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もうひとつ厄介な法システムの話

2005-03-14 00:33:14 | Weblog
同様に、ちょっとおっかない法案が提出されている。2年ぶりに提出された人権擁護法案がそれだ。

 読んでいただければわかるが、法学を学び始めたばかりの学部生が書いたような穴だらけの法案である。人権擁護はけっこうだが、人権という錦の偽旗を掲げる人たちに悪用されなければいいが、と思う。

 最大の問題点は、司法手続きとは別個に、全国に二万人になると想定されている人権擁護委員によって、人権侵害の疑いのある事例に対して調査や資料提供の要求ができるということである。それが、何を以って「人権」とするかの規定はない。つまり、たとえばこのサイトに挑発的なことを書いたら、咎められるということである。条文には、委員に求められるものとして「高潔な人格と豊かな識見」という、これまた法学を習いたての学生が書きそうな文言が堂々と書かれているわけだが、人権という正義を振り回すプロ市民が多い昨今、非常に不安である。

 何より、警察や裁判官とは別に執行手続きが可能になるということが怖いのだ。この委員会については、司法との関係が書かれていない。本来なら人権侵害などは司法手続きに委ねられるべきであり(なぜなら、それが社会構成員による価値判断を決定するものだからである)、こうした委員会の可能性は、司法が十分に機能し得ない(事例の数に比して裁判官が少ない等々)場合に、補完的な役割に限られるべきである、近代国家においては。

 つまり、人権擁護委員会の裁定に不服の場合、きちんと司法で処理されるべきことが書かれていなければならないのに書かれていないのだ。これでは、司法とは別個の司法組織を容認してしまう可能性がある。右側、左側双方が、この条文を悪用する恐れがある。本人たちは悪用なんて思っておらず正義の行使だと思い込んでいるのだろうが、それが余計に厄介なのである。

 ここでも、司法システムのズレが始まっている。

ライブドア問題と近代社会の法システム

2005-03-14 00:32:04 | Weblog
 さて、金曜日のニュースだけれども、ライブドアによる株買収への、ニッポン放送とフジテレビの対抗奇策は裁判所からとりあえず中止を命じられた。

 企業は株主のもの、企業価値を高め株主に還元するのが株式会社の目的、と言われるとそうとばかりも言えないのじゃないか、と思うが、それをさて措いても、今回の奇策は法律以前に「株式会社」の本質に引き合わせて考えてみてやはり妥当ではなかった、とひとまず裁判所が判断をしたということである。

 それはそれで、まあいい。それは最前提として。

 株主の論理とか、株式会社の論理とか、そういう理知的なものを狡く使うことができる世の中になっていることは注意しなければなるまい。今回の裁判所の決定が司法の機能不全だというつもりはないが、法によって考えるという現在のシステム全体について再考する必要があるのかもしれない。

 つまり、ライブドアの堀江社長が、文言解釈上違法ではないがやや際どいTOB時期の時間外取引について、「価値観というのは時代に寄って変わるものであり、僕らがよりどころとするのは法律の文言しかない」ということを言っていたが、である。そのことについて、違和感を覚えることである。

 そもそも法律の文言というのは社会の価値観を守る(あるいは作る、あるいは明文化する)ためにあるわけだ。人を殺してはならぬ、という掟は、大昔には神様が創ったものかもしれないが、少なくともこの近代社会においては社会の構成員によって総意される価値観として成立しているわけで、それが明文化されている。

 その価値規範に違反したものは、この近代社会で平等に与えられている権利の制限、すなわち、財産刑による私有財産の没収、自由刑による行動の自由の制限、そして、生命刑が執行される。この執行の権限は社会の構成員によって政府権力に与えられている。これが、わかりやすく言うと近代社会・国家の法システムだ。

これが、揺らいでいるのは確かなのである。上述のホリエモンの言葉は、この近代社会の法システムの理念に照らせばトートロジーなのであるが、こうしたトートロジーがすり抜けられる社会になりつつあるのだ。

 理由はいろいろあるが、たとえば、社会の構成員、最も端的な例としては企業が、構成員であることの責務を回避できるようになっていることだろう。つまり日本企業が日本社会とその構成員に対する責務を回避して、外国に拠点を置いて稼いでもまったく構わない、ということだ。

 こういうときに、社会をどのように再構成するかということが問われている。おそらく、良心的な社会学者たちはそのことに気づいて警鐘を鳴らしているが、いまひとつ反応はよくない。インテリ自由主義者が持て囃される時代だからね。

ブログ始めます

2005-03-14 00:27:35 | Weblog
 遅ればせながら、多くの人に勧められてブログの世界に手をつけることになりました。
 でもまあ、当分は、Snobist Diaryの内容を転記することが多いでしょうね。こっちが本格的になるか、それともメモ代わりになるかは微妙なところですが。
 とりあえず、データ容量が1テラバイトとのことでしたので、何となく写真はアップするようにしたいと思っております。PC持っていかなくても更新できますしね。今後ともよろしく