メルセデスベンツの何がそんなに素晴らしいのか？

メルセデスベンツは世界最古の自動車メーカーであり、その歴史と伝統に裏付けされた高い信頼性と安全性は常に世界トップブランドに君臨し続けています。
メルセデスベンツの歴史と伝統、名前の由来等はWikipedia等に詳しく書かれていますので割愛しますが、単純にメルセデスベンツの何がそんなに素晴らしいのでしょうか？
実はそれが最も難しい質問です。
何台もメルセデスベンツに乗り継いで来た方に尋ねても納得できる回答は得られないと思います。

メルセデスベンツは常に自動車のスタンダードなのです。
デザインが特に優れているとか、他車メーカーと比較して特にパワーがあるとか、特に豪華だとか、
特に燃費が良いとか、特に先進的なメカがあるとか、他車メーカーより突出している部分は何もありません。
すべてにおいて普通です。
普通と言っても平凡とか平均的という意味ではなく、Universalという意味での普通です。
そして、他車メーカーより何ひとつ劣っているものがありません。

乗り心地、動力性能、制動力、ハンドリング、耐久性、安全性、どれを取っても常に世界トップクラスの出来映えです。
メルセデスベンツのオーナーは常に車の世界基準を体感できるのがメルセデスベンツの凄いところです。

しかし逆に言えば、何も面白いところがありません。
ベントレーのような至上の高級感、マセラティのような非日常的な上質感、BMWのようにドラマチックな加速の高揚感、
レクサスのような快適ハイテク装備の充実感、アウディのようにかっこいいLED、ポルシェのような衝撃的なトラクション、
そのような特徴はどこにも見られません。

メルセデスベンツにすごく期待してレクサスやクラウンから乗り換えた方は全然満足出来ないと思います。
故障も少なくはなく、パーツも整備費も高く、サービスも待たされますし、営業マンが毎週電話をかけてきません。
「なんだ、ベンツなんて大したことないじゃないか？！」と思うのも無理はありません。
メルセデスベンツを期待外れと判断して国産車に戻った方もたくさん居ます。

しかし面白いですよ。
そんな方こそメルセデスベンツの良さを後から知るのです。
「ベンツって大したことないと思ったけど、乗り心地は良かったな～」とか
「ベンツって内装がチャチだったけど使い易かったな」とか「高速安定性がよかった」とか誉めるんです。
そしてそんな方々は「いつかまたベンツに乗りたいと思ってる」とおっしゃいます。
そんな車は他にありません。

メルセデスベンツは最も歴史のある自動車メーカーですが、最も大きな変革を成し遂げたメーカーとも言えます。
1970年代まで、メルセデスベンツにはEクラスとSクラスしか量販ラインアップになかったのです。
（SL（SLC)やGクラスもありましたが生産台数は極小で光岡自動車みたいな感じでした。）

それが今やAクラス、Bクラス、Cクラス、Eクラス、Sクラス、CLSクラス、Gクラス、Mクラス、スマート、AMG、
など考えられないほど豊富な車種構成になりました。
GL、GLA、GLK、などといった分身の術みたいな車種もあります。

トップブランドの自動車メーカーとしてカバーすべきユーザー層をターゲットに車種構成を拡充させた結果です。
そう、規範にしたのはトヨタのラインアップ構成ですね。
かつてセンターグリルに大きなスリーポインテッドスターを冠するのは、クーペのプレミアムモデルだけというメルセデスベンツの伝統がありました。

しかし今や売れ行きが良いからと、Cクラスセダンにもセンターグリルにスリーポインテッドスターを配置するようになり、
これこそが自らの哲学や伝統よりもマーケッティングを重視するメーカーに変革されたことを象徴する事案です。


それが良いか悪いか別にして、メルセデスベンツはメーカーとして変革を成し遂げました。
最近発売されて爆発的に売れているCLAクラスは有り得ない車です。


わずか340万円でこんなに立派なメルセデスベンツのセダンが買えます。
確かに旧来のメルセデスベンツファンからすれば「ＦＦでしょ（笑）」と一蹴される車種ですが。

こんな事したらほとんど同じ外観で1000万円以上するCLSが売れなくなってしまうのではと思ってしまいますが、
それでも売れることを選択したのかと思うと世界経済の深刻さを痛感させられる気もします。



話が長くなりましたが、メルセデスベンツの素晴らしさはオーナーになって初めて分かります。
個人的にはクライスラー結婚前の頃が好きでしたが、クライスラー離婚後のメルセデスベンツも大変に魅力的です。はい。

http://www.starwoods.co.jp
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