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そつたく-啐啄同時

日記です。お知らせしたいことなど。

漢方薬①抑肝散

2018-05-03 23:56:54 | 漢方
先日、

足立区医師会小児科医会の先生から、

漢方の相談をしたいとお電話をいただきました。



患者さんに抑肝散を処方したのだけれど、院外処方の処方箋を受け取った調剤薬局が、

処方してくれなかった…とのことでした。



薬剤師さんが患者さんに、

「抑肝散は認知症の薬で、お年寄りに処方される薬ですよ!子供が飲むなんて!」

と否定的なことを言って、処方してくれなかったというのです。



!!!!!!!


なんということでしょう!!!


二重に間違っています!!!


!!!!!!!




①抑肝散は小児の夜泣きなどに用いる有名な漢方です。薬剤師さんの知識不足です。

②薬剤師さんが薬を勝手に削除するなんてありえません!疑問に思うなら処方医へ問い合わせをするべきでした。



②については足立区薬剤師会などに報告して指導していただいた方がよいと思うのですが、

今回の小児科医の先生がお優しくて、

「どういうことなのか、ちょっと聞いてみてくる…」

と、薬剤師さんのところへ出向かれるとおっしゃいました。

…お優しすぎます!



関係者の方で、こういう時の対処を教えてくださる方がいらっしゃいましたら、

当院へご連絡下さいませ。



ちなみに抑肝散を本当に小児に用いるのかという件ですが、

小児に使うところから始まったのです。

原典は、明時代の小児科の教科書的であった保嬰撮要という本にあります。


効能は、

虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:

神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症。


母子同服(おかあさんとこどもといっしょに同じ薬をのむ)で服薬するとよいことでも有名です。


赤ちゃんの夜泣きの薬は、他にも甘麦大棗湯が有名ですが、

こちらも近年では精神疾患領域で人気なので、年齢を問わず処方されています。


漢方薬について調べたい方は、高山宏世先生の漢方常用処方解説をおすすめします。

漢方の赤本と呼ばれる、漢方初心者の先生には一度は目を通していただきたい本です。

私は偉そうに言える立場ではありませんが、大変お世話になっているので宣伝しておきます。




















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