見出し画像

One Step ~ 橋本新企画公式ブログ

13)赤羽の片隅から~無料弁当雑記

4/23(金)

昨夜、面談をした彼が今夜も早めに来る。支援者の名刺の裏に、びっしりとメモ書きがあり、それを復唱している。「今の志位さんは会ったことないけど、不破さんとは二回ほど握手したことがあるんですよ。演説を聞いた後に。目がギョロっとしていて、力強い感じだった」などと思い出話。よく話すようになった。

小学生女子が、弁当3つとお菓子とカイロが入った紙袋を渡す。ここのところ寒いので、眠れたかと聞くと、昨夜も公園のベンチで座ったまま過ごし、寒かったという。会館周辺の壁と屋根のある場所で寝ることを提案したが、あそこでは寝たくないと訴える。空いている場所はあるはずなのだが、その気持ちはよく分かる。

常連が占拠していたり、空いていたとしても後から誰かが来てトラブルになったりすると面倒だ。赤羽に来たばかりの彼にはハードルが高い。どうしたものかと考えたあげく、寝床にできる場所が無いか、一緒に見に行くことにした。途中、スーパーに寄り、不要になった段ボールを三枚ほど拝借する。

会館の側面には常連が寝床をつくっている。その間にスペースはあるが、いびきが聞こえるかもしれないし、確かに入りづらい。ふと思いつき、少し離れた場所を案内する。そこは、路上脱出第一号の方が寝床にしていた場所。屋根があり、壁もある。隣には、名前を知っているホームレスがいる。

念のため、隣の方に事情を説明し、朝は何時までいられるか確認し、数日間お世話になることを伝えた。ゴミを残さないこと、トイレは公園ですること、段ボールは公園に捨てて、毎晩スーパーに取りに行くことなどを教えた。私はいつの間にか「赤羽の路上生活案内人」になっていた。

隣の方は21日に弁当が終了したと思い、店に行くと迷惑がかかると思って、数日の間、自粛していたとのこと。「今後もしばらく続けるので利用してほしい」と伝えて店に戻った。「そんなに気を使わなくていいのに、なんて優しいの」と言う小学生女子と母親と共に、今夜は特別に弁当を配達した。「あら、またお会いできた」と、彼も嬉しそう。

元々寝床にいた彼は、過去に一度、生活保護を受けたことがあり「今は必要ない」という。困ったら何度でも受ければいいと話したが、体も動くし、自由な方がいいと言う。そんな彼の頑なな考えが、次々に路上を脱出する方を見て、変わるといいのにと思う。一石二鳥の効果が期待できる寝床選び。

役所へ申請に行くまで、あと数日。二人とも無事に生き延びてほしい。
今日も一日お疲れ様。おやすみなさい。



(4/24のTwitterより 一部修正)
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「無料弁当」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事