SlowFarming

Slow系でゆっくりと畑仕事。週末農業で永田農法実践中。

SlowFarming 07冬編2

2007-11-26 13:18:44 | うねうね日記
天気いいですね。
勤労感謝の日と合わせて三連休の方も
多かったと思いますが、皆さん紅葉狩りですか。

今日もいつものように液体肥料をまき終わると、早速耕し中の畑の根の掃除。
それにしてもすごい根の量です。一度休耕すると再耕するのは一苦労で、
農業の減反にも問題がありそうです。

ヤフオクで落とした不動のハンドトラクターから、耕耘部分だけをテーラーに
取り付ける事にしました。



勿論規格の違うものなので、改造しております。一番厄介なのはギアボックス
という、動力を伝達する部分。オリジナルでは長さが全く足りないので
ボックスのテーラー側の面を切り落として解放し、ギアむき出し。50ccバイク
用チェーンを切って長さ調整し、長いものに付け替えました。
ボックスとチェーンが接触するところがあったり、土の堅いところでは
ビビったりしますが、まあ、何とかなるものですね。

根がすごくて土が堅かったので先に鋤で土起こししておいて正解でした。
ローター耕はあまりやり過ぎると土が細かくなり過ぎて土中酸素が
減ってしまうらしいのですが、とりあえず根のネットワークを切断して
しまわないと又雑草が生えそうなので縦に横に細かく耕しました。

さて、先週小麦を蒔いた隣に15cm間隔で10条程ライ麦を蒔きました。
先の小麦はバラまきにしたのだけれど、広すぎて液肥を撒くのが大変なので、
今度は筋蒔きにしました。ライ麦は小麦と交配してしまうらしいのですが、さて。
来週はこの隣に大麦を撒くつもり。小麦と違って大麦は肥料で育成に差が
つくらしいのですがさて、どうしましょう。



畑の方は先々週蒔いた絹小町が芽を出し、3cmほどに。
今の季節はマメとか、麦とか、穀物系を植える季節。
コメは普通に冬休耕するのに、マメとか麦とかはどちらかというと
寒くても頑張って他に雑草のないうちに育ってしまおうという戦略の植物なのでしょう。

チンゲンサイは防虫網のかかっていない方が、どうやら鳥に食われているらしいです。
葉っぱの先がきれいに切り取られています。やっぱり網かけしないとダメみたい。
大きめのトンネル柱買って来ないと。



ラズベリーの実がなり始めていますが、これって熟すのでしょうか。
こんな寒くても大丈夫でしょうか?
植え付けが今年の夏だったのに、もう花が咲いて実が成ってるあたりは、
野草の強さを感じます。



農業の機械化を小規模でやり始めた訳ですが、どう考えても現代の農作業は、
人力だけで成立するとは考えにくいです。実感すればする程。
いや、時間があれば出来るでしょう。
しかし今の農業は多分、時間をかけて上がる収穫が利益と結びついてない訳で、
どうしても機械化で規模を少しでも大きくしたくなるのは理解出来ます。

そうすると、いちいち害虫取ってられないので薬剤撒いてしまうでしょう。
薬剤費がかかります。さらに今後、ガソリン代がもっと上がったらほんとにアウトです。
穀物が高騰している国際情勢で、何が正しい道なのか。
自給率を上げるのは防衛費を上げるのと比例するような大切な事なのかもしれません。
大体世界で実質的な力を持つ国は、殆どが自給率100%以上。
それなのに農水省、経産省とも国内生産に消極的で必要分の食料は輸入すればいいと
本気で思っているらしいし。

同じところに根ざしている問題に、バイオガソリン、バイオエタノールの
問題があります。それは間接的に自国の農業を破壊してしまうかもしれない
大きな問題をはらんでいるというのに。

大体ガソリン使ってトウモロコシ作ってエタノールにしてエネルギーとして使う
というのは、循環構造が破綻していると思うのですが。
アメリカはエネルギーの独自獲得を目標として、バイオエタノールを推進してますが、
元々化石で原料費がかかっていない、遺産としての石油を使うから経済が成り立つ訳で、
ではバイオエタノールで機械動かしてトウモロコシ作ってエタノール作ったら、
経済なんて成り立つのでしょうか。

たかだか10m四方(1a)の土地を耕すのに、多分ガソリン2リットルは使うでしょう。
種撒くのにさらにその三分の一は必要でしょうか。
消毒にもそのくらいは必要で、中耕したらさらに2リットル。
刈り取りにはまた2リットル。合計7リットル弱。1000円くらいかな。
トウモロコシは分からないけれど、例えば小麦だったら10aあたり多収穫の土地では
18俵くらい採れるらしいので、1aだと10分の一。
そうすると一俵60kgだから108kgの麦が採れる。
単純に肥料、輸送費その他を計算しないけれど、今年は小麦の国際価格が
1ブッシェルあたり(約27.4kg)5ドルという事は約2400円だから、
差し引き1400円。

そんな計算していたら、もっとわかり易いページを見つけたので。
http://tsuyu.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_23cf.html

コーン1KGからエタノール0.47リットルが出来るという事です。
市場価格キロ27円のコーン使っても、エタノール市場価格が26円じゃあ
だめですね。国内じゃあ割に合わないのですね。

ということは、やっぱりガソリンに頼るしかないのかなあ。
セルロース分解というのもまだまだ先の話のようですし。
結構前途多難みたいです。

国際社会ではあらゆる手を使って自国に有利になるように活動をする訳で、
最たるものが環境問題だったりします。
環境問題とは先進国が後進国の発展を押さえつける為の、いや、
欧米がアジア、アフリカの発展を押さえつける為の詭弁だとしたら。
南北問題の再来だとしたら。
(現に京都議定書は完全に日本だけがはめられた感じだし。その各国の二酸化炭素
排出量計算の基準年とした1990年、既に高度な技術と努力で相当量の排出削減構造
つまり省エネ構造を実現していた日本と、まだまだ省エネが進んでいなかったヨーロッパ
を同じスタートラインに置いたら、更に削減しなくてはならない日本とヨーロッパでは
努力のレベルが全く違う訳だから、どちらに有利な条約なのかは一目瞭然。きっと基準年
を2000年にしていたら、誰も批准しなかったというのが本当のところ。
詳しくは武田邦彦著「環境問題はなぜウソがまかり通るのか2」を参照。)

そんなわけで農業にはエネルギーが不可欠なのですが、何か別の方法を考えないと
ほんとに自給率どんどん落ちちゃいますよ。
今鎖国したら人口の6割は餓死ですね。自給率40%しかないのですから。 

例えばソーラーエネルギーとか、雑草からエタノールを作るとか、そこらにあるものを
なんでも高効率にエネルギー化するような仕組みが必要です。
(バックトゥーザフューチャーのデロリアンのように)
もっともっと、基礎化学や経済と関係ないところで科学を発展させないと。
核融合くらいのレベルで物質からエネルギーが生み出せれば、計算上では
永遠に人類に必要分のエネルギーなんか生み出せそうなのに。

食料になるものをエネルギーに変えるというのは、何かが間違っているような気が
しますが。ただ単に生理的な問題だけではなく。
石油は食えないけれど、コーンなら人を救える。
それでも人は食料をお金に換える為に、エネルギー生産に使うのでしょう。
人類最大の環境破壊である農業をなんとかした方が、この国の未来は明るいかも。