2013年は公募展にいくつも挑戦しその多くに賞を頂く喜びと驚きの連続でした。
僕は美術大学を出たわけでもなければ社会に出てからこの歳に水墨画と出合うまで油絵や水彩画、もちろん日本画も絵画を一切習った事もありません。
何より驚いたのは、どこの馬の骨とも分からない得体の知れない突然現れた初応募者を公平に審査しいきなり賞を頂ける水墨画界の懐の深さに驚きました。
歴史ある伝統的な芸術文化である水墨画の世界はもっと封建的な流派など厳しい縦社会のしきたりがある世界だろうと想像していました。
日本を代表する公募展はもちろん、審査員が中国の著名画家で構成される展覧会までも賞を頂けた事は本当に驚きでした。
水墨画の普及に努められている主幹となる方々の素晴らしさに深く感銘をお受けした次第です。
日展を見ても洋画、日本画、彫刻部門はあっても洋画文化普及以前からの日本の伝統芸術文化である水墨画部門がないのは大変残念に思います。
ここで水墨画界の素晴らしさを実体験者として僭越ながらお伝えしておきたいと思います。
私事ですが2013年の1月に父が倒れ危篤状態から奇跡的に命を取り留めたものの、
低酸素脳症を発症し意識が戻らぬまま治療病院の入院滞在期間法令制限により病院を転々とする事を余儀なくされました。
助けて頂いた医師の先生方には心より感謝しておりますが、やり場のない憤りを牙を剥いて唸る狼の絵に感情のままぶつけていた様に思います。
2012年は縁起の良い狸や尾長鶏を描いていたのに対し、牙を剥いて唸る様や悲しげに遠吠えする狼画は奇抜で個性的であったのかもしれません。
2013年の入賞作品の全てが狼画であった事は絵は心情を映す証として表現したものが評価されたものと解釈しております。
父は独身時代の若き日に川原国夫氏に師事するプロの絵描きでした。
祖父からの事業継承により志半ばに断念したそうですがこよなく絵を愛した人でした。
本年も誰よりも僕の絵を楽しみにしてくれていた父がいつ目覚めてもいい様にチャレンジして参りたく思っております。
何故か不思議と子供の頃から絵だけは評価され小学校低学年で特選に選ばれ、高学年時には学校の推薦で週に一回学芸大学の先生の元へ通わされていました
しかし遊びたい盛りでサボってばかりで(汗)、中学・高校時代も美術の先生から美術部へのお誘いを何度も頂きながら剣道に夢中になっていました。
それでもいつの日かきちんと絵に取り組みたいという思いはずっと奥底に抱えていました。
この歳で機会を得て初めて真摯に絵に取り組み、果たして自分は父の才能を受け継いでいるのか否か?その真価を己に問う年と認識を新たに・・・
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