私が作った 《こなき畳》 と、《二畳和尚》
こなき畳の性格、どのようにして妖怪になったかの経緯を
書いた後、肥後の国に住む、 《二畳和尚》 から、
『ワシの事、忘れてはおらぬか?』
と 言う言葉をもらい、ここで、二畳和尚のお話を。
昔々、京は由緒ある寺に、位の高い和尚様が住んでおりました。
この和尚が生を受け、住んでいた時代は一部の特権階級のみで
まつりごとを行い、好き勝手していたのであります。
そして この、和尚もまた、高僧と、言う身分をかさにかけ、
好き勝手していたのでありました。
そして、霊力があった和尚
わが身に害とみなす者は、呪いをかけ
また、出世に有利なように、持っていた霊力を使っていたのであります。
そんな日々を過ごしていた和尚を見ていた、仏様
『仏門に身を置く者にありながら、何と言う所業』
と、お怒りになり、とうとう、罰をお与えになったのです。
実はこの和尚、今で言うなら
タッキー&翼の、翼君・・・・・
とでも言いましょうか、すごい美形で、外を歩けば、
振り返らないおなごはいない、そんなハンサムボーイ
何人、女の子を泣かした事か・・・ 《仏門の身にいながらなんというヤツ》
で、お怒りになった仏様、
罰として和尚を、醜い姿に変えたのであります。
その姿は、永遠に変わる事はなく
『今までの所業を悔い改めるまで
霊力も預かる』
そういって、仏様は和尚の霊力をも、奪ったのであります。
わが身の醜さに気がついた和尚は、大変に落ち込み
今まで、身なりを事のほか気にしていたのに、
髪はボサボサ、性格もそれまで異常に
悪くなる一方だった、和尚
それを見るに見かねた、和尚の師
『九州は阿蘇の麓にある寺で
修行をし、今一度わが身の今までの所業を
振り返ってみなさい』
と、言う事で、九州は阿蘇の麓で
修行をする事になった二畳和尚
修行を始めた当初は、
いつも、サボる事しか考えてなかった和尚
がある日、托鉢をしに、村へと出かけた時
どう見ても綺麗とはいえない娘が托鉢に来た和尚
の持っているおわんに、お米を入れ手を合わせた。
確かに、今までの和尚からすれば、好みのタイプでは
なかったが、何故か手を合わせる姿が目に焼きついて
離れない。
『これは、どうした事か、ワシらしくもない 』
そう思いながらも、朝のお勤めをしに、
瞑想の部屋へと入り、修行をしていた時
なぜ、あの娘が忘れられないのか
理解できたように思った。
『そうか、あの目。目が活きてるのだ
だから、あのおなごが気になったのか』
そう思った時
《解ったか?いくら外見が良くても
その生活が乱れた時、目も曇ってくるのだ
外見があまり良くなくても、日一日、前を向いて
生活をしている者は、目も生き生きと輝いているのだ》
と、仏様の声が聞えた。
それからは修行もサボることなく励み
仏様からも
『よく修行に励んだ』
と、いう事で霊力も戻してもらい
ますます修行に励んだ和尚
熱心に修行するあまり
三度の食もとらず、瞑想をする日々を送り
二畳 《にじょうたたみ》 の上で
倒れこんでしまった。
和尚の体は骨と皮のみとなってはいたのだが
まだ、修行をせねば・・・
修行を積まねば
と言う思いが二畳にのり移り
二畳和尚となった。
今は、肥後の国の山奥の小さな寺の住んでいる。
二畳和尚の
好きなもの ・・・ 酒・焼酎
嫌いなもの ・・・ 甘物
猫が苦手だが、寺にいるねずみ退治のため
泣く泣くではあるが飼っている。
暇さえあれば、瞑想をしている。
夢・・・ 一度、エステ・スパ とか言う所に行きたいと
思っている。