韓国シリーズ第4戦
トゥサン ベアーズ-サムソンライオンズ(ソウルチャムシル総合運動場野球場)
サムソン|1 0 2|1 0 0|0 4 2∥10
トゥサン |0 0 0|0 0 1|0 0 0∥1
サムソンが王手をかけて迎えた韓国シリーズ第4戦。
両チームの先発は第1戦と同じ、リオス(トゥサン)とハリカルラ(サムソン)が中3日で登板。
・ゲームは1回表からいきなり動く。
試合前、国歌斉唱までの手際が悪く、マウンドで待ちぼうけをくい、
少々いらついた様子のトゥサンの先発リオス。
その初球を1番・チョドンチャンが捕らえ、レフト前ヒット。送りバントの後、
昨夜のヒットで調子づく3番・パクハンイがライトへ運び、1アウト1・3塁。
4番・シムジョンスのサードゴロの間に1点が入り、サムソンが幸先よく先制する。
・3回表、シリーズのラッキーボーイ、9番・キムジェゴルがフォアボールで歩く。
その後、二者倒れるも、3番・パクハンイがライトスタンドへ2ランホームラン。
両手の人差し指を空高くかかげ、ホームイン。サムソンが3-0とリードする。
リオスはサムソンの効率のよい攻撃で3失点。3回でマウンドを降りた。
・4回表、5番・キムハンス、6番・ヤンジュンヒョク、7番・パクチンマンの
3連打で1点を追加。4-0とし優勝へのカウントダウンが始まる。
・トゥサンは昨日に引き続き打順をいじり、打順があがった2番・チョンサンヨル、
5番・アンギョンヒョン、昨日からスタメンの3番・チェギョンファンがヒットを放つも
出塁はその3本だけで5回までハリカルラに3安打無失点に抑えられる。
・なんとか点差を詰めたいトゥサンは、6回裏、1アウトから1番スタメンに起用された、
ユンスンギュンとチョンサンヨル、チェギョンファンがそれぞれ今日2本目の
ヒットを放ち、1点を入れ4-1とするも二者残塁で攻撃を終えた。
・サムソンは7回表、2アウト満塁のチャンスを作るも、トゥサンの2番手、
ルーキーのキムミョンジェが6番・ヤンジュンヒョクをレフトフライに抑え、ピンチを脱する。
・しかし、ピッチャーがイジェウに代わった8回表。4安打とフォアボール1つで4点を追加。
9回表にも2点を入れ、ヒットは全員安打の16本。
・サムソンのリリーフ陣、「KOパンチ」のK、クォンオジュンは1回 2/3をノーヒット2三振。
「KOパンチ」のO、オスンファンは2回を2安打2三振。5投手の継投で無四死球、1点に抑え、
10-1でサムソンがトゥサンを破り、3年ぶり3度目(1985年は前後期制覇。
シリーズ優勝は2回目)の韓国チャンピオンを達成した。
歓喜の後、選手たちはすぐさま優勝記念の帽子とTシャツに着替え、グラウンド上でシャンパンファイト。
雪のように舞い散ったブルーの紙ふぶきいっぱいの芝の上で、前監督で社長のキムウンヨン氏、
そして、ソンドンヨル監督がそれぞれ胴上げされた。
授賞式ではアジアシリーズ出場権獲得授与式も行われ(韓国では一般的に
「KONAMI CUP(コナミカップ)」と呼ぶことが多い。)、
シリーズMVPは3試合に登板し、ソンドンヨル監督の構想どおりにきっちりと
ゲームを締めくくった、ルーキーのオスンファンが受賞した(写真)。
喜び冷めやらぬ選手たちはスタンドのファンと同じ「최강삼성(最強サムソン)」と
書かれたタオルを手にし、音楽に合わせスタンドと共にタオルを上下させた。
各選手はコールに応え、エース・ペヨンスはHipHop調のダンスを披露し、
スタンドを沸かせた。
当初の予想では、公式戦を1位で終え待つ身のサムソンより、公式戦終盤6連勝で
最終戦で2位に滑り込み、プレーオフも3連勝したトゥサンに分があるように見えたが、
両チーム先発が好投し、わずかな点差の中でミスが足を引っ張ったトゥサンと、
ミスが出ても最小限に食い止め、脇役の活躍、また3、4戦は主軸の爆発、
そしてクォンジュン、オスンファンのKOパンチを上手に操った、ソンドンヨル監督の
采配の妙が光ったシリーズだった。
ポストシーズンは天候に恵まれ、順延、中断することなく無事終了。
11月10日からは日本、韓国、中華台北、中国それぞれのリーグを制したチームが
アジア1を争う「アジアシリーズ」が東京ドームで行われる。(中国は選抜チーム)。
◆サムソン◆
5 チョドンチャン
9 キムジョンフン→7(7回)
8 パクハンイ
7 シムジョンス→PR・9 カンドンウ(7回)
3 キムハンス
D ヤンジュンヒョク
6 パクチンマン
2 チンガプヨン
4 キムジェゴル
P ○ハリカルラ(5回)→パクソクチン(1/3)→オサンミン(0/3)
→クォンオジュン(1回2/3)→オスンファン(2回)
◇トゥサン◇
8 ユンスンギュン
7 チョンサンヨル
D チェギョンファン
5 キムドンジュ
4 アンギョンヒョン
2 ホンソンフン
3 チャンウォンジン
6 ソンシホン
9 イムジェチョル
P ●リオス(3回)→キムミョンジェ(4回)→イジェウ(2/3)→チョヒョングン(2/3)
→キムミョンジェ(2/3)
☆あれこれ☆
・試合前、1塁側ベンチ内で記者がキムギョンムン監督(トゥサン)を囲んでいると、
2人のカメラマンが監督を正面からパチリ。
その様を見て監督は「毎日同じ写真撮ってどうするの?」と。
おっしゃる通りです。3連敗してなくたってそう思います。
・ある日本の出版社クルーに同行していた、通訳の韓国人女性。
トゥサンベンチ前に置かれた18番のヘルメットを指差し、
「わたしと同じ名前なんです。」と。女性の名前は「ドンジュ(동주)」さん。
女性には珍しく、漢字もキムドンジュと同じ「東柱」。
女性としては「ソンフン(성흔)」の方がよかったでしょうか?
・サムソンの優勝が決まり歓喜のグラウンド。シャンパンファイトでびしょ濡れの
花増コーチと抱き合おうか迷い握手をしようかと手を差し出すも、結局抱き合う。
現在も、ジャケットから若干、甘美な香りがしますが、悪くはないです。
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★著書★韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑2005
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トゥサン ベアーズ-サムソンライオンズ(ソウルチャムシル総合運動場野球場)
サムソン|1 0 2|1 0 0|0 4 2∥10
トゥサン |0 0 0|0 0 1|0 0 0∥1
サムソンが王手をかけて迎えた韓国シリーズ第4戦。
両チームの先発は第1戦と同じ、リオス(トゥサン)とハリカルラ(サムソン)が中3日で登板。
・ゲームは1回表からいきなり動く。
試合前、国歌斉唱までの手際が悪く、マウンドで待ちぼうけをくい、
少々いらついた様子のトゥサンの先発リオス。
その初球を1番・チョドンチャンが捕らえ、レフト前ヒット。送りバントの後、
昨夜のヒットで調子づく3番・パクハンイがライトへ運び、1アウト1・3塁。
4番・シムジョンスのサードゴロの間に1点が入り、サムソンが幸先よく先制する。
・3回表、シリーズのラッキーボーイ、9番・キムジェゴルがフォアボールで歩く。
その後、二者倒れるも、3番・パクハンイがライトスタンドへ2ランホームラン。
両手の人差し指を空高くかかげ、ホームイン。サムソンが3-0とリードする。
リオスはサムソンの効率のよい攻撃で3失点。3回でマウンドを降りた。
・4回表、5番・キムハンス、6番・ヤンジュンヒョク、7番・パクチンマンの
3連打で1点を追加。4-0とし優勝へのカウントダウンが始まる。
・トゥサンは昨日に引き続き打順をいじり、打順があがった2番・チョンサンヨル、
5番・アンギョンヒョン、昨日からスタメンの3番・チェギョンファンがヒットを放つも
出塁はその3本だけで5回までハリカルラに3安打無失点に抑えられる。
・なんとか点差を詰めたいトゥサンは、6回裏、1アウトから1番スタメンに起用された、
ユンスンギュンとチョンサンヨル、チェギョンファンがそれぞれ今日2本目の
ヒットを放ち、1点を入れ4-1とするも二者残塁で攻撃を終えた。
・サムソンは7回表、2アウト満塁のチャンスを作るも、トゥサンの2番手、
ルーキーのキムミョンジェが6番・ヤンジュンヒョクをレフトフライに抑え、ピンチを脱する。
・しかし、ピッチャーがイジェウに代わった8回表。4安打とフォアボール1つで4点を追加。
9回表にも2点を入れ、ヒットは全員安打の16本。
・サムソンのリリーフ陣、「KOパンチ」のK、クォンオジュンは1回 2/3をノーヒット2三振。
「KOパンチ」のO、オスンファンは2回を2安打2三振。5投手の継投で無四死球、1点に抑え、
10-1でサムソンがトゥサンを破り、3年ぶり3度目(1985年は前後期制覇。
シリーズ優勝は2回目)の韓国チャンピオンを達成した。
歓喜の後、選手たちはすぐさま優勝記念の帽子とTシャツに着替え、グラウンド上でシャンパンファイト。
雪のように舞い散ったブルーの紙ふぶきいっぱいの芝の上で、前監督で社長のキムウンヨン氏、
そして、ソンドンヨル監督がそれぞれ胴上げされた。
授賞式ではアジアシリーズ出場権獲得授与式も行われ(韓国では一般的に
「KONAMI CUP(コナミカップ)」と呼ぶことが多い。)、
シリーズMVPは3試合に登板し、ソンドンヨル監督の構想どおりにきっちりと
ゲームを締めくくった、ルーキーのオスンファンが受賞した(写真)。
喜び冷めやらぬ選手たちはスタンドのファンと同じ「최강삼성(最強サムソン)」と
書かれたタオルを手にし、音楽に合わせスタンドと共にタオルを上下させた。
各選手はコールに応え、エース・ペヨンスはHipHop調のダンスを披露し、
スタンドを沸かせた。
当初の予想では、公式戦を1位で終え待つ身のサムソンより、公式戦終盤6連勝で
最終戦で2位に滑り込み、プレーオフも3連勝したトゥサンに分があるように見えたが、
両チーム先発が好投し、わずかな点差の中でミスが足を引っ張ったトゥサンと、
ミスが出ても最小限に食い止め、脇役の活躍、また3、4戦は主軸の爆発、
そしてクォンジュン、オスンファンのKOパンチを上手に操った、ソンドンヨル監督の
采配の妙が光ったシリーズだった。
ポストシーズンは天候に恵まれ、順延、中断することなく無事終了。
11月10日からは日本、韓国、中華台北、中国それぞれのリーグを制したチームが
アジア1を争う「アジアシリーズ」が東京ドームで行われる。(中国は選抜チーム)。
◆サムソン◆
5 チョドンチャン
9 キムジョンフン→7(7回)
8 パクハンイ
7 シムジョンス→PR・9 カンドンウ(7回)
3 キムハンス
D ヤンジュンヒョク
6 パクチンマン
2 チンガプヨン
4 キムジェゴル
P ○ハリカルラ(5回)→パクソクチン(1/3)→オサンミン(0/3)
→クォンオジュン(1回2/3)→オスンファン(2回)
◇トゥサン◇
8 ユンスンギュン
7 チョンサンヨル
D チェギョンファン
5 キムドンジュ
4 アンギョンヒョン
2 ホンソンフン
3 チャンウォンジン
6 ソンシホン
9 イムジェチョル
P ●リオス(3回)→キムミョンジェ(4回)→イジェウ(2/3)→チョヒョングン(2/3)
→キムミョンジェ(2/3)
☆あれこれ☆
・試合前、1塁側ベンチ内で記者がキムギョンムン監督(トゥサン)を囲んでいると、
2人のカメラマンが監督を正面からパチリ。
その様を見て監督は「毎日同じ写真撮ってどうするの?」と。
おっしゃる通りです。3連敗してなくたってそう思います。
・ある日本の出版社クルーに同行していた、通訳の韓国人女性。
トゥサンベンチ前に置かれた18番のヘルメットを指差し、
「わたしと同じ名前なんです。」と。女性の名前は「ドンジュ(동주)」さん。
女性には珍しく、漢字もキムドンジュと同じ「東柱」。
女性としては「ソンフン(성흔)」の方がよかったでしょうか?
・サムソンの優勝が決まり歓喜のグラウンド。シャンパンファイトでびしょ濡れの
花増コーチと抱き合おうか迷い握手をしようかと手を差し出すも、結局抱き合う。
現在も、ジャケットから若干、甘美な香りがしますが、悪くはないです。
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