笠間淳子/花冠同人

笠間淳子の俳句ブログ

こどもの日

2023-06-17 11:24:09 | Weblog
地より湧く太鼓の響きこどもの日
新緑に埋もれこぼれる光かな

「三保 エレーヌの碑にて」
異人舞う羽衣の影夏の浜
潮騒は天女の声に梅雨晴間

水面切るイルカの背びれ夏来たる


花桃

2023-06-05 12:19:07 | Weblog
花桃や見えぬ家人の笑い声

みどりの日空に掲ぐは太鼓ばち

山吹を手に道いそぐ「ひさしぶり」

遅日

2023-06-05 12:08:09 | Weblog
大仏の鼻すじすっと遅日かな

つばくらめ飛鳥の青き野に畔に

山行けば山の全てが桜かな



4月 吉野、飛鳥の旅でした。

忘れ雪

2023-06-05 12:04:48 | Weblog
目覚めれば忘れ雪かな朝厨

一点の弦の響きや春立つ日

雨上がりふわりと包む雛納め

雪原

2023-03-02 13:44:35 | Weblog
水仙の清々として風のなか

寒水の闇を閉ざして落つるかな

雪野原走る馬群の脚高し


山茶花

2022-12-30 11:43:00 | Weblog
山茶花や行けども尽きぬ灯のごとく

飛び石の次の一歩に石蕗の花

木の葉散る散り敷きてまた散り敷きて

残照の山脈(やまなみ)遠き冬田かな

手に受くは雪のひとひら山便り



2022年ももうすぐ終わりです。
来年はどんな年にしましょうか。

花野

2022-12-30 11:36:12 | Weblog
花野行く重機の列や今昔

曼珠沙華かすかに聞こゆ反戦歌

命日の野に咲く小さき濃竜胆

白菊のただ寄り添いてそこにあり

忘れ得ぬ言葉の隅に星流る

歌声に込める腹筋冬近し

法師蝉

2022-12-30 11:30:01 | Weblog
法師蝉やみて聴こえる夜想曲

名月や色無く広き空と海

野の風を窓辺に呼ぶや吾亦紅

戦わぬ曲を捧ぐや秋の夜

深秋や老作曲家の優し声

鬼やんま

2022-10-06 20:58:25 | Weblog
鬼やんま追いて辿れる流れかな

秋の陽に文字打つカフェの窓辺かな

野の風を呼ぶや窓辺の吾亦紅

原爆忌

2022-10-06 20:41:55 | Weblog
原爆忌ドーム突き抜く若き声

蝉時雨猫の視線を追いにけり

山行きの仕度整う今朝の秋


zoom句会にて