今回は、『ぜいたくな願い』シリーズは、一回お休みして、主人の事。
主人には、感謝してる。
何の取柄もない私と結婚してくれて、
今は専業主婦として家に置いてくれている。
家事もたいしてはかどらない私を。
強迫性障害という心の病気も抱えているしね。
その病気が悪化した時も支えてくれたし、
普段も優しくしてくれていると思う。
お金はないけど、それ以外はたいした不満はないはずだった。
でも……
私が、まず、主人の事、と一番に考えてる思考。
夕食のリクエストがあれば、叶えようと思い、
主人の趣味が順調ならば、それで主人が嬉しいならば、
別に、どこへも出かけなくてもかまわない。
主人が言い出して飼った猫が三匹になってからも、
私が家に居るんだから、世話は任せてと、
動物が苦手だったのも克服してがんばってる。
そりゃ、家事も得意じゃないし、
体重も主人の希望まで落ちてないし。
何より、働いて家計を助けたくても、
心の病気のせいで、とても働く自信がない。
わがままなんて言えないんだけど。
でも、今回、私が一年前から楽しみにしていたものを買う、となった時、
「だめ。」と、主人に言われた。
お金がない家なのはわかってる。
貯金も節約も大事だよね。
でも、この臨時収入が私に入る予定だとわかった一年前から、
ずっと楽しみにしてたの知ってるのに。
「お前はいいよな。」
それは、専業主婦なのに、少し値のはるものを買う、という意味?
「貯金がたくさんあればいいよ、買っても。」
そうだね。
「俺なんて……」
主人一人に働かせてる。
もっと趣味に時間をつかいたいよね。
「お前、働けないんだろ?」
無理、です。
でも、専業主婦になってからの年月以上の年月を、
共働きしてた。
あの頃、主人の欲しがるものは、
何でも、私の給料で買ってあげられた。
主人が喜んでる姿を見れば、私も嬉しくて。
もちろん、内緒で実家を金銭的に助けていたから、
その後ろめたさもあったと思う。
でも、主人の希望を叶えてあげたい、という気持ちは本物だった。
「俺の言ってることが正しかったって、わかる時が来るよ。
後で、あの時買わずに貯金して良かったって思うから。」
そんないうほど、大した金額じゃないんだけど。
世間的には、それっぽっち?みたいな……
「わかった。」
反論はしない、過去のことは持ち出さない。
いつも通りの私でいるね。
長いこと、自分の実家を助けていたお金や、
嫁ぎ先を助けようと主人に渡していたお金。
ああいうものから少しずつ、秘密の貯金をしていればよかったかな。
「金を工面してくれないか。」と、父親に言われた時。
「給料もらってるからって、そんなもの買わなくてもいいじゃない。」姑に言われた時。
いつも、私の答えは、今回と同じだった。
「わかった。」にこっ、と笑ったりして。
自分の気持ちがわからない。
私にしては珍しく、少し怒って書き出したものの……
いつも、怒りは、私にはつかまえておけない。
どこかに消えてしまう。
怒り、なんてものがあったのかどうかもわからなくなる。
まあ、そんなお話でした。