？
めっちゃ脳裏に焼き付いてますよね？
それなのにあえて「忘れかけてたけど、ホントは忘れたくない」って、
どんだけ照れ隠ししてるんですか。
もうね、可愛すぎて聴いてるこっちが照れますわ。
離れてても、ずーーーーっと、
めっちゃ好きなんですね、「君」のこと。
そんな照れ屋な恋心が滲み出まくっているBメロです。
そして2番目のサビで、今度はそんな恋心を振り切るかのように
B'zも驚くようなロッキーな歌詞が展開されます。
春の歌 愛も希望もつくり始める
遮るな 何処までも続くこの道を
・・・主人公さん、今度はこんなこと思っているんじゃないでしょうか↓
俺は君のことを振り切って前に進むのだ
そう、愛も希望も俺がこれから作るのだ
・・・ふっ、俺のゆく道は誰にも邪魔させないぜ
「遮るな」なんて、B'zでも使わない表現です。
同じようなことを言ってサマになるのって、多分B'zよりも２世代くらい前のバンドで
BOOWYでもちょっとなくて、
せいぜい横浜銀蝿くらいかな。。（古すぎ？）
草野マサムネさんのハイトーンボイスで歌うと少し柔らかいニュアンスに聞こえますが
実はそんなイメージすら感じるくらい骨太な2番のサビの歌詞です。
ここまで言い切っちゃって、一体どうやってこの曲は終わるんでしょうか？
続く間奏前の歌詞で、主人公はこう呟きます。
歩いてゆくよ サルのままで孤り
幻じゃなく 歩いてゆく
・・・うぉー。
孤独に酔いしれております、この主人公さん！
草野マサムネさんのハイトーンボイスで歌うと少し柔らかいニュアンスに聞こえますが（2回目）
要はこういうことですよね？↓
俺はひとりぼっちの孤独なサルさ。
もう君はそばにいないしね。
でもね、俺は歩いてゆくよ。
嘘じゃないよ、ホントに歩いて行くよ・・・
・・・あのー。主人公さん。
さっきは「遮るな」って勢いよく言ってましたけど・・・
ホントはさみしいんでしょ？
だから、孤独に酔いしれてるんでしょー？？
・・・そう、ツッコミたくなっちゃいます。
でもこの主人公さん、死んでも「寂しい」とは認めないでしょうね。
そういう意地っ張りなところもまた男の子らしくて、
とっても可愛いです。
その後はサビの繰り返しで終わるので、
実質的にここで歌詞は終わりです。
いやぁ、可愛い照れ屋な男の子が春に孤独を感じながら旅立つという
ありふれたモチーフではあるのですが、草野マサムネさんが創るとこんなにポップで
素敵な主人公が滲み出る歌になるですね。
こういう世界観を描けるやっぱりスピッツってすごいですし、
似たような感じの男の子が目の前にいたら、応援したくなってしまいます。
そんな素敵な気分を感じられる春が来ますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。
明日も素敵な１日を。
