最近の新燃岳の噴火により、山の斜面に降り積もった火山灰が数ミリの降雨により
土石流の発生が高いと報道されている事を知り、今回は東京在住の私の身近にある
火山灰の代表である関東ロームについて考えてみたいと思います。
関東ロームと一口で言っても、火山灰が降り積った年代によりそれぞれ名前が付けられている。
年代の新しいロームから言えば、今から1~3万年前に積ったものが立川ローム。
次に3~6万年前に積った物が武蔵野ロームと言いまして、いずれも富士山の大噴火により
出来たものです。
次に6~13万年前に箱根山の大噴火により堆積したのが下末吉ロームと言います。
火山灰と言えば、今噴火している新燃岳の火山灰は灰色に見えますが、なぜ関東ロームは
赤黒く見えるのでしょうか?
これは火山灰に含まれる鉄分が酸化して赤黒くなっているのです。
関東ロームは富士山や箱根山と大変遠い所から飛んで来ている為、大半が細かい粒子
で構成されているのです。
その為、層の厚さは5~15m位でそんなに厚くはないのです。
これに対して、御殿場の様な富士山に近い所では、粗く重い粒子で構成されているのです。
この為、層の厚さは100mもあるのです。
細かい火山灰は軽い為、風に乗り東京の方まで運ばれてきたという訳です。
次に関東ロームは東京都心部に於いて、どこに分布しているのかを考えてみます。
JRの山手線や京浜東北線で上野~田町間を乗車して何か気付きませんか?
そうです!JR線は崖に沿って走っているのです。
つまり、崖の西側は山の手(武蔵野台地)と言い、東側を下町(東京低地)に分かれているのです。
東京低地は、今から1万年前から出来た地盤なので、関東ロームは存在しないのです。
前置きが長くなりましたので、そろそろ本題の関東ロームの不思議について考えてみたいと
思います。
関東ロームは前述した様に大変目の細かい粒子から出来ているにも関わらず
粒子間の間隙は大きく、透水性、保水性に大変優れているのです。
普通、物質は水を含むと柔らかくなり、かつ間隙が大きいともろく、弱くなる物なのです。
しかしながら、関東ロームは粒子間の結合が強い為高い保水性と建物の支持地盤として
十分な地耐力を有しているのです。
余談ですが、関東大震災の時に東京低地の建物は大被害を受けたのですが、
台地の関東ロームの上に建った建物の被害が少なかったのはこの為なのです。
しかしながら、関東ロームを一旦、乱れた状態にしてしまうと、強度が著しく低下し
時間が経過しても、元の強度には絶対戻らないという欠点もあります。
まさに覆水盆に返らずです。
この現象を分かりやすく説明しましょう。
高度成長期には台地上のローム層の造成がいたる所で行われ、マンションや戸建てが
建設されてきました。
その結果、切土されたロームは強度は強いのですが、盛土されたロームは上述した
ように乱した状態ですから強度は著しく低下した状態なのです。
従って、盛土に建てられた建物はいたる所で沈下現象が生じた訳です。
少し長くなりましたので、次回に続きます。