酢部屋デラックス

お酢の研究ブログと思いきや( ̄m ̄)

ラン・ラン リサイタルinサントリーホール

2011-02-15 22:32:43 | 音樂
2月10日、サントリーホールにラン・ランのリサイタルを聴きに行った。

席は、ステージ向かって右壁側の、演奏中のラン・ラン氏と対面する2階席。

熱気に満ちた満席の客席が見渡せるこの角度は新鮮。

勿論、演奏中のラン・ラン氏の感情を包み隠さないジェスチャーや

顔芸、否、表情、ペダリングも良く見えた。

残響が少しだけ多いように感じたが、この席でも音は特別悪いとは感じなかった。


ベートーヴェンソナタ2曲は良い意味で、意外にも正統的で端正な演奏だった。

フォルティシモも良いんだけど、絹糸のように繊細なピアニシモが秀逸。

熱情第2楽章の主題は、久々に聴くと和声学の課題みたいだなぁ、

なんて一瞬思ったけど、至福に満ちたラン・ラン氏の表情は、

紡ぎ出される音楽と相まって、氏の表情と同じく、聴き手に溢れんばかりの幸福感、

希望をもたらす大変印象深いものだった。


アルベニスに続いて、プロコ7番戦争ソナタは、期待を裏切らない、それ以上の演奏だった。

フルマラソンを2時間台で完走するかの如く、アグレッシブに

エキサイティングに駆け抜けて行ったのだよ。

ま、他のブログでも色々感想がUPされてるみたいだから、興味あったら検索してみて。



さて、ラン・ラン氏、今回の来日前、米国内で次のような出来事があったのだった。

以下コピペ~

『米国人が酔いしれた曲は反米宣伝曲だった 胡主席訪米 公式晩餐会

産経新聞 1月26日(水)7時59分配信

【ワシントン=佐々木類】中国の胡錦濤国家主席を招いて19日夜、ホワイトハウスで行われた公式晩餐(ばんさん)会で、国際的な中国人男性ピアニスト、ラン・ラン(郎朗)氏(28)の演奏した曲が、反米宣伝映画の主題曲だったと分かり、米国内で波紋を広げている。

 ラン・ラン氏は、中国生まれでニューヨーク在住。演奏したのは、朝鮮戦争(1950~53年)を舞台にした中国共産党の反米映画「上甘嶺(じょうかんれい)」(56年)の主題曲「わが祖国」だ。

 「わが祖国」は中国人に広く知られており、共産党が数十年の間、反米宣伝曲として利用してきた。映画は、中国人民解放軍「義勇軍」と米軍の激戦の様子を残虐に描いている。

 米CBSニュースによると、ラン・ラン氏は、この曲を選んだ理由について、晩餐会の前に収録した香港のフェニックステレビに、「この曲をホワイトハウスの晩餐会で演奏することは、中国人にとって大変な誇りになると思った」と語っていた。

 だが、演奏後に波紋が広がると「子供のころから好きな曲の一つだった。メロディーが美しいという以外の選曲理由はない」とのコメントを出した。

 一方、米メディアによると、中国系ブログには「米国人は曲に酔っていた。本当に間抜けだ」といった書き込みがあふれている。』

~コピペおわり

この記事には無いが、ラン・ラン氏は中国共産党のプロバガンダに

利用されたという意見もあるらしい(下にニュースを貼ってみた)。

ラン・ラン氏のブログには、この出来事の後に“私のミッションは音楽の美とインスピレーションで

文化の架け橋をすること”と綴られているが、

15歳からアメリカで教育を受け、世界を舞台に活躍する在米中国人ピア二ストという立場は、

日本に居る限りではピンと来ないが、のだめ映画のピア二ストというだけでは

絶対にピンと来ないが、政治的背景が激しく絡んでいることを知った(`く_´)

晩餐会の様子は次の通り。










ジャズ界の巨匠、ハービー・ハンコックとの連弾によるマ・メール・ロワ、続いてソロで“我が祖国”


ハービーとラン・ランがラヴェルで共演とは、何というレア映像。
どうして日本で話題にならなかったのか不思議。全然知らなかった。
どうせなら“Dolphin dance”もやって欲しかったなぁ!
そして“我が祖国”。











オバマ大統領、ポール・マッカートニーと“Hey Jude”を歌うラン・ラン氏
これもまた、何というレア映像!


ポール若いなぁ~





このニュースは日本国内の中国人に向けた番組な様子。


オマケ。
ライトアップされた天安門広場で、真っ赤なピアノを弾く、
真っ赤なジャケットに身を包んだラン・ラン氏。
曲は黄河協奏曲第四楽章。
天安門、コーディネートされた赤という色、
曲に込められている政治的メッセージなども勿論だが、
この映像は、いろいろな意味でハイインパクト。
冒頭部分、打楽器の使い方と指揮者の動きにオドロイタ。
オケの編成は、どうなっているの??
真っ赤なピアノって初めて見た。北京五輪のロゴが張ってあるから2008年か。