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風船花(ホウセンカ)です! 元気です!

教育系ポップスバンド 風船花(ホウセンカ)の活動日記
日常の中であれこれ思ったことなど

 続 ひまわりのころ 25

2015年12月16日 21時59分21秒 | 続 ひまわりのころ

久しぶりに、「続 ひまわりのころ」を整理しました。

久しぶりに会った僕たちの話しは尽きなかった。
「ハルキは、高杉君との約束どおり、北澤高校に行ったんだよね」
ヒロトが僕に話しを振ってきた。
「野球も一所懸命だったけど、そこそこ進学校だろ、勉強も結構きつかった。下宿生活も最初はよかったけれど、寂しかったよ。でも、あの時から、北澤で野球をやろうと決めてたから」

「あの時って、おじさんの手術の日、キャッチボールをした時?」
「いや、それもそうだけどね。ほら、ヒロトも行ったろ、秋の大会の決勝!あの時だなあ」

 十月十五日、日曜日。北海道の高校野球の聖地、円山球場。
そのころ、太鼓もバンドの練習も最後の追い込みだった。本番まであと二週間。バンドは何とか、演奏は形になってきたものの、歌が難しかった。ギターに集中すると、歌詞を忘れてしまったり、歌のことを考えすぎると、思うように指が動かなかったり、悪戦苦闘の日々が続いていた。
太鼓の毎回、何度も通しの練習だった。哲じいもかなり気合いが入ってきて、細かくチェックをしては、最後の調整をしてくれていた。

十月になり、日が暮れるもの随分、早くなって、太鼓の練習が終わる六時には学校の外は真っ暗になっていた。そんな中、母さんの携帯には毎日のように高杉君からのメールが届いていた。近況の報告、さらには、僕らの励ますメッセージなど、それを読むのが楽しみだった。そして、十月九日から、秋の全道大会が開幕していた。北澤高校は、順当に地区予選を勝ち上がり、全道大会に駒を進めた。あと、五勝すれば、春の選抜大会への出場を手にすることができる。


続 ひまわりのころ 24

2015年11月10日 17時36分46秒 | 続 ひまわりのころ

早めの帰宅です。
24話をアップします。

くるみちゃんを寝かしつけて戻ってきたさおりさんが、
「ホントに、乱暴よね!」
とつぶやくと、
「自分でもそう思うよ」
先生が笑う。

「あれから、遠山先生が謝って、次の日から、本当に先生が違う人みたいになった。コウタたちも謝ってきた」
「そんなことがあったんだ。僕は全然、わからなかったなあ」
「うん、そうだね。ハルキやカホには心配かけたくなかったんだ。ハルキはさ、お父さんのこともあったしね」
「その日、学校に戻ったら、校長室に呼ばれてさ。これは怒られるなと思ってさ、緊張して、行ったら、『よくやったな』って、逆に褒めたりして、椅子から落っこちそうになったよ。寿小学校の校長先生から電話があったってね、遠山先生が一部始終を報告して、『気が付かされました』と話したみたい」
「ほんと、結果オーライの人よね」
さおりさんが目を細めた。


続 ひまわりのころ 23

2015年11月01日 21時47分30秒 | 続 ひまわりのころ

先ほど、歌の練習を終え、メンバーが帰って行きました。
練習中、「続きはどうなるんだ?」という話に……。
特に、「花穂は?」と。今のところは、行方知らず。
ハルキとヒロトが探すというストリーはどうか?
どこかの街で偶然、会うとか?

では、23話です。南先生が爆発します。

「悪のは、おれたち、大人だ。君たちにこんなことをさせてしまった大人だ。良い悪いをしっかり教えてこなかった、よくないことを誤魔化してきた大人なんだ」
「すまない」
先生はみんなに向かって頭を下げた。

それから、ゆっくり顔を上げて、遠山先生を見た。
研究会の次の予定を知らせる放送が入る。静かな教室の中で、言葉一つ一つがはっきり聞こえたが、内容は頭の中に止まらず、素通りしていく。

 「そして…」
先生は、大きく息を吸う。
「そして、一番悪いのは…」
また、言葉を止めた。
「一番悪いのは、…」
静かに、言葉を確かめるように言って、それから、教室全体が揺れるような大きな声で、
「あなただ!」
遠山先生を指さした。
「子どもたちの心が見えていない。子どもの姿が見えても見えていないふりをする。悪いことを放置し続けた。学級の子どもたちが何をしようとおかまいなしで、放任、放任。自分の都合の悪いことは、威圧して封じ込める。手抜きの毎日、楽ばかりして、子ども喜ばせたり。楽しませたりしようとしない。褒めない、励まさない、勇気づけない。助けない、支えない、手を差しのべない」
言葉を畳みかけた。窓からの日差しで逆光になり、遠山先生がどんな顔をしていたかはよく見えなかった。

南先生は、今度は、静かに、
「遠山先生、子どもたちに謝ろうよ。ごめんなさいを言おうよ」
とても優しい声で語りかけた。そして、もう一度、僕たち見て、
「これで私の話は終わりです。終わりになりますが、今日の算数は、遠山先生も、みんなも素敵でした。明日から、僕も今日の遠山先生のような授業をしたいと思いました。ありがとうございました」
深く礼をして、そのまま、教室を後にした。

それから、誰も何も言わない、何もしない時間があって、遠山先生が僕らの前に立った。



11月8日(日) 江別市立北光小学校で15時半ころに登場します。

 




続 ひまわりのころ 22

2015年10月22日 21時43分29秒 | 続 ひまわりのころ

公開研の準備が進んでいます。担当の先生から、「プレゼン、また、見てもらえますか?」って。うれしい。参加者も90名を超え、本校職員を入れると、体育館を会場にしてもそこそこな感じになってきた。参加をお願いする電話も随分かけたけど、多くの方々が力を貸してくれた。ありがたいです。
ここまでできた組織力を見てもらいたい。自分の思いを語れる教室の雰囲気を感じてもらえたらいいなあと。あと、1週間だ~!

さて、22話ですよ。南先生、オンステージです。

そして、「ゲホゲホ」と二回、咳払いをした後、姿勢を正してみんなに向かって話し始めたのだった。「私は、舞鳥小学校の南です。今日はみなさんの元気で、そして、よく考えていた授業を見せていただき、大変勉強になりました。また、みなさんの一生懸命に取り組む姿に感動すら覚えた次第であります」
先生のユニークな、というより、はちゃめちゃな言い回しに反応して、学級の中に、クスクスと小さな笑いが起こる。
「しかしながら…そこの君!」
先生は、シンジを指さした。
「人の筆箱に昆虫を詰め込むなんてどうなんだろう?」
さらに、
「そんなことをされた人の気持ちをどう思う?どうだい、日直のヒトミさん」
答えを待たずに質問を重ね、次から次へと指をさしていった。
一人一人に、問いかけていくうちに、教室が緊張にした空気が流れ始める。
時には、
「大自然に生きている虫たちも筆箱の中じゃ、とっても息苦しかっただろうね」
などと、冗談にならない台詞を交えていたが、当然、笑うものはいなかった。
「でも、君たちを責めているわけじゃない。もちろん、人の心を傷つけること、人のここを痛めつけることは…」
先生は、自分の胸を、ドンドンドン、力一杯叩いた。
「許されることじゃない。二度とするな!」
先生の目は赤くなり、涙が溜まっている。
そして、両手に拳をつくり、ダァーン教卓を叩きつけた。張りつめた教室だけに、とても大きな音に感じた  胸の中に、先生の手が突然、入り込んできて、心をきつく握られたようになり、息苦しくなった。「繰り返して言うぞ!二度とするな!」
叫ぶように、僕らに訴えかけた。先生が一人一人の表情を確認するように、教室全体を見回す。
「でもな、悪いのは君たちじゃない」

先生は、まだまだ終わらない。



今日はここまでです。写真は、僕の小学1年生の時の担任の先生からいただいた週案!
今はない栗山町立南学田小学校、僕の学校づくりにおいての目標です。




続 ひまわりのころ 21

2015年10月20日 06時57分08秒 | 続 ひまわりのころ

寒いなあ。冬が来るなあ。苦手だなあ。

21話、今朝、整理しました。

すると、南先生が、
「遠山先生、帰り会も参観させていただいていいですか?」
手を挙げて、唐突にお願いした。少し、戸惑った顔した遠山先生だったが、断る理由もなかったのか、
「どうぞ」
と南先生の願いを承諾した。

日直のヒトミの司会で帰りの会が始まる。
「これから、帰りの会をはじめます」
反省の中で、たくさんの班から、
「今日、頑張ったことは算数の勉強です…」
「今日、一番うれしかったことは、算数の時間に先生に褒められたことです…」
五時間目の算数の授業にかかわる発表が出された。

そして、ヒトミが、
「みなさんから何かありませんか?」
と聞いた時だった。
「は~い」
大きな返事が背中から聞こえた。その声の主は、そう、南先生だった。ヒトミは戸惑い、助けを求めて窓際に立つ遠山先生を見た。すると、遠山先生は、何も躊躇することなく、
「どうぞ」
と手を差し出した。南先生は、
「ありがとうございます」
と言うと、黒板の前にツカツカと出てきた。



11月8日は、本校マンドリン部と風船花が同じステージに立つ!
楽しみだね!