たとえば模型道楽

1/48 スーパーマーリン S6

1913年に始まったシュナイダートロフィーレース、当初は一攫千金を狙う冒険野郎が集う草レースだったようだが20年代に入ると機体の進歩につれ莫大な金が掛かるようになり参加国同士が争う様相となる。3年連続で優勝するとトロフィーを自分の物に出来るというルール、草レースならば洒落が効いているが、真剣に成ると結構大変だったのだろうと思う。

結局1931年、英国が3連勝しトロフィーを奪い科学博物館にS6Bと共にかざっているのだが、S6は1929年の2連勝目を勝ち取った機体だ。尚、S5が1勝目。ちなみに、S4は1925年のレース用に開発されたが事故で失われた。ただ、同年のイタリア機はM33飛行艇だしアメリカはカーチス複葉機。失敗したとは言え双フロート単葉のS4が、5,6,6Bの礎となったように見える。白いのがS4。

部品も少ないので油断してどんどん形にしてしまうとフロートの張り線が知恵の輪になる。機体とフロートは分けて仕上げる方が良い。フロート間の張り線は支柱が歪むともろ影響されるので伸びる素材、ウイングナットが扱っている、を使った。機体への取り付けは雑誌に出ているように細い銅線を撚ったアイボルトを埋めておく。その他の張り線は金属線。手当たりしだいに使ったので洋白と真鍮が混ざっているが、洋白の方が張りが有るし塗らなくても良いので扱いやすい。ただし、残念ながら、真っすぐな洋白線は0.3mmまでしか手に入らない。真鍮は0.2mmまで売っている。いずれにしろ、両端に深めの穴を開け嵌め込むように取り付けた。固定は木工ボンド系強力糊。壊しても修理し易いし真鍮線を塗ってから付けても塗料がにじまない。

なんとも、魅力的な塗り分けも苦労の種。これも、フロートと機体は分けてやった方が絶対正解だ。組み上げてからのマスキングと塗装は本当に大変だった。デカールは色が重なっている部分が固いが軟化剤が効いて、なんとか貼れた。

ノアモデルのレーサーシリーズ。残念ながら絶版です、悪しからず。つい、これを一番最初に手を付けてしまったのだがフロートの補強が全部張り線で結構手ごわい造りだった。加えて、レジンムクキット初体験なので重さの具合が馴染めず、特にフロートの重さが感覚的に掴めなくて、プラのつもりで持ち上げては支柱が歪む、挙句の果ては墜落等波乱万丈、艱難辛苦のどたばたストーリーの末やっと完成。手のかかる子ほど可愛いのは模型も同じ、完成させてナンボも自明、あちこち気になる所は有るが好きだねこの飛行機。

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