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新米親父土木建築コンサル社長のつぶやき

50代にして会社を起業した
土木建築コンサルタントの社長。
専門分野である環境・プラント調査等
会社経営の苦労等。

関東ロームの不思議 その1

2011-02-20 10:59:09 | 日記

最近の新燃岳の噴火により、山の斜面に降り積もった火山灰が数ミリの降雨により
土石流の発生が高いと報道されている事を知り、今回は東京在住の私の身近にある
火山灰の代表である関東ロームについて考えてみたいと思います。

関東ロームと一口で言っても、火山灰が降り積った年代によりそれぞれ名前が付けられている。
年代の新しいロームから言えば、今から1~3万年前に積ったものが立川ローム。
次に3~6万年前に積った物が武蔵野ロームと言いまして、いずれも富士山の大噴火により
出来たものです。

次に6~13万年前に箱根山の大噴火により堆積したのが下末吉ロームと言います。
火山灰と言えば、今噴火している新燃岳の火山灰は灰色に見えますが、なぜ関東ロームは
赤黒く見えるのでしょうか?
これは火山灰に含まれる鉄分が酸化して赤黒くなっているのです。

関東ロームは富士山や箱根山と大変遠い所から飛んで来ている為、大半が細かい粒子
で構成されているのです。
その為、層の厚さは5~15m位でそんなに厚くはないのです。
これに対して、御殿場の様な富士山に近い所では、粗く重い粒子で構成されているのです。
この為、層の厚さは100mもあるのです。
細かい火山灰は軽い為、風に乗り東京の方まで運ばれてきたという訳です。

次に関東ロームは東京都心部に於いて、どこに分布しているのかを考えてみます。
JRの山手線や京浜東北線で上野~田町間を乗車して何か気付きませんか?
そうです!JR線は崖に沿って走っているのです。
つまり、崖の西側は山の手(武蔵野台地)と言い、東側を下町(東京低地)に分かれているのです。
東京低地は、今から1万年前から出来た地盤なので、関東ロームは存在しないのです。

前置きが長くなりましたので、そろそろ本題の関東ロームの不思議について考えてみたいと
思います。
関東ロームは前述した様に大変目の細かい粒子から出来ているにも関わらず
粒子間の間隙は大きく、透水性、保水性に大変優れているのです。
普通、物質は水を含むと柔らかくなり、かつ間隙が大きいともろく、弱くなる物なのです。
しかしながら、関東ロームは粒子間の結合が強い為高い保水性と建物の支持地盤として
十分な地耐力を有しているのです。

余談ですが、関東大震災の時に東京低地の建物は大被害を受けたのですが、
台地の関東ロームの上に建った建物の被害が少なかったのはこの為なのです。
しかしながら、関東ロームを一旦、乱れた状態にしてしまうと、強度が著しく低下し
時間が経過しても、元の強度には絶対戻らないという欠点もあります。
まさに覆水盆に返らずです。

この現象を分かりやすく説明しましょう。
高度成長期には台地上のローム層の造成がいたる所で行われ、マンションや戸建てが
建設されてきました。
その結果、切土されたロームは強度は強いのですが、盛土されたロームは上述した
ように乱した状態ですから強度は著しく低下した状態なのです。
従って、盛土に建てられた建物はいたる所で沈下現象が生じた訳です。
少し長くなりましたので、次回に続きます。


不法投棄されたゴミ地盤が危ない。

2011-02-06 10:58:45 | 日記

今回は不法投棄されたゴミ地盤に住宅が建てられた場合、実際どのような現象が
起きるのかを考えてみたいと思う。

不法投棄とは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に違反して同法に定めた処分場
以外に廃棄物(ゴミ)を投棄する事を言うのである。
これらの廃棄物(ゴミ)には、生活ゴミ等の一般廃棄物とコンクリーガラ等の建設廃棄材
や工場等からの排出される有害物質を含む産業廃棄物と様々な種類がある。

これらの様々なゴミの不法投棄は、一般的に谷部に行われているケースが多いのである。
あるいは地盤を大規模に掘削し、そこにゴミを投入して土砂で覆うのである。
有害物質を含んだゴミ地盤の場合は、土壌・地下水汚染問題を引き起こしたのである。
そして高度成長時代より、これまで不法投棄された谷部を含めて盛土造成されて
住宅が建設されてきたのである。
また、造成時に不法投棄されたゴミがあると分かった場合、ゴミの一部を除去し、
後は臭い物に蓋をする形で一般土砂で覆ってゴミは残存したままに建設されてきたのである。

そして、長い時間が経過して道路が陥没したり、家屋の外壁にクラックが生じたり
建物が傾いたりの現象が全国各地で起こっているのである。
ゴミ地盤の上に建てられた家屋がなぜこのような事が起こっているのであろううか?

生ゴミや木片等の有機物が腐敗してくると体積が減少して地中に空洞が生じ
地表面の土がこの空洞に流入して陥没や沈下が生じたのである。
また、コンクリートガラがある場合、かなりの空隙が生じてているので、その空隙
に雨水の浸透とともに土砂が流入され陥没が生じるのである。

次に今住んでいる地下にゴミの有無を簡単に調べる方法についてまとめると以下の様になる。

●悪臭はしないか?
●土を掘り返して、土に不自然な色は無いか?
●コンクリート塊がないか?
●プラスティック等の容器がないか?

ただし、ゴミが地中深くにあり、盛土が厚い場合は困難である。
最近は、ゴミ処理も規制及び監視が厳しくなって来ているので、不法投棄も段々減少して
くるものと思われるが完全に無くなる事はないと思われるので、今後も住宅を建てる場合は
ゴミ地盤の有無についての十分な注意が必要であると考える。

 


地下に潜む空洞 其の3

2011-01-19 13:31:26 | 日記

  前回まで、防空壕や亜炭鉱跡地の空洞の陥没について考えてみた。
  今回は道路直下の空洞による陥没について考えてみたいと思う。

  この道路陥没は防空壕等の陥没と異なり陥没規模は大小さまざまであるが、全国に於いて
  毎年4700件程度、日当たり13件発生していることになる。
  東京23区では年1000件発生しているとは驚きである。

  この道路陥没の原因は一般的には下記のように言われているが果たしてそうだろうか?

  ○老朽化した上下水道管からの漏れによる土砂流出
  ○掘削後の埋め戻し不良
  ○埋戻土の転圧不足

  上記は陥没の直接的原因ではない。まずは、下水道管上部に発生する空洞のメカニズム
  について考えてみたいと思う。
  
  ①下水道管内には、降雨の度に地上から砂混じり雨水が流入する。水は流出するが
    砂は重い為、管内に堆積する。
  ②時間の経過とともに砂の堆積がおおくなり、下水管の通過面積は減少していく。
  ③このような状態で大雨が降ると管内は満水状態となり内圧が発生し、管内部に
    亀裂が発生する。下水道の設計は自然流下が原則であり上水道の様に
    内圧を全く考慮していない設計となっている。かつ鉄筋コンクリートで出来ている
    下水管は直接下水と接触している為時間の経過と共に劣化して強度が低下し
    て簡単に破壊してしまうのである。特に布設30年経過した下水管の破損が
    最も多い。
  ④この亀裂が拡大していくと下水管の上部にある土粒子が管内に落下し初期空洞が
    発生する。これを契機に空洞が成長・拡大して最終的に地表に達する陥没に
    発達するのである。

   以上が道路が陥没するメカニズムである。
   下水管の寿命は50年とも言われているが、現に下水管布設後30年くらい経過した
   段階が全国に於いて道路陥没を引き起こしているのである。
   ここ何年か前から年々公共事業予算が減少しているが、これは箱物行政に対する
   国民の批判から生じた結果と言える。

   しかしながら、30~40年前に布設した下水管が既に寿命を迎えようとしているので
   早々に下水管対策を実施するような予算をつけて実行してもらいたいものである。
   大事故が起こってからでは遅いのである。

   余談になるが、もう一つ心配な事がある。道路とは関係ないのだが、昭和30~40年代
   に谷部を盛土して造成された住宅地が全国に多数存在している。
   これらの造成された宅地の下部には大規模雨水幹線が危険レベル期に入っている事も
   認識すべきである。
  


地下に潜む空洞 其の2

2011-01-16 09:26:59 | 日記

  前回は、防空壕の対策の現状と対策についての問題点について色々と考えてみた。
  今回は岐阜県御嵩町で起きた亜炭鉱採掘跡地の大陥没事故を契機に日本全国に分布する
  亜炭鉱、石炭採掘跡地である炭鉱跡地の現状と対策について考えてみよう。

  御嵩町での大陥没事故後の対策がどうなっているのかを調べた。
  亜炭採掘は国の許可事業の為「臨時石炭鉱害復旧法」に基づき国が中心となって費用を
  負担して来たが、これが廃止された平成14年以降は国及び県の出資により「特定鉱害復旧事業
  基金」を立ち上げ復旧に充てる事となっていて、この基金は、災害発生時の復旧に充てる事が
  原則となっているのである。

  前回、記述した防空壕の落盤予防の対策とは異なり、この基金は陥没を予防するための調査や
  対策には全く使えない事がわかった。
  この違いは、防空壕は国交省管轄であり、炭鉱跡地は経済産業省の管轄というまさに縦割り行政
  の象徴と言えよう。

  岐阜県の現在の特定鉱害復旧事業基金の総額がわずか5億円しかないらしい。
  御嵩町では、日常茶飯事にどこかで陥没が起きている事を考えるとこの基金はすぐに底を
  尽くだろう。

  この基金の目的も、陥没が起きてた後の復旧のみが原則的に適用する事になっているが
  前回、書いたように、陥没により人命を無くすような事態が起こった場合どのような補償が
  あるのか疑問が残る。

  国や自治体は、国民の生命・財産を守る事が最も重要な義務とかんがえるとこの基金は
  まったくもって本末転倒基金といえるのではないだろうか。

  今現在も御嵩町の家屋が傾斜した住民の方々の心情を思えば、大いに憤りを感じる
  次第である。

  防空壕にしろ炭鉱跡地にしろ国の政策により生じた産物であるのに事故が起こった後の
  対策は実施するが事故を予防する対策をしないとは全く国民として理解できない
  政策ではないかと思わざるを得ません。

 

  


地下に潜む空洞

2011-01-14 21:18:48 | 日記

 平成22年10月20日に岐阜県御嵩町の住宅地で亜炭鉱採掘跡地の大規模陥没が
 起きた。 その結果、人命被害はなかった物の多くの家屋が傾いて今も避難生活を
 送っている事を知り改めてて地下空洞の危険性を認識した。

 
 日本の地下に潜む空洞は一体どんなものがあるのかを考えてみた。

 ①亜炭鉱や石炭採掘跡地
 ②戦時中に作られた防空壕
 ③金、銀、銅等の鉱山跡地
 ④道路直下や護岸背後面での空洞
 ⑤河川堤防やゴルフ場等で見かけるモグラにより作られた空洞
 ⑥人工的に構築された共同溝、下水道、地下鉄等の空洞

 以上のように様々な空洞が存在している事がわかる。そして①から⑥の空洞の分布
 状況はいまだ不明なのである。今回は、戦時中に構築された防空壕のその後の処理
  がどうなっているのかを検証してみよう。
 戦時中に旧軍・自治体・町会が作った防空壕を「特殊地下壕」という。
 国交省が2005年に全国の防空壕を調査した結果、全国に10280ヶ所もそのまま
 放置されているのだ。
 もっとも多いのが鹿児島県である。
 この数は、今後の調査でまだまだ増える見込みである。

 国交省では、これらの防空壕のうち陥没の危険性の高い物については、埋め戻し等
 の対策費の2分の1
 を補助するという制度を設けている。
 残り2分の1は自治体が補助する訳である。この危険度が高い条件とは、陥没・落盤
 または防空壕
 の壁面のひび割れが顕著であり、建築物等に対する危険度が増しているという物で
 ある。
 この段階でないと対象外であり自治体の財政難により遅々として対策が進んで
 いないのである。

 陥没・落盤がおこってからでの対策では全く持って遅すぎるのではないのでしょうか?
 
 御嵩町での大陥没事故では、上記の様な現象が果たしてあったのかどうかを検証
 すべきであると考える。
  陥没、落盤が顕著でなくとも、巨大地震が起きた場合、健全な防空壕でも
  落盤する可能性をはらんでいる事を当然考えるべきである。
 防空壕等の大規模空洞の陥没メカニズムについてはまだまだ遅れている感は否定で
 きないと考える。

 何年か前に子供達が防空壕で遊んでいてCO中毒や酸欠等で死亡する事故が起き
 て防空壕対策を
 するようになったのである。
 日本と言う国は、防空壕が陥没して人命を無くするような事態が起こらないとなぜか
 本腰をいれない
 土壌があると見る。
 
 防空壕などの土をむき出しにした空洞については時間の経過と共に風化現象が激し
 くなり
 いつかは陥没していくという事をもっと検討すべきである。
 国、自治体は、国民の生命、財産を守る義務があるのではないか。

 今の民主政権が掲げる子供手当を廃止してこれらの予算を防空壕対策費に当てた
 ほうがよほど
 建設的な政策と言えるのではないだろうか。