野球コラム16回 変化球シリーズ ドロップ編

ドロップは縦のカーブやＤカーブとも呼ばれます。

フォークが日本球界に普及するまではドロップが落ちる球として使われていました。
球速の速い選手に好まれていた球のようです。
伝説の投手、故沢村栄治氏（元巨人）の決め球でもあり、沢村氏のドロップは三段階に曲がったとまで言われるドロップだったようです。

握り方は普通のカーブとあまり変わりませんが投げ方は指でボールを弾き、尚かつ手首でボールを切る動作を加えます。
この投げ方によって回転軸が変わりドライブ回転のようになるので縦に変化するようになります。
Ｄカーブと言われるゆえんはドライブの頭文字のＤから来ているようです。

変化はカーブより縦変化が大きく横変化の小さい変化球です。
しかしフォークとは違い、リリースした瞬間から弧を描きながら捕手へと向かうため打者に予測されやすいのが欠点です。

代表例で先ほど挙げた沢村氏以外には堀内氏（元巨人）や「権藤、権藤、雨、権藤」と言われた最強の新人王、権藤氏（元中日）、若い頃（晩年は超スローカーブを使った）の金田氏（元国鉄・巨人）、ノーヒットノーラン男の外木場氏（元広島）、現在では工藤投手（巨人）や佐々岡投手（広島）がいる。