せっかちなこの子はあっという間に逝ってしまいました。
そういえばいつの頃からか、高いところに登れなくなっていました。
床でころころしていることが多かったです。
5月17日朝方、いつも足下に寝ているミルがもそもそと顔の方へ近づいてきました。てっきり起こしにきたものかと思い、時計を見て5時、まだ早い
なとミルを撫でようとしたら、そのまま顔の上に覆い被さってきました。
ばったりと倒れ痙攣が始まりましたので、体を押さえたところものすごい力で手を掴んできます。
痙攣がおさまると、今度は手足を突っ張らせ硬直が始まりました。
体をさすりながらミルに呼びかけ続けていると、夫が異変に気づき目を覚ましました。「病院に電話してみる。」・・・さすがに朝の6時に出ません。
「朝イチで病院つれていくから。」夫は気が気じゃないまま仕事へ。9時に病院が開くのももどかしく、8時過ぎに車に乗せて病院へ。8:30受付。
獣医はまだのようでした。車の中ではまだ鳴く気力があった。8:45ミルがいよいよ動かないので受付に頼んでみた。
担当の獣医が診てくれた。「全身に神経麻痺が回っている。」・・・だから何だと聞きたい。最初に連れて行った5月5日の説明では致死性を感じさせない
説明ではなかったか?飼い主の深刻さが伝わってないような楽観的な診断ではなかったか?「命にかかわることはない。」と言っていなかったか?
そのまま集中治療室に連れて行かれた。「今日一日預かります。もしかすると心臓麻痺の可能性もあるので、万が一の覚悟をしていてください。」
私はてっきり助かるものと信じて獣医に託した。そのときミルが診察台の上でこちらを振り向いて見ていることに気がついた。でもたぶん、見えていないと
思う。そのときにギュッと抱きしめてあげれば良かったと後悔している。
ひとまず、家に帰りまんじりともせずにじっとしている。13:21獣医から電話がきた。「危篤です。」と。
急いで病院に駆けつけると、人工呼吸器やらカテーテル、点滴やらをつけられたミルがいた。
「進行性の麻痺なので助かりません。飼い主さんが来るまでどうにか生命維持装置をつけておきました。」
口元から血が溢れている。私は「もう助からないんですか?」と聞いてみた。体をさするとあたたかい。「ミル」と3回呼んでみた。
獣医は「無理矢理心臓を動かして人工的に呼吸させているので、装置を外したら全部止まります。」と説明した。
「なんで口から血が出ているんですか?」きっとヒドいことされたのだろう、ガマンできなくて聞いた。
「麻痺が肺に回ってしまって血が逆流した。」獣医はそう答えた。嘘だ、無理やり呼吸器にチューブ入れて器官を傷つけたんだろう。
「なんで最初に病院に連れてきたときわからなかったんですか?」
「若いから進行が早い、麻痺があっという間に回ってしまった。」
私はずっとミルの手をさすっている。握り返してくれないかと期待しながら。キセキが起きるのを待ちながら。
獣医は言った。「あんまりいつまでも心臓を動かしてるとかわいそうだからそろそろ外しましょう。」そのかわいそうなことした本人がいってる。
14:11息を引き取らせた。ミルは一度も私を認識することなく逝ってしまった。
末期的な症状が出て7時間ちょっとであっという間に死んでしまった。
ただ呆然としてしまった。
「受付でお待ちください。」と言われた。
しばらくして「どうぞ。」といわれ診察室へ入ると箱に詰められたミルがいた。右手にピンクの包帯が巻かれている。点滴するのに毛をそったからハゲてい
るのを隠してくれたようだ。
「血液検査の結果を説明します。見る限り異常は発見されませんでした。」・・・死んじゃったあとの説明なんていらないし、異常がないなら死なないで
しょうと思う。ひたすらひたすら「進行性の麻痺、若いから早かった。」と繰り返す。結局病名はなんだったのだろうか。
会計をした領収書を見ると、「エンバーミング:20,000円」「次回は8/13にワクチンに来て下さい。」の印字。
了承を取らずに高い料金のエンバーミングにも驚いたが、死んでもう来れないのにワクチンだなんて・・・。
病院に対する不信感が最高潮でした。今度なにかあったら絶対絶対にセカンドオピニオンをしようと思う。
お家に帰ってきました。
まだあたたかかったです。
スコシがミルに毛繕いして起こそうとしていました。
ヒソちゃんはムスメの異変を感じているようです。
覗き込んで
起こそうとしてました。
悟ったようです。
しばらく家中ミルをさがしてました。
足下にお花がいっぱいあります。
スコシが寂しそうでした。
移動ペットセレモニーに来てもらいました。
今日が初七日でした。
スコシとヒソカが寂しそうに足に寄ってきます。
なかよくね。
ペットセレモニーの来てくれた方はちょっとマギー司郎さんに似ている親切なおじさんでした。
ミルは普通よりちょっと骨が弱かったらしく加減して火葬しないと形が残らなかったそうです。
骨壺に納めながら色々説明してくれましたが、どうも先天性の病気があったのではないかと。頭蓋骨がちょっと黄色く変色し、スポンジのようにスカスカ
していました。「これは、脳障害の典型的な例。生まれつき体に異常があってこの子の寿命は3歳だった。」と言われちょっと胸のつかえが降りた気がしま
した。
そういわれれば思い当たることがたくさんありました。飼い主の慢心と油断がミルをつらい目に遭わせてしまいました。食欲はまったく落ちていなかったの
に、もちろんダイエットもしていないのにずいぶん痩せたことにもっと関心を持てば良かったです。
「猫はガマンする動物だから飼い主さんは気がつかないことが多いんだよね。」とおじさんは慰めてくれました。
唯一の救いは、ミルが前日まで元気だったこと、ゴハンも食べていたこと、長い苦しみにさらされることがなかったことでした。
一匹いないだけでこんなに静かになるものなのかというほど今は家の中が静かです。しばらくは寂しいかもしれませんがまた楽しい日々を送れるようになっ
たらブログを再開したいと思います。
とりあえずは今日をもってひとまずお休みとさせていただきます。
ありがとうございました。