これは省略の効いた映画だったというか、効き過ぎてひとつひとつのエピソードの“その先”をもっと観たい気もして物足りないところもあったけど、幼い頃に出ていった母親と子供たちの距離感や、嫌いながらも母への想いを募らせていく子供の気持ちが伝わってきて涙腺じわり。
複雑な役どころの堀北真希ちゃんや松田龍平くんも上手かったけど、ふせえりさんや温水洋一さんの味わいの演技や、霊園勤務の訳あり女性役の麻生祐未さんの控え目な演技もよかった。
《声優になることが夢のアニメオタク女子・麦子は、無責任な兄の憲男と2人暮らし。そんなある日、麦子たちが幼い頃に家を出たまま音信不通だった母親の彩子が突然現れ、同居することに。自分勝手な母が許せず戸惑う麦子だったが、実は病魔に冒されていた彩子は、ほどなくして他界してしまう。麦子は納骨のため母の田舎を訪れるが、若かい頃の彩子とそっくりな麦子は町の人々に歓迎され、それまで知らなかった母の一面を知る》
兄の憲男を松田龍平、母の彩子を余貴美子が演じる。
挿入歌として松田聖子の代表曲「赤いスイートピー」が初めて映画で使用されている。
◆CAST
堀北真希、松田龍平、余貴美子、麻生祐未、ガダルカナル・タカ
95分
TOHOシネマズ錦糸町5 13:55～観客6割程/116席
