夏日の断片

感情の混沌からかき拾い

言葉を繋いでみても

何処へもたどり着けない


この指からこぼれ落ちたものを

今　青の絵の具にして

夏の空へと留め置こう

月にうたう

何処へとも

寄り添りてくる

円い月

其処に居るのに

決して届かじ

廻路

今みたことのように
未来を思い出す

今日の想いが
明日をつくるように

先のわたしが
今日の私ををいざなう

すべてをいだく
ひとつの空の下で

樹木の陰

つむった目の裏に隠した
二人の記憶を
あの樹の下に埋めておく

最初から君は言っていた
約束は苦手だと
それが僕達の出逢いだった

望むものはない
何も待たないから
君さえも

憶えている
ただ憶えている　樹木の陰で