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優しい歌

2024-07-03 22:31:00 | 日記
私の敬愛するSEKAI NO OWARIの楽曲は、とても優しい歌が多いなと思う。

彼らの歌は「ダーク」と「ポップ」に別れている。
ダークな歌では戦争と平和を大きな括りとして、いじめや、人間を分類する社会に対するヘイトソングが多い。
一方ポップな歌では、夢や、それに対する応援ソングが多い。ただ、大きく分けるとそうなだけであって、彼らの楽曲は本当に分類できないほど複雑で、一見ポップで可愛らしい楽曲の中に、ハッとするようなダークな歌詞が織り交ぜられていることがほとんどだ。


私は近年、こんなにも優しい楽曲は他にない!と、その曲に対する情熱が再燃した歌がある。
それは、2016年にリリースされた「Hey Ho」という楽曲だ。

この曲は、同年にSEKAI NO OWARIが始めた動物殺処分ゼロプロジェクト「Bremen」のテーマソングとして作られ、2013年のヒットソング「RPG」のアンサーソングだという逸話を持つ歌である。

私が高校一年の時にリリースされた楽曲なのだけど、当時はそこまで深く考えずに聴いていた。新曲が出たら大体数ヶ月くらいはその曲ばかり聞いていることが多く、その時も例に漏れず毎日聞いていた。セカオワらしいファンタジックでポップな曲調で、当時もとても好きな曲のひとつだった。


月日は流れ約一年前。私は昔から、リリースからかなりの時間が経った曲への情熱が再燃することが多く、これまで「ピエロ」や「幻の命」など、リリースから数年経って急に聞き込み始めることがあった。
その日、仕事に向かう道中の音楽でたまたま「Hey Ho」を流した。そういえばこれBremenの曲だなあと思いながら聞いていた。


“誰かからのSOS きっとこのまま誰かのまま放っておけば忘れてしまうだろう”


2番のサビでこの歌詞が流れた時、ハッとした。
セカオワは昔から、慈善活動をすることが多い。メジャーデビュー前の東日本大震災時や、熊本地震の時には、被災地支援で現地へ赴き、自分たちのライブ会場に募金箱を設置した。芸能人がボランティアに行くと、「偽善だ」とか「売名行為だ」とかいう声が立つことが多く、彼らも例外ではなかった。

すると、深瀬さんは
「困っている人がいるのに、助けない方が自分の中では不自然だった」
と語った。
実際彼は、小児がんの子供達の支援や孤児院支援を人知れず行っていて、ピアノの彩織ちゃんはアフリカの子供達の里親をしているらしい。
私は、そんなこと、考えつきもしなかった。
彼らは、困っている人たちや助けを必要とする人たちの実情を知り、手を差し伸べることを当たり前の感覚として生きているのだ。


さらに、同曲にはこんな詞もある。

“誰かを助けることは義務じゃない”
“笑顔を見れる権利”

動物殺処分ゼロプロジェクトの立ち上げも、被災地支援も、子供達の支援も、誰かの笑顔が見たくてやっているんだと。
大きく言えば、彼らの音楽活動自体、そうなのかもしれない。深瀬さんは自分の過去の経験から、一時は医師になりたいと勉強に励んでいたそうだが、彼の根底には“誰かを助けたい”“誰かの励みになりたい”という思いがあるのだと思う。

そして、その困っている人を「誰か」のまま放っておけば、忘れてしまう。
だから今、手を差し伸べる。

そう思ったら、涙が滲んだ。




「Dragon Night」や「Habit」のように、誰もが知る彼らの代表曲も、優しさでできている。両曲とも、当時はティーンたちの間で流行し、世間に浸透していった。でもやはり、歌詞の意味や思いは、多くの人が聞いている分屈折して、まっすぐ伝わっていないように感じる。
私が、Hey Hoの優しさに7年かけてやっと気づいたように、時間をかけて、彼らの歌の優しさに気づいた人がきっといるだろうと、私は思っている。