これはナチス政権時代の歴史物というよりは、台詞重視のディスカッション映画的で最初のうちは台詞に追いつかなくて苦戦したけど、“真実を伝え”ようとする主人公ハンナの描きかたに押し付けがましさがなくて観客に是非を任せる演出がよかった。
“真実を伝える”ことが果たしてよいことなのか、そもそも真実とは何か…ハンナがハイデッガーに師事して哲学を学んだということで、観ているこちら側も観念、定義、解釈など哲学的なことを考えさせられた。
それにしてもハンナさん煙草吸いすぎ、スクリーンから煙が漂ってきそうだった(笑)
《1960年代初頭、ハンナ・アーレントは元ナチス高官アドルフ・アイヒマンの裁判の傍聴記事を執筆・発表するが、記事は大論争を巻き起こし、アーレントも激しいバッシングを受けてしまう。その顛末を通して絶対悪とは何か、考える力とは何かを問うとともに、アーレントの強い信念を描きだしていく》
2012年・第25回東京国際映画祭コンペティション部門出品。
◆CAST
バルバラ・スコバ、アクセル・ミルベルク、ジャネット・マクティア、ユリア・イェンチ、ウルリッヒ・ノエテン
原題:Hannah Arendt
114分
角川シネマ有楽町17:00~観客6割程/237席
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