《政治に翻弄され不遇をかこった元天才指揮者が、1枚のFAXをきっかけに散り散りとなったかつての仲間たちを呼び戻し、偽の楽団でパリ公演を成功させようと奮闘する姿を綴る》
昨日は真夏日の暑さだったのに今日はまた真冬に逆戻りみたいな寒さでいったいどうなっているのやら、年寄りにはつらい陽気です、はあ
で、木曜日なので大森でお姑さまの様子見をしてから川崎に向かいました
チネチッタで観ようと思っていた「半分の月がのぼる空」には間に合にあわなくなってしまったので、少し遅い始まりだけどこの映画にしましたが、思っていたのと少し違ったかも、なんか怒鳴ったり叫んだりする場面が多くて賑やかというか、うるさいほどでしたが、テーマ的に重くなりそうな話がこの賑やかさで救われたかも、ラストの演奏シーンやロシアの風景なども見ごたえがありました
我ながら意外だったのは、これを観たら“のだめ”がちゃっちい映画に見えるかもしれないと思っていたのに、自分的には“のだめ”の方が音楽的な満足感を得られたことでした、単に分かりやすいかそうでないかの違いかもですが、“のだめ”が音楽の持つプラスのエネルギーみたいなものが視覚的に表現されているのに比べてこちらでは登場人物の方が先に感激していて説明的だったように思ったのは、たぶん、政治的な意味も込められたメッセージ性の強い映画でもあったからなのかも、政治や社会情勢音痴な私には、ロシアのボリショイ交響楽団で劇場清掃員として働く主人公が、かつて天才指揮者と謳われた男で、時の共産党政権が進めたユダヤ人演奏家排斥に抗議し解雇されてしまったという背景に思いをこらすことができなかったのが残念でした
キャスト的には、渋い男優陣の中で華を添えていたのが、タランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズバスターズ」も記憶に新しいメラニー・ロランで今回もめちゃ綺麗でした
あと、ミュウ=ミュウが出ていたのも懐かしかったです、今ではわかる人も少ないかもですが「バルスーズ」や「夜よ、さようなら」など、70年代のフランス映画の顔だった彼女も今やすっかり“大人”の貫禄があって感慨深かったです。
原題:Le Concert
チネチッタ10 20:15~観客60人程/191席
