光害の自宅で地球へ最接近のレモン彗星(C/2023 H2)を撮影しました。
11月11日晴れ。彗星に誘われて改築工事中の庭で地球へ最接近(地心距離0.19AU)のレモン彗星を撮影することにしました。
日没薄明終了後に地平高度50度になりますので、撮影チャンスと判断してこの日を待っていました。
11/1にも撮影に挑戦しましたが、低空の光害と予報光度よりも暗くて写りませんでした。
夕方、離れた畑から帰宅してすぐに分解して保管してあるε-130D望遠鏡を庭へ出して撮影準備しました。
今回は工事中の地面に砂利が敷いてあります。望遠鏡の三脚先端が沈んでいき水平出しが難しくなります。
工事に来ている大工さんから木材の廃棄する端材をもらって三脚の台座にして活用しました。思った通り端材の台座で水平出しがうまくいきました。
レモン彗星は琴座ベガとわし座アルタイルの中間左寄りにいます。基準星はベガにして目盛環を使って目的星を導入しました。
一発導入できました。試写してカメラモニターをチェックしますと、丸い彗星像がすぐに判りました。
彗星は地球最接近で高速移動していますので、長い露出はできません。ISO感度3200で露出4秒で連写撮影しました。
撮影5分間でも彗星の移動がカメラモニターチェックで判ります。
夜、ソフト現像処理しました。
彗星光度をステライメージ9ソフトで自動測定しました。
光度は9.3±0.3等で予報光度6.9等よりも暗いです。コマ直径は角度で4.1分です。
他の人のネット写真には短い尾が写っていますが、光害の自宅では写りませんでした。
写真から彗星の移動スピードを測定しました。
角度で8.03分/20分間(24.09分/時間)です。南東方向へ9.64度/日の高速移動しています。
撮影した写真4コマを添付します。
①地球へ最接近のレモン彗星(C/2023 H2)
2023年11月11日18時23分24秒~25分36秒
露出4秒×31コマ ε-130D F3.3 LPR-Nフィルター
メトカーフコンポジット トリミング ISO3200 自宅 気温13℃
※上が北
②レモン彗星(C/2023 H2)の反転写真
データは①と同じ
③レモン彗星(C/2023 H2)移動確認(20分間)
2023年11月11日18時08分21秒~09分02秒 露出4秒×10コマ
2023年11月11日18時28分25秒~29分04秒 露出4秒×10コマ
ε-130D F3.3 LPR-Nフィルター トリミング ISO3200 自宅
④今回の望遠鏡三脚の台座
木材の端材を台座に活用。
後ろは改築工事中の家。