NBA2011-12シーズンは、
いよいよ4月28日からプレイオフに突入します。現時点(4月23日)では、まだ16チームが出そろっていませんが、東西両カンファレンスとも第8シードは最後の最後まで結論が出ないという、大変激しい戦いとなりました。
今シーズン、
編集部では各チームがどんな戦い方をしているかにずっと注目してきました。NBAでは個々のプレイヤーの実力がすごいことは一目瞭然ですが、例えばデリック・ローズやレブロン・ジェームスらスーパースターは、チームプレイにどんな形で組み込まれているのだろう...という点に興味がありました。
すごいからといって勝手なプレイをしているのではないということを強く実感できたら、チームの魅力が一層膨らむと思ったからです。
そこで今
シーズンの試合のビデオをたくさん用意し、かなりの回数見直して研究しました。HOOP6月号の別冊付録で、こうしてまとめた上位6チームの戦術分析を紹介していますが、いくつか、多くのチームが行っている共通の戦術というのがあるようです。個人的に見応えがあると思うのは、 "1-4low"と呼ばれる
フォーメーション。ブルズやヒートを始め、多くのチームが使っている、ガードが一人だけトップの位置に残り、他の4人がベースラインに沿って左右コーナーと両サイドのローポストに1線に並ぶフォーメーションです。
よく、
クォーターの終わりなどにこのフォーメーションからのプレイを目にします。例えばブルズだとデリック・ローズがトップに残り、
他の4人がベースライン沿いに並びます。ローズはトップでゆっくりドリブルしてショットクロックをつぶし、残り7~8秒の時点で右ローポストからジョアキム・ノアがハイポスト方向にスクリーン(ボール保持者のディフェンスにかける場合は"ピック"と言うそうです)をかけに動きます。そこからが勝負、ローズがそのピックを使ってドライブを仕掛け、一気に静から動へと状況が変わります。ローズは自分でフィニッシュすることもあれば、ディフェンスの動きを見てもう一方のローポストにいるカルロス・ブーザーや、アウトサイドにいるルオル・デンらにパスをさばくこともあります。これを見ると、5人全員がシステムの中で役割を果たしているというのを実感できます。
スパーズの試合では、
4out-1inというフォーメーションからの攻撃が目につきました。これはペイント内に1人入る以外は、3PTラインの外側に4人が散らばっている形です。攻め方は様々ですが、ボール保持者とインサイドのプレイヤー以外がこの2人に広いスペースを空け、2メンゲームで得点機を狙うというのが、ひとつのパターンです。スパーズなら、右ウイング付近でトニー・パーカーがボールを持ち、ティム・ダンカンがハイポスト、他の3人は左コーナー、左サイド、トップやや左より...みたいな配置。そこからパーカーとダンカンのコンビプレイです。
右サイドの広いスペースを使って黄金のコンビで攻め、第2第3のオプションが逆サイドに待ち構えているのは、敵にとってはかなりの脅威でしょう。
見る側としてややこしいのは、
試合がポゼッション交代ごとに止まるわけでなないので、オフェンスが始まる際に意図している陣形を必ずしも認識できないこと。でも、「そういうのがあるんだ...」と分かった上で見ていると、何度かに1回それを認識できるようになります。慣れるとその認識できる瞬間が増えていくのですが、「
あ、これは4out-1inだ!」という快感は、NBA観戦の醍醐味の一つに違いありません。
ということで、
戦術的な視点から試合を見ると言うのが、特にプレイオフではオススメです。お試しになってはいかがでしょうか!?
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